スポーツニュース

2025年5月13日

【東京六大学野球】慶大1回戦 先発・渡辺向輝が好投も 慶大・渡辺和大の前にあわやノーヒットノーラン

 硬式野球部(東京六大学野球)は3日、慶大と戦い、0-3で敗れた。エース・渡辺向輝(農・4年)は7回を3失点にまとめたが、打線が慶大の左腕エース・渡辺和大の前に1安打に抑えられた。(取材・吉野祥生、大島蓮、木下太陽、ゼリビ・カミル、撮影・赤津郁海) 

 
東大|000000000|0 

慶大|00002010X|3 

 
 東大は、目標の「勝ち点獲得」に向けて先勝したいところ。上位打線は直近の明大2回戦と変わらない顔ぶれ。レフトにはこれまで4試合で先発した荒井慶斗(文2年)に代えて、伊藤滉一郎(工・3年)を今シーズン初めてスタメン起用した。 

 

 先発は渡辺向。早大、明大戦も1回戦を1人で投げきり、それぞれ4失点、2失点の内容。援護がなく敗れたものの、まずは渡辺が試合を作ることが勝利への必要条件だ。 

 

先発の渡辺向

 

 2回裏には最初のピンチが訪れる。慶大の先頭5番・吉野太陽が打ち上げた打球は、ふらふらとサード後方へ上がる。ショートとレフトが追いかけたものの届かず、三塁線際に落ち二塁打となってしまった。しかし、続く6番・渡辺憩と7番・上田太陽を投ゴロに抑えて2死。渡辺向が反射神経を生かした好守備を見せて二塁走者も進塁させかった。そして、8番・林純司を空振り二つでテンポ良く追い込んでから、最後は一邪飛に切って取った。 

 

 試合が動いたのは5回裏、慶大の先頭7番・上田が左前安打で出塁すると、続く林に送りバントを決められ、得点圏のピンチ。続く9番・渡辺和はファーストライナーに倒れたが、先頭に帰ってリードオフマンの今津慶介。渡辺向は2回に続きしっかりピンチを抑えたいところ。しかし、甘く入った2球目を捉えた打球は、ライトフェンスを越えて2点本塁打。慶大に大きな2点が入った。 

 

 一方の東大打線は6回表まで、秋元諒(文Ⅰ・2年)の四球を除いてパーフェクトに抑えられる。ノーヒットノーランが少しずつ意識されてくる7回表。東大は2番から始まる好打順だったが、あっという間に手玉に取られて2死。迎えるのは、4番に座る大原海輝(文・4年)だ。ここまで全くタイミングが合わず2三振の大原。しかし、2球目を打ち返した鋭い打球は二遊間を破って中前へ。屈辱を阻止する意地の安打に、東大応援席からは大きな歓声が上がった。 

 

チーム初安打を放つ大原

 

 しかし、7回裏に慶大の3番・中塚遥翔がライトへ中押しの本塁打を放ち、点差は3点に。渡辺向は7122球でマウンドを降り、8回裏は高橋直人(文Ⅰ・2年)が登板。高橋は期待に応えて3人でピシャリと押さえて8回裏まで終了した。

 

 東大の最後の攻撃となる9回表、高橋の好リリーフに応えてなんとか1点でも返したい東大。1死から1番・酒井捷(経・4年)が粘った末に四球を選んで出塁。2番は倒れたが、3番・中山太陽(経・4年)も四球で、2死一、二塁のチャンスを作る。慶大・渡辺和もさすがに疲れが出てきたのか、急に制球を乱し始めた。ここで、バッターボックスには先ほどチームで初の安打を放った4番・大原。この好機に期待がかかる。その大原に対する2球目、暴投で走者がそれぞれ進塁し、ランナー二、三塁に。本塁打なら同点、クリーンヒットでも1点差という場面になった。ここで畳みかけたい大原。しかし、フルカウントまで粘ったものの最後は低めに決まった変化球に空振り三振。 

 

 終わってみれば1安打無得点の東大。慶大・渡辺和の左腕から繰り広げられる140km/h台の直球と、変化球を織り交ぜたピッチングに最後まで対応できず、バットが空を切るシーンが多かった。いくらエースが好投しようと、1安打では勝ちようもない。残りの試合は打線の真価が問われる。 

 

8回表、東大・工藤雄大(文・4年)の空振りしたバットが捕手に当たった際、笑顔で捕手を気にかける球審・山口

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