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2014年12月5日

博士人材がより活躍できる仕組みを:五神新総長質疑応答

五神真教授(理学系研究科長・理学部長)が次期総長予定者に決定したことに伴う11月27日の記者会見では、最後に質疑応答の時間が設けられた。以下は、寄せられた質問とその回答を抜粋した。

(記者会見の詳細記事はこちら→「学生に身につけてほしい4つの力:五神新総長 記者会見

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――「共創的プラットフォーム」を作るための取り組みとして「卓越した大学院」を作ると挙げたが、現在の大学院に問題があるということか

五神教授 大学院は研究と教育を要請されている機関だが、現在の東大の大学院は教育機関として途上の段階にある。特に博士人材の育成の部分に課題が残っているので、大学院の仕組みを整え直し、博士人材が社会でより活躍できる仕組み作りを目指したい。これに関しては就任後に議論を進め、それほど時間のかからないうちに進めていく。

 

――今回の総長選の仕組みを考える上での総長選考会議の中で、東大の構成員である在学生に投票権を与える議論はあったのか

梶田隆章教授(宇宙線研究所長、総長選考会議議長代行) 今回の総長選では、そのような議論はなかった。総長選考会議として、今後もより良い仕組み作りを検討していく。

 

――東大で相次ぐ研究不正について、どう考えているか

五神教授 「学術が社会から信頼される」ことは研究の前提なので、重大な問題だと認識している。理学系研究科・理学部では本年度、研究倫理に関する授業を始めた。このような取り組みを進め、東大全体に意識付けをしていくことが大切だ。

 

――濱田純一現総長の取り組みに関して、評価する部分と見直す部分は

五神教授 総合的な教育改革や初年度教育は、先進的な取り組みとして評価できる。この改革を安定なものとして定着させていきたい。秋入学構想は、問題提起の一石として教育改革の議論の幅が大きく広がったことを評価したい。ただしこれらの改革は、国家試験との兼ね合いなど東大だけの力では実現できない。改革を実現するには、東大外を巻き込んだ、より大きな枠組みでの議論が必要だ。「日本全体のシステム改革」を目指して、運営を進めていきたい。

 

――男女共同参画をより一層実現していくための取り組みは

五神教授 現在の東大では、教授の女性の割合が諸外国と比べて低くなっている。ポスドクなど博士課程の問題も含め、ポスト運用の整備をきちんと進めていこうと考えている。

 

――中央教育審議会で大学入試改革についての提言がなされている。東大も推薦入試の導入を決めているが、入試の在り方についてどう考えているか

五神教授 個人的には、現在の東大の全て記述式の試験を評価している。しかし一方で記述式の試験で発掘できる人材には限界がある。推薦入試の導入で学生の多様性が広がるのは、教育的に望ましいと考えている。

 

(記者会見の詳細記事はこちら→「学生に身につけてほしい4つの力:五神新総長 記者会見」)

この記事は、2014年12月2日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。2700_12_2pop.jpgのサムネイル画像のサムネイル画像

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