報道特集

2018年4月20日

【新入生アンケート2018 ①受験】 56%が入試解答非公表を支持

 東京大学新聞社は3月29・30日、全新入生を対象にアンケートを実施し、新入生3132人の92%に当たる2866人から回答を得た。このアンケートは毎年諸手続き時に行う東大生対象の唯一の全数調査で、受験や大学生活、進路への意識、東大の諸制度や社会問題への賛否などを質問。アンケート結果から、今年の新入生の傾向を分析した。(本文中の割合は小数第1位を四捨五入)

 

(構成・一柳里樹)

 

出身地・出身高校

 

 出身高校は、中高一貫の私立校が52%と17年の50%を上回り、中高一貫でない公立校は29%で昨年を2ポイント下回った。共学校出身者が51%と約半数を占める一方、男子校出身者も39%いた。女子校出身者は8%。

 

 

 出身高校の所在地は、東京都の1043人(36%)が最多。以下神奈川県(307人、11%)、兵庫県(165人、6%)と続く。昨年5位の愛知県(127人、4%)が同4位の千葉県(125人、4%)を抑え2年ぶりの4位に。関東地方の高校出身者の割合は、昨年を2ポイント上回る58%だった。

 

 

東大入学について

 

 東大入学を意識した時期は高校1年が28%で最多。高校2年が25%で続き、高校入学前から意識していた新入生も25%いた。東大への入学理由は「研究・教育の水準が高いから」が64%と最も多く、「入学後の進路選択の幅が広いから」(43%)、「将来の進路選択に有利だから」(41%)も4割を超えた。

 

 

 実力以外で東大合格に必要なものを聞くと「周りの環境」が52%でトップで、43%の「運」、39%の「保護者の経済力」が続く。教育格差の拡大が取り沙汰されている影響か、「保護者の経済力」と回答した新入生の割合は5年前の29%から10ポイント上昇している。

 

 

入試制度

 

 前期日程合格者の推薦入試への賛否は、賛成77%に対し反対22%と賛成が大きく上回った。賛成は一昨年が53%、昨年が64%と年々増加。推薦入試導入から2年がたち、推薦入試への理解度が高まっていることがうかがえる。

 

 

 理Ⅲ志望者対象の面接試験復活を受け、面接試験実施の是非について聞いたところ「理Ⅲのみ行うべきだ」が61%を占め、「全科類で実施すべきでない」と答えた新入生は9%にとどまった。理Ⅲ生の中でも「理Ⅲのみ実施すべきだ」「全科類で実施すべきだ」合計で72%の新入生が面接試験に理解を示している。

 

 大阪大学・京都大学などでの出題ミスを受けて文部科学省が求めている、入試問題の解答例の公表について尋ねると「公表する必要はない」「公表すべきでない」合わせて56%が解答例を公表しない東大の方針を支持した。東大は非公表の理由を「多様な解答プロセスを重視するため」としている。この二つの回答の合計は、文科で60%、理科で54%と6ポイントの差がついた。

 

2018年4月20日12:20【記事訂正】出身地別割合のグラフを追加しました。

 

【関連記事】

【新入生アンケート2018 ②大学生活】奨学金受給者は16%

【新入生アンケート2018 ③進路】41%が就職を不安視

【新入生アンケート2018 ④社会問題】憲法に自衛隊明記「賛成」52%

 

2017年度の新入生アンケート

東大新入生アンケート2017① 推薦合格者、女子は4割 「エリート意識ある」半数割れ

東大新入生アンケート2017② 支持政党は自民36%、民進4.5% 無支持は43%


この記事は、2018年4月17日号からの転載です。新入生アンケートの全結果は紙面で掲載しています。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

 

インタビュー:「駒場ワンダーランド」で知的欲求を満たす 若手実業家・御手洗さんインタビュー
ニュース:「変化楽しんだ先人に学んで」 学部・大学院で入学式
ニュース:国大協が共通指針を発表 大学入学共通テスト 東大は方針変えず
ニュース:最遠方記録大幅更新 90億光年先の単独の星を観測
企画:視野広げ 己知って 2年生が振り返る 東大生活この1年 
企画:英語の資格試験はいつ受けるべき? 目的見極め早めの準備を
企画:新入生アンケート2018 家賃支援 受験生に浸透 親の経済力、入学への必要度増す?
東大最前線:北極海の波浪観測 早稲田卓爾教授(新領域創成科学研究科)
東大今昔物語:1984年4月17日発行号より 酒に飲まれる東大生
サークルペロリ:SEDS UTokyo 留学生と宇宙目指す
キャンパスガール:髙木友貴さん(文Ⅰ・2年)

※新聞の購読については、こちらのページへどうぞ。

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る