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2021年12月15日

【寄稿】最高の「レコメンド」を目指して LINE機械学習エンジニア・三條嵩明さんインタビュー​

 

 東大工学部電子情報工学科を卒業し、現在はLINEで機械学習エンジニアとしてサービスのレコメンドエンジンの開発に携わっているのが三條嵩明さん。学生時代に学んだことや就職先を選んだ理由、現在の仕事の内容などについて語ってもらいました。

 

優秀な人たちと一緒に働けることがLINEの魅力

 

──大学時代はどのような学生でしたか

 

 学部は工学部電子情報工学科で、修士課程は情報理工学系研究科電子情報学専攻でした。また、サークルはRoboTechに所属していました。小学生の頃からプログラミングなどの情報科学技術に憧れていて、それが情報系に進んだ理由の一つだったのですが、実は大学に入るまでプログラミングを経験したことはありませんでした。そういった状態だったので最初は分からないことばかりでしたが、情報科学技術にまつわる多くのことを学ぶことができ、よかったと感じています。

 

 大学時代に学んだことで、今でも役立っていると感じるのは統計や確率、数理最適化の知識です。またネットワークや分散処理に関して学んだことも仕事に生きています。ソフトウェアエンジニアとして働くことを早い段階から強く意識していたわけではなくて、これらの知識も初めから意図して身に付けた、というわけではありませんでしたが、大学のカリキュラムを通して広く応用できる基礎的な知識を習得することができ、それが現在の仕事にもつながっていきました。また、ちょうど機械学習技術が急速に発展したタイミングでもあり、私自身それらを学びながら引き込まれていきました。

 

──就職活動はどのように行いましたか

 

 研究に時間を割いていたため、就職活動に多くの時間を掛けられたわけではなく、LINEと別の大手IT企業、大手金融機関の3社に応募しました。職種はすべて技術系で、大学時代に学んだデータ分析や機械学習の知識を生かせる業務に携わりたいと考えていました。

 

 最終的にLINEを選んだのは、面接や面談の際の雰囲気が自分に合うと感じたからです。面接官の方々は、最新の論文までチェックしているなど知識が豊富で、また私が大学で研究した内容にもしっかり興味を持って質問してくださりました。こういう人たちと一緒に働くことができれば、多くのことを学び、成長していけそうだなと感じたことが、就職先を選択した大きな理由です。

 

 一方で博士課程に進むことも考えていました。ただ、基礎研究以外のことも学んでおきたいという気持ちもあって、いずれ研究に戻るとしても、実務を知ることは将来のためになるのではないかと考えて、LINEに入社することを決めました。

 

 実際働き始めると実務を通じて学ぶことは多く、研究を続けていたら分からなかったであろう、実際のシステムに技術を応用する上での諸々の課題を知ることができました。選択は間違っていなかったと感じています。

 

 

開発したレコメンドエンジンで売上アップに貢献

 

──現在の業務内容を教えてください

 

 主に「LINEギフト」や「LINE マンガ」、「LINEクリエイターズ絵文字」などのサービス内のレコメンドシステムの開発に携わっています。サービスのデータを分析し、ユーザーが好みそうなものを予測して提示する仕組みです。

 

 レコメンドシステムの開発では、数千万から数億のレコードを持つ大量のデータを、多数のサーバーを用いて処理することになります。入社する前から、LINEでは大量のデータを扱えるのではないかと期待していましたが、実際のデータ量は想定した以上です。これほどの規模のデータを大学の研究で扱うことはなかったですし、大規模データならではの処理に関するさまざまな知見を得ることもできています。

 

 例えばデータを処理する際には、できるだけメモリ消費やネットワーク越しのデータの移動を抑えられるように、データを各ノードにどのように分配するかなどを工夫することが重要です。また、機械学習処理の実行時間に関しても、例えば似たアイテムを列挙する際に、貪欲に最近傍のアイテムを取ってくるのではなく、多少の誤差を許容して近似的に近いアイテムを取ってくるなどの高速化を行うことは、LINEのデータの規模では効果的です。このように、小規模なデータ処理では気にする必要がないところまで考える必要があり、こうした経験を積めたことはLINEに入社してよかったと感じる部分の一つです。

 

 やりがいを感じるのは、やはり自分のロジックが実際のサービスで利用されたときですね。特に印象に残っているのは、LINEギフトに自分が考えた機械学習のロジックを組み込んだときです。もともとランキングベースのレコメンドが組み込まれていた部分を機械学習を用いた予測ロジックのレコメンドに切り替えるなどの改修を行いました。

 

