軟式野球部(東京六大学軟式野球連盟)は5月8日、法大と対戦し6ー11で敗れた。今季この試合前まで5勝2敗1分で優勝も狙えた位置にいた東大。4勝1敗で同じく優勝争いにいた法大に敗れて優勝から一歩遠のいた。(取材・撮影 吉野祥生)
東大 200100120|6
法大 53300000X|11
先攻の東大は初回、3番・高橋和志(理Ⅰ・2年)が四球で出塁すると、続く4番・杉村奎伍(経・4年)の振り抜いた打球はレフト後方へぐんぐん伸びていきホームラン。東大ベンチから選手が飛び出し、驚いた様子で打った杉村を祝福した。硬式よりもホームランが出にくいとされる軟式で貴重な先制ホームランとなった。

東大の先発はエース右腕・井上創太(工・3年)。春季リーグでもここまで先発した6試合中5試合で2失点以内に抑えていて、好成績を残していた。しかし1回裏、いきなり法大の1、2番に連続で四球を与えると、相手3番・畠中を二塁手の失策で出塁させ、無死満塁のピンチ。ここは何とか最少失点で切り抜けたいところだが、相手4番・井上に中越え適時二塁打を打たれると、2死になってからさらに連打を浴びてこの回5失点となってしまった。
続く2回表の攻撃を3人であっさりと封じられると、その裏には安打3本と失策が絡み、3失点。先発の井上は2回を8失点(自責4)で降板となった。法大打線の勢いは止まらず、3回裏には代わった國島壮介(理Ⅰ・2年)から3点を奪い、3回裏が終わって2-11という絶望的な状況に追い込まれた。
しかしこの展開でも、東大ベンチから声掛けが止むことはない。1点ずつ返していきたい東大は、4回表に失策が絡んでまず1点を返す。7回表には代打・竹内絃(工・4年)が左中間を破る適時二塁打でもう1点返して4ー11に。

東大の2番手・國島は4回裏と5回裏は立ち直り、走者は出したものの無失点に抑えた。バトンタッチした3番手・坂井春樹(理Ⅱ・2年)も要所を締めて6回裏から3イニングを無失点で抑え、法大の勢いを削いだ。

さらに8回表には坂井の好投に打線が応える。2死二、三塁のチャンスで2番・佐藤圭祐(工・4年)が、中前にはじき返して2点適時打。最大9点あった差を5点にまで縮めた。しかし、東大の反撃はここまで。9回表は三者凡退に抑えられて3時間弱の戦いは幕を閉じた。
最終的には法大に合計13安打、8四死球を許し、特に序盤の11失点があまりにも重くのしかかった。また、ピンチで内野手にミスが出て失点を重ねるシーンも複数あり、守備にも課題が残った。
一方で後半は投手陣が粘りの投球を見せると、打線がきっちりと走者を返し、着実に得点するシーンもあった。今季残す試合は1試合。チームの雰囲気が整ったいま、投手が試合を作ることができれば、自ずと勝利が見えてくるだろう。