INTERVIEW / FEATURE 2014年8月7日

東大卒任天堂エンジニアに聞く、ゲーム制作の魅力

東大出身で、ゲーム業界に身を置く卒業生は多い。任天堂でネットワーク開発運用部に所属する清木昌さんに、ゲーム制作の現場を聞いた。

清木さまお写真(オンライン).jpg

清木昌さん 任天堂株式会社 ネットワーク開発運用部
東京ネットワークシステム開発グループ所属

清木さんは、情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻を修了し、2004年4月に任天堂に入社。小学校のころからファミコンが好きで、将来は人を楽しませる仕事がしたいと、早くからゲーム業界を志望した。東大にいた兄の勧めもあり、日本でナンバー1の技術力を身に付けたいと、理Ⅰに入学。その後、理学部情報学科に進学し、本格的に研究を開始する。

在学中は米澤研究室で、モデル検査をゲームシナリオに適用する研究に取り組み、プログラムの誤りを見つけるコストを少しでも下げられないか、研究に注力していたという。

情報学科のカリキュラムはハードだったが、「今でも仕事の基本になっている」と言うほど、エンジニアとしての基礎を鍛えることができたと話す。

 現在の仕事は、任天堂のゲーム機器で利用可能な「ニンテンドーネットワーク」に関連して、社内でネットワークの技術や課題に対する相談に乗る「よろず屋的な立場だ」と語る。「ニンテンドーネットワーク」の活用例として、Wii Uの「スーパーマリオ3Dワールド」で,世界の誰かが遊んだリプレイと一緒に遊ぶことができるシステムを挙げた。「一人で遊んでいるが、他人を感じることができる」仕掛けになったのではと語る。

もともとは、ソフト自体を開発することに加え、開発者を支援する環境を構築する仕事にも魅力を感じていたと話す。自分たちが作ったソフトが世界中に広がり、多くの人を楽しませることができる点に魅力を感じ、任天堂への入社を決めた。技術者の環境を整備する環境制作部を経て、ソフト開発にも従事し、現在の部署へ。開発者のための環境構築も、実際のゲームソフト開発も、世界中に届く点で、やりがいは大きいと語る。

ゲームと社会の関わりという点では、2004年に発売されたニンテンドーDSの開発は、一つの契機になったと指摘する。DSの登場で、子どもだけでなく、母親やお年寄りの人も、ゲームを楽しむことができるようになったと話す。

ゲーム業界に入社している人は、誰もが「ゲームを作りたい」「ゲームで人を楽しませたい」という、エンターテイメントの精神を持っていると語る。

東大の学生に対しては、日本からコンテンツを輸出して、世界中を楽しくさせるような道を選んでもらえたら嬉しい、と語る。

特に、エンジニアには多くのチャンスがあると指摘する。現代において、新しいことを成し遂げるためには、コンピュータの力なしでは考えづらい。エンターテイメントにも、相応の技術力が必要であると強調する。取り組むべき課題はまだまだ多く、新卒・中途を問わず、エンジニアの方にはぜひチャレンジしてほしいと述べた。

(取材・荒川拓)

この記事は、2014年8月5日夏季特集号の転載です。本紙では他にも独自記事を掲載しています。

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