 レコメンドのロジックでは、過去のサービスデータを用いて学習を行いますが、データ収集の段階で混入したバイアスなどにより、単純にそのままのデータを使った評価尺度を最大化しても思うような結果を得られないことがあります。そこで過去データにあるバイアスをできるだけ除去したり、推薦モデルが出すアイテムの多様性なども多角的に評価したりしました。また、システムの制限内で出来るだけ多くのユーザーにレコメンドを出せるような改善も行いました。これらの工夫により、従来と比較して倍以上の欲しいものリストへの一日あたりのアイテム登録数を実現することができました。

 

周りの優秀なエンジニアから多くのことを吸収

 

──働く上で、大学時代に学んだことは役に立っていますか

 

 機械学習系のシステムを開発する上では、統計や確率の知識は欠かせないので、大学時代に学んでおいてよかったと思っています。またデータ処理でボトルネックになっているのはどこかを考える際、大学時代に身に付けたネットワークやプロセッサの知識なども役立っています。

 

 それと分散処理ですね。大学では授業でMapReduceのアルゴリズム等を習いましたが、その知識は業務でもシステム内部でどのように処理が行われているのかをイメージする際に役立っています。

 

──逆にこれから身に付けていきたい知識はありますか

 

 サービスの中で利用する個別のロジックを組むことはできますが、大規模ソフトウェア開発はまだ不得手かなと思っています。徐々に分業化されつつありますが、チーム内で共通して利用するライブラリの開発に携わることもあります。そのため、見通しがよいアーキテクチャを設計したり、扱いやすいライブラリを開発できるようにスキルを伸ばしていったりしたいと考えています。

 

──LINEに入社して、働く中で感じることはありますか

 

 周りに優秀なエンジニアの方々がいて、日々勉強になることがたくさんあることが、ものすごくよかったです。具体的には、Kaggle Grandmasterの方や、画像処理系のトップカンファレンスであるICCV(International Conference on Computer Vision)に執筆した論文が採択された方がいるほか、博士号を持っているエンジニアも多数在籍しています。またエンジニア職としてLINEではじめてフェローになった方は、国内でもトップクラスの機械学習エンジニアです。こういった人たちと一緒に働き、多くのことを学んだり、エンジニアとして刺激を受けたりできるのはLINEならではだと思います。

 

 また中途採用で入社したエンジニアの方も多く、多様性がある組織になっています。個々のエンジニアのバックグラウンドが異なり、各々が自分の持ち味を生かして事業に貢献しています。

 

 組織としての風通しもよく、部署や職種が異なる人から学べることもLINEで働くメリットです。インフラ系のエンジニアの方からいただいたアドバイスは自分自身の学びにつながったこともありましたし、企画側の方とコミュニケーションする中で、サービスの設計から開発、運用に至るまでの一覧の流れを感じることができました。

 

 柔軟な働き方ができるところも気に入っている点です。私が入社したのは新型コロナウイルスの感染拡大が始まっていて、最初から在宅勤務で働くことになりましたが、オフィスと同様に開発できる環境が整っています。

 

 さらに現在は「LINE Hybrid Working Style」という制度も生まれ、チームごとのルールにのっとっていれば継続的な在宅勤務が可能になりました。オフィスがあるのは東京ですが、私自身は地元の札幌で働いていて、入社してから出社したのは5~6回だけです。

 

 在宅勤務は通勤などのストレスがなく、快適に働くことができています。この点もLINEを選んでよかったと思うことの一つです。

 

 

さらに幅広い技術を吸収し、多岐にわたる技術を極めたい

 

──今、学生として進路を検討している方々にアドバイスはありますか

 

 LINEでは自分のアイデアを尊重してもらえて、また裁量も大きいので、やりがいを感じながら働くことができる、しっかりとオススメできる会社です。また技術力を評価する会社でもあるので、社会人になっても技術力を磨いていきたいと考えている人にとっては、良い環境だと思います。

 

 もしソフトウェアエンジニアに興味があるのであれば、小規模なものでも構わないので、学生の間に何らかのプロダクトを開発してみてほしいですね。実際に使えるプロダクトを開発するのは大きな経験になりますし、多くの学びがあると思います。

 

──最後に、今後どのように成長したいのかを教えてください

 

 機械学習という分野自体が新しくて、長期的なキャリアプランがあまり確立されていない領域です。しかし、機械学習を用いたシステムを開発する際に重要な、統計や分散処理の基盤となる知識は、機械学習の領域が広がったり変化したりしても役立つものだと思うので、今後もさらに学びを深め、多岐にわたる技術を身につけていきたいですね。

 

LINE株式会社 新卒採用サイト(技術職):

https://linecorp.com/ja/career/newgrads/engineering/

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