総長選考にかかる学内パブリックコメントが9月25日〜10月8日に実施される。パブリックコメントでは、「求められる総長像」についても意見が募集される。
2020年の前回選考時と比較して、大きな変更はなかった。学内ワーキンググループからの現状維持の提案を反映したものと見られる。ワーキンググループでは、候補者を学内外から広く求めるため、資質・能力に関する基準を抽象的な表現を用いて「境界条件のような形」で示すことを提案していた。
「求められる総長像」の第2項では「開学以来の伝統を活かしながらも、」の後に「鋭い先進性を持って」を追記。併せて「現代社会の要請に応え」を「現代社会の要請に能動的に応え」に変更した。第3項の「適切にリーダーシップを発揮」については、「優れたリーダーシップを発揮し」と変更。「先進性、能動性をもったリーダー像をより明確にするため」に修正したとする。
国立大学法人法は「人格が高潔で、学識が優れ、かつ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営することができる能力を有する者のうちから」総長選考・監察会議の基準に基づいて総長を選考するように定めている。
総長選考・監察会議で検討中の、パブリックコメントが募集されている案
<求められる総長像>検討案
東京大学総長は、東京大学憲章の掲げる目標・理念を尊重し、その達成・実現を追求する明確なビジョンと強い意志を有するとともに、次のような資質、能力及び実績に裏付けられた指導力と人々への奉仕的精神をもつことが期待される。
1 学内外からの敬意・信頼を得るに足る高潔な人格と高い倫理観及び優れた学識
2 開学以来の伝統を活かしながらも、鋭い先進性を持って現代社会の要請に能動的に応え、必要に応じて大胆な改革を行い、「世界の東京大学」にふさわしい卓越性・独創性・多様性をそなえた教育研究活動を導く国際的な視野と実行力
3 組織構成員の幅広い支持を受け、円滑かつ総合的な合意形成に配慮しつつ、優れたリーダーシップを発揮し、効果的で機動的な組織運営を行う能力と実績
4 世界最高水準の学術研究・人材育成を推進するために、大学の財務基盤を強化し、社会の各界から幅広い理解・協力を得て、大学を経営していく能力
5 自由・自律及び多様性を重んじ、世界の学術の発展と協調的人類社会の実現に貢献しようとする強い使命感 |
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