COLUMN 2015年2月22日

神話と今が交差する町。伊勢、着物でそぞろ歩き

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「江戸時代の伊勢には、言ってみれば当時のツアーコンダクターがたくさんいたんだ。僕たち旅に関わる人間の遠いご先祖様だね」

「江戸のツアコンですか、面白いですね、どんなことしてたんですか?」

「”御師(おんし)”っていってね、全国にでかけていって、伊勢神宮にお参りすることを勧めたり、旅の世話をしてたんだ」

 

伊勢名物の「赤福」の店内。リクルートライフスタイル山本さんの口からは、次から次へと「観光客の知らない伊勢」の話が溢れ出してくる。

「伊勢の人たちはみんな話好きで、いつも色んなことを教えてくれるんだよ。聞けば聞くほど、面白い話が出て来るんだ」

 

旅行サイト「じゃらんnet」の「初TABI in 伊勢」というキャンペーンがある。18~24歳の若者に向けて、「初めてに出会う旅」をコンセプトに、まだまだ知られていない伊勢の魅力を伝えよう、という企画だ。なんと「じゃらん」で宿泊予約をすると1組み10,000円オフ。先着1000名限定なので急いだ方が良さそう。先程登場した山本さんもこのキャンペーンに関わってる。今回は、静岡大学の学生たちに、「初TABI in 伊勢」のキャンペーンで伊勢を実際に楽しんでもらおう、という企画だった。僕はといえば、その旅を一緒に体験しながら取材して記事に……というちょっとヘンな立ち居地。いつのまにか「カメラマンさん」なんて呼ばれてるので、その役を演じることにしよう。

「おいしそうに食べている顔、一枚下さい!」

食べ歩きする静岡大の学生たちを写真に収めていく。

何といっても、日本で一番有名な神社、伊勢神宮に参拝するのがツアーの始まりだった。一口に伊勢神宮といっても「外宮」と「内宮」と二つある(実際は「別宮」ってのが周辺に14あったり、全部で125社あるのだとか!)「遥かなる悠久の時を伝える伊勢……」なんて、山の奥深くに神社があるような勝手なイメージを持ってたけど、実は名古屋から電車一本と、思いのほかアクセスは良い。

「伊勢市駅」から参道が延びてて、徒歩数分の距離だ。参道って言葉の持つイメージもまた裏切られる。真新しい建物に洋館、おしゃれなカフェもチラホラと見える。

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「神宮式年遷宮がきっかけで、新しい建物が出来たり、建て替えられたりしたんだよね。神宮だけでなく、伊勢の町も20年のサイクルで進化しているんだ」

これも山本さん。伊勢神宮には、1300年以上続く「遷宮」という20年に一度の大きなお祭りがある。お祭りというか、神宮の社殿をまるごと新しく造り直し、神様にお引っ越しをしてもらうという大規模なものだ。その遷宮が2013年に行われたばかりで、今は一番新しい時期。

大きな鳥居をくぐって外宮に入ってみると、真新しいヒノキの白がまぶしいくらい。屋根の金具もピカピカに輝いている。寺社といえば歴史を感じる古いもの・・・という印象が吹き飛ばされる。「常若(とこわか)」なんて形容されることがある伊勢神宮。常に若く生まれ変わることで、古くからの歴史や文化を守り伝える。言葉では矛盾に見えるかもしれないけど、それが全身で感じ取れる瞬間があった。

参拝の後は食べ歩きに出かけよう。

「伊勢には、赤福はじめ、お餅や和菓子を出すところが沢山あるけど、それはお伊勢参りをする旅人が途中で休む茶屋がたくさんあったからなんだよ。名物の”伊勢うどん”もたくさんの旅人向けにすぐに提供でき、消化に良いように麺はやわらかいという説もあるんだよ」

食べ物の一つ一つにもストーリーがある。話を聞いてから食べると、少し昔の旅人の気分になれるかな。ちょっと腰かけたカフェが、築100年を越える蔵を改装した場所だったりもするので、雰囲気も十分だ。

ise0222-3.jpgレンタル着物「帯結(おびゆう)」で着物を借りる

そんな古くからの風景に溶けこもうと、静大の女の子達は着物をレンタルして町歩きを楽しんでいた。歩いていた「河崎」エリアは商人の町で、蔵や古民家が残っていて、和装はそこによく似合う。神宮を参拝しているときにも、着物姿をちらほら見ることが出来た。

訪れたのは「茶房 河崎蔵」年代もののテーブルや家具を見てると落ち着ける良い雰囲気がある。女の子達の着物姿を目に止めた地元のお客さんが、気さくに話しかけてくる。

「あなたたち、初TABIの人でしょ? どこから来たの?」

このお店に限らず、実は着物をレンタルしたお店でも、翌日訪れた御福餅のお店でも「初TABIの人ね!」とみんな嬉しそうに迎えてくれた。「初TABI in 伊勢」を利用するといろんな特典や割引が利用できる。具体的な特典としては、伊勢の飲食店や施設で色々な割引があったり、リクルートポイントで買物が出来たりするのだけど、こうして交流のきっかけになるのが、実は一番お得なことかもしれない。お店にいる間中、話をたっぷり聞かせてもらい、冒頭の山本さんの言葉、「伊勢の人は話好き」というのを身に染みて感じることになった。残念だけど、着物美人とのおしゃべりと撮影は、もう一人の記者に任せよう。

伊勢の街並みの保存から、江戸のお伊勢参りと経済、流通についてと、話は多岐に渡る。

「参拝に来る人のために、日本で始めて小切手が使われたのがここなんだ。ま、今でいうトラベラーズ・チェックだな!」

気持ちのいい話しぶり。みんな、この伊勢という町が大好きなことが伝わってくる。若者が来て、この町を知ってくれるのはとても嬉しい。

「でも、あんまり大勢が一気にこの店におしかけると、私たちの行くところがなくなっちゃうから、ほどほどにお願いね」

最後にそう言って笑った顔が印象的だった。たまたま運が良くて、こんな触れ合いがあったわけではないと思う。神宮周辺で、レストランで、着物の店でも、いつもこんな風に話しかけられた。

「それは昔から、参拝する旅人を迎えてきた町だからだね。旅人をもてなすことは、伊勢の人々の神宮さんへの感謝の心の表れなんだよ」

と、これも山本さん。

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マジ☆部というアプリをダウンロードして、「初TABI in 伊勢」に参加登録するとゲットできる1000円分のポイントでコーヒー代を支払い、喫茶店を出た。夜は外宮のお膝元、洋風の建物が美しいレストラン「勾玉亭」で地産品の料理に舌鼓を打つ。初TABIクーポンでほぼワンコインでホテルに泊まり、見晴らしの良いお風呂につかって旅の疲れを癒やしながら、旅は翌日へと続く。

(文責 沖田征吾)

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