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2025年12月19日

東大 国際卓越研究大学の認定候補に認められず 文科省の審査継続へ

 文部科学省は12月19日、国際卓越研究大学(卓越大)の第2期公募の審査状況を発表した。東大は最長で1年間アドバイザリーボードによる審査が継続された上で、認定候補とすべきか判断される。

 

 東大の藤井輝夫総長は文科省の発表後、すぐにコメントを発表。認定が見送られたことは「たいへん残念」だが、取り組みを加速するとした。東大は国際卓越研究大学の申請にあたり作成した体制強化計画で、世界トップ10研究大学入りを掲げ、プロボスト(教学責任者)とCFO(最高財務責任者)を軸に据えた学術経営本部による教学・経営体制の再構築を目指すとしていた。

 

 文科省の発表によると東大は、①新たな資源配分基準の明確化・学内合意の形成、②執行部が部局と一体的に判断し責任を負う、法人としてのガバナンス体制への移行──に関して、アドバイザリーボードによる審査が継続される。

 

 東大では、医学系研究科における臨床カンナビノイド学社会連携講座の高額接待問題の民事訴訟や、東大病院での汚職問題の刑事訴訟が続いている。文科省は、さらにガバナンスに関わる不祥事が発生した場合には「審査を打ち切る」とし、採用された場合でも助成額の調整が必要とした。

 

 卓越大に認定された場合には、科学技術振興機構(JST)が設置する11兆円規模の大学ファンドによる資金援助が行われる。3月の運営方針会議の議事録によると、東大は赤字分を補填していた繰り越し財源を本年度でほぼ使い切る見込みだ。議事録で財務担当者は、卓越大の補助金が入らなければ「今まで東大が経験したことがないようなハードな」スクラップアンドビルドを行い、資源の再配分を行わなければならないと発言していた。

 

 東大が落選した23年の第1期公募では、東北大学が認定され、本年度より資金援助が始まっている。今回の第2期公募では、東大が審査を継続するとされた他、東京科学大学が認定に向けた計画準備に入ったほか、京都大学も認定候補とされ、計画の磨き上げののち開始に入るのが妥当とされた。

 

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