COLUMN 2019年12月13日

国際人道法ロールプレイアジア大会で東大チームが優勝

 11月17、18日にマレーシアのマレーシア国民大学で国際人道法ロールプレイアジア大会が行われ、東大から出場したチームが優勝を果たしました。今回はチームのメンバーである白石一颯さん(文Ⅰ・1年)に大会の概要や当日の模様について寄稿してもらいました。

(寄稿=白石一颯)


 11月17、18日の2日間、赤十字国際委員会主催の国際人道法(International Humanitarian Law、IHL)ロールプレイアジア大会が開催された。中国やシンガポールなどアジア6カ国の国内予選を勝ち上がってきた大学が参加した。

 

 

 この国際人道法ロールプレイ大会は、ラウンドごとに異なるシチュエーションが設定され、1時間弱の準備時間の後、それぞれのシチュエーションに合わせ臨機応変に国際人道法の知識を駆使しながら求められる役割をこなすというものである。単なる机上の法知識のみならず、反政府武装組織との交渉を行う現場武官役や政府高官会議における政府高官役など全く異なる役割に合わせてその知識を応用する能力が強く求められる大会であった。そのため、単なる国際人道法の文言のみならず、一つ一つの用語の概念や国際人道法自体の目的などにも深く精通していることが要求された。

 

 東大からはAmishi Agrawalさん(PEAK・2年)、Paul Namkoongさん(PEAK・2年)、白石一颯の3人が東大チームとして参加した。このチームは、総合文化研究科「人間の安全保障プログラム」所属のキハラハント愛准教授が開講する国際研修の中で編成され、今回の大会参加もその授業の一環として行われたものであった。S1タームでキハラハント准教授によって開講されていた「国際人道法基礎」の授業を通じて学んだ国際人道法の知識を、ロールプレイ大会への参加を通じて実際に活用するという構成になっており、授業当初は履修者のほぼ全員が国際人道法の知識をほぼ持ち合わせていなかったにも関わらず、本大会では南京大学やシンガポール国立大学などアジア屈指の大学から参加していた院生などにも打ち勝ち、優勝を手にした。

 

 大会は4ラウンドある予選、準決勝、決勝の計6ラウンドで構成されており、その全てにおいて全く異なる役割が要求された。1日目に行われた3つの予選ラウンドでは、それぞれのチームが個別にロールプレイを行い、赤十字国際委員会のエージェントとして紛争地域のさまざまな施設を訪問、国際人道法の観点から的確に問題点を見つけ出すことが求められた。2日目に行われた予選の最終ラウンドでは、全チームが紛争に関係する国家の政府高官として一堂に会し、国際人道法の知識を駆使しながらそれぞれの国益を最大化するべく、激しい論戦を交わした。続く準決勝でも勝利を収めると、決勝では、多国籍軍において執るべき戦術を決定するため、国際人道法の観点を用いてインドネシアチームと激しく争った。結果は見事東大チームが優勝し、国際人道法の大会として名高いジャン・ピクテ(Jean-Pictet)大会への参加権を手に入れた。

 

ロールプレイに臨む東大チーム

 

  筆者はこの授業を通じて初めて国際人道法に触れることとなったが、人権人道法を専門になさっているキハラハント准教授の手厚いサポートの下、聡明で英語での弁論にも長けた2人のチームメイトにも恵まれ、アジア大会での優勝を手にすることができた。またそれだけではなく、今大会は非常に刺激的で、筆者が国際人道法に興味をもつきっかけともなり、11月30日と12月1日に開催された国際人道法模擬裁判日本大会でも東大チームとして優勝することができた。こちらも来年に国際大会が行われるが、ジャン・ピクテ(Jean-Pictet)大会とあわせ好成績を目指し尽力していきたい。

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