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2025年5月27日

【寄稿】なぜ私が東大に? HLABの「寝食を共にする」高校生向けリベラルアーツ・サマースクールに参加して見つけた僕の進路

 「多様な価値観との偶発的な出会い」をデザインし、誰もが「主体的に進路選択ができるようになること」を目指す高校生向けのサマースクールを開催しているHLAB。この記事は「優等生」だった筆者がサマースクールで自分を見つめ直し、キャリアを選択した体験談である。筆者がメンターとして関わる今年のHLAB サマースクールの高校生参加者は6月15日(日)まで募集している。(寄稿=杉田太郎、写真は全て杉田さん提供)

 

 釣り広告みたいなタイトルで始めてしまいました。本記事では、「優等生」として無難な選択を繰り返してきた私が、HLABに参加したことで初めて自分のキャリアと真剣に向き合い、自分自身が心から納得できる最高の決断にたどり着いた過程と、HLABという場がそのきっかけをくれたことについて紹介します。

 

 まず、最初に少しだけ自己紹介をさせてください。現在、東京大学工学部電気電子工学科の3年生で、シドニー大学に留学中の杉田太郎と申します。麻布高校という東京の中高一貫校出身で、いわゆる優等生でした。将来は東大に進むのだろうと漠然と思っていた一方で、どこか未来が確定しすぎているような、面白みのなさを頭の片隅に感じていました。そんな中、高1にて姉に勧められたHLABサマースクールというものに参加しました。HLABはエイチラボと読み、ハーバードの寮生活を参考にした「多様な価値観との偶発的な出会い」をデザインし、誰もが「主体的に進路選択ができるようになること」を目指す高校生向けのサマースクールを全国各地で開催しています。

 

 部活とゲームばかりやっていた自分のキャラには合わないものだと認識していました。しかし、合宿への強い憧れと、「自分がいる世界とは違う世界に飛び込む」ことによる自身の新たな一面と興味を発見できるのではないかと思い、躊躇(ちゅうちょ)したものの、「ひとまず応募してから考えよう」の精神で応募してみました。

 

高校生として参加したHLAB

 

 幸運にも、HLABのサマースクールに参加できることになりました。当時、麻布高校には染髪の校則がなかったので、なんとなく金髪で参加したのですが、電車の中でも奇異な目で見られることもあり、「なんだこいつ」と思われるのではないかという一抹の不安もありました。しかし、実際に足を踏み入れてみると、そんな心配は杞憂(きゆう)に終わりました、むしろ、覚えやすいとのことでした(笑)。6年前のことなので鮮明な記憶ばかりではありませんが、とにかくそこで出会った人たちに「多様な価値観やバックグラウンドを受け入れる器の大きさ」、そして「人の良さ」を感じたのです。

 

 MITで研究しているような目覚ましい実績を持つ高校生もいれば、地方で部活に打ち込む高校生もいました。過去は違えど、皆お互いの考えを持っていました。印象的だったのは「皆、そうだそうだ」となるのではなく、「そうかな、僕は〇〇と思うけどね」と、相手の意見に耳を傾けながらも、自分の考えをしっかりと述べていたことです。

 お互いに刺激し合いながらも、違いを尊重し合う、多様性に満ちた雰囲気が、HLABの大きな魅力の一つだと感じました。

 

 また、HLABでの経験はその後の私の進路選択に大きな影響を与えました。HLAB サマースクールには国内の大学生だけでなく、海外大学生も多く参加しています。彼らと話す中で、「ヌルッと東大」というぼんやりとした目標ではなく、「なぜ東大を目指すのか」を論理的に考えるきっかけを得ることができ、その過程で海外大学への進学も視野に入れるようになりました。

 

 様々な方に話を聞き、当時の僕なりに考え抜いた結果、最終的に東大に進学することを判断しましたが、その判断にあたって、HLABの多彩なプログラムが深く関係しています。

 

 例えば、「ワークショップ」では、自分の過去と現在を振り返り、「私って何者?」「何を目指すの?」といった自己に関わる根本的な問いに向き合いました。また、「フリーインタラクション」では、第一線の社会人との少人数の対話を通じて、目の前の選択だけでなく、その先にあるキャリアのリアルを聞くことができました。さらに、「リフレクション」では、寝泊まりを共にして信頼のできる大学生メンターとの共同生活を通して、より近い未来にどんな選択、挑戦そして葛藤があるのか共有し、一つ一つ丁寧に話しあいました。

 

 こうした一つ一つの体験が、自分の人生をどのように設計していきたいかを考える土台となり、東大という選択に自信を持って向き合えるようになったのです。HLABは、単なるキャンプではなく、未来への問いを投げかけてくれる「場」でした。

 

 もちろん、東大に進むことが全ての人にとっての正解ではないでしょう。学力という壁も存在します。しかし、HLABに参加することで、早い段階で自分自身を見つめ直し、本当にやりたいこと、求めるものを認識できたことが、結果として私の大学合格にも繋がったのだと確信しています。

 

 

大学生として参画しているHLAB

 現在、僕は宮城県牡鹿郡女川町で開催されるHLAB MIYAGI-ONAGAWA サマースクールの大学生運営委員をしています。東大の理系学部、特に私の所属する学科は、研究や勉強が中心となるためか、学生が積極的に外部へ発信する機会は少ないように感じています。

 

 実際、僕自身も入学するまでは、大学生活がどのようなものか全くイメージが湧きませんでした。また、高校時代、自身のキャリアを見つめ直し、進学先を主体的に選ぶ機会がありませんでした。当時の僕のように、進路選択に悩みながらも、情報や視野の限られている高校生に少しでも多くの選択肢と出会いの場を届けたい。そして大学の電気電子工学科で実際に学んでいることや学科の魅力を届けたい。そんな思いから、今年のHLAB サマースクールに大学生メンターとして関わることにしました。

 

 今年のHLAB サマースクールの高校生参加者の募集は、6月15日(日)まで、受け付けています。高校生活は部活や趣味、文化祭など、様々な活動で忙しい時期だと思いますが、そうした多忙な日々を送る皆さんだからこそ、このサマースクールは新しい視点や刺激を与えてくれるはずです。興味を持ってくださった方は、ぜひ一度HLAB のホームぺ-ジをのぞいてみてください。少しの勇気が、未来の進路を大きく変えるかもしれません。

 

詳細はこちらから

https://h-lab.co/summer-school/apply/

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