2024年8月21日

【寄稿】地域のイマを知り、日本のミライを考える 地域ミライ共創ゼミ

 

 「地域のイマを知り、日本のミライを考える」をテーマに掲げ活動している「地域ミライ共創ゼミ」。Sセメスターでは13回講義を実施し、Aセメスターでも開講予定。ゼミの特徴やSセメスターの活動内容について寄稿してもらった。(寄稿=文Ⅰ・2年 戸名康平、写真は全て戸名さん提供)

 

1. はじめに

 

 東大新聞をお読みの皆様こんにちは。東大生地方創生コンソーシアムの戸名康平(文Ⅰ・2年)です。今回は水曜日の5限に駒場Ⅰキャンパス12号館1213教室で自主ゼミとして開講している「地域ミライ共創ゼミ」の特徴や活動内容について紹介します。「地域ミライ共創ゼミ」は、全13回の講義を通じて、日本の地域が抱える様々な課題と解決策を探求するゼミで、テーマは『地域のイマを知り、日本のミライを考える』です。

 

2. ゼミの特徴

 

 地域ミライ共創ゼミは、今年度から開講されたゼミです。まだ、名前を聞いたことがないという方も多いのではないでしょうか? 今回の記事が少しでもこのゼミを知っていただけるきっかけになればと思います。

 

2.1 著名な専門家による最先端の知見

 

 本ゼミの最大の特徴は、各回に著名な専門家を招き、最先端の知見を学ぶことができる点です。これまでに、藤井浩人氏(美濃加茂市長)、小林亮介氏(HLAB代表理事)、菊池昇氏(トヨタコンポン研究所所長)など、各分野の第一人者が登壇し、地域課題解決に向けた実践的な講義を行っています。オムニバス形式で圧倒的なインプットを行うことができます。また、講師との距離も近く双方向なゼミになっています。

 

各回の講師は以下の通りです。

4/10 パナソニック 人事 東大生地方コンソーシアムOB 藤田氏

   株式会社イツノマ 運営ディレクター 吉良氏

4/17 美濃加茂市長 藤井氏

4/24 前消費者庁長官 伊藤忠商事取締役 伊藤氏

5/1 HLAB 代表理事 小林氏

5/8 さとのば大学 発起人 信岡氏

5/22 株式会社イツノマ 代表取締役社長 中川氏

5/29 芝浦工業大学 教授 武藤氏

6/5 トヨタコンポン研究所 代表取締役所長 菊池氏

6/12 農林水産省園芸作物課課長補佐 坂東氏

6/19 春見ライス 代表取締役 春見氏

6/26 名古屋鉄道 専任調査役 後藤氏/KNT-CTホールディングス 社長室 上石氏

7/3 元Google米国副社長/日本法人会長 村上氏

7/10 ミライクエスト/田園社会イニシアティブ 楢木氏

 

美濃加茂市の藤井市長をお招きした。ゼミ生が真剣に聞き入っている
美濃加茂市の藤井市長をお招きした。ゼミ生が真剣に聞き入っている

 

2.2 多様な視点からの議論

 

 ゼミ生は、異なる専門性を持つ学生同士がグループを組み、ゲストスピーカーの講義を踏まえて議論を行います。多様な視点からの活発な議論を通して、学生は地域課題への理解を深め、解決策を多角的に検討することができます。

 

和気あいあいとディスカッションをするゼミ生
和気あいあいとディスカッションをするゼミ生

 

 ディスカッションテーマは政策についてや、地域課題の解決のために何を大切にすべきかなど多岐に渡ります。

 

 この写真の回のディスカッションテーマは「自分が地域に一人で飛び込んだら、自分のできることや好きなことを使ってどうやって生きていくか」です。自分は何が得意なんだろう、どういうことが地域で求められるのだろうという素朴なテーマについても一歩立ち止まって考えます。

 

2.3 成果発表

 

 ゼミの終盤には、各グループが取り組んだ成果を発表する場を設けています。発表を通して、学生は自分の学びを整理し、地域課題解決に向けた新たな視点を得ることができます。発表の後には必ずゲストスピーカーからのフィードバックを受けて、さらに学びを深めることができます。話を聴いて、個人で考える→グループで考える→全体で共有→フィードバックを受ける→また個人で考えるという学びの流れができています。

 

ゼミ終了後には他の教室や駒場近辺のお店で延長戦(宮崎県都農町のまちづくり会社、「イツノマ」代表取締役中川敬文さん(左))
ゼミ終了後には他の教室や駒場近辺のお店で延長戦(宮崎県都農町のまちづくり会社、「イツノマ」代表取締役中川敬文さん(左))

 

3. このゼミで得られるもの

 

 以上ゼミの特徴を紹介してきましたが、ここからは、このゼミを通して得られるものについて紹介します。

 

3.1 地域課題への深い理解

 

 「地域」ミライ共創ゼミの名の通り、地域の「イマ」を知ることができます。各回講師をお招きし双方向のディスカッションを行うことで、地域課題について漠然としている解像度を上げていきます。また、百聞は一見にしかずということでこのゼミでは任意参加のフィールドワークも設けており、このセメスターは山口フィールドワーク、和歌山フィールドワークを予定しています。

 

3.2 問題解決能力

 

 グループワークやディスカッションを通して、学生は問題を分析し、解決策を立案・実行する能力を養います。また、ゼミでの議論を通して、論理的思考力やコミュニケーション能力も鍛えていきます。自分の考えを毎回アウトプットすることを求めているので、毎回議論のレベルが上がっていくのを感じています。

 

3.3 自分への理解

 

 各回自分にひきつけて議論をしたり、同年代の人たちの多様な意見を聞くことで、自分にとって何が面白いのか、他の人と自分はどう違うのかについて自然と考えることができます。もし将来の進路や進振りで迷っている人がいれば(僕もその一人ですが、)ぜひご参加ください!

 

4. まとめ

 

 東京大学教養学部「地域ミライ共創ゼミ」は、地域課題解決に真剣に向き合い、日本の未来をみんなでつくっていきたい学生にとって、非常に魅力的なゼミです。一方で、そんなに肩肘張らなくても気軽に参加することができるのもこのゼミのいいところです。

 

 著名な専門家による最先端の知見、多様な視点からの議論、実践的な学びを通して、学生は地域課題への深い理解と問題解決能力を養い、将来に向けて大きく成長することができます。

 

 Aセメスターも開講予定ですので、もし興味のある方はぜひぜひご参加ください!

 

 記事を読んでいただきありがとうございました。何か質問等ございましたら、こちらのformsからよろしくお願いします!

お問い合わせforms https://forms.office.com/r/zDw0czD1pf

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