INTERVIEW / OBOG 2018年11月15日

好奇心をクイズに生かす 元準ミス・三浦奈保子さんにインタビュー

 今年で69回目を迎える駒場祭。その目玉企画の一つ「ミス&ミスター東大コンテスト」は毎年注目を集めている。今回は2007年度ミス東大コンテストに出場し、準ミス東大に輝いた三浦奈保子さんにインタビュー。現在主にタレントとして活躍する三浦さんに、仕事のやりがいや駒場祭での思い出などについて聞いた。

 

(取材・撮影 安保茂)

 

三浦 奈保子さん  (タレント)  
2011年文学部卒。在学中「ミス東大コンテスト2007」に出場し、準ミス東大に選ばれた。インセントに所属しタレントとして活躍する。

 

名所巡りで知識を現実へ

 

──よくクイズ番組に出演していますが、事前に勉強しますか

 あらかじめテーマが知らされていないことがほとんどで、あまり勉強はしません。でも、読書や旅行が趣味なので、本に出てきて気になったことを調べたり、行きたいと思った場所に出掛けたりするのを大切にしています。

 

 昨年まで大阪に住んでいて、ほぼ毎週末近隣の名所に足を運んでいました。大阪にいると、高野山とか安土城とか、江戸時代より前の歴史の舞台が身近でしたね。足を運んだことで以前はイメージしにくかった教科書の知識が現実に近づいたと感じます。大阪城に行ってかつてそこに石山本願寺があったことを想像できたし、京都のお寺を巡って実際の位置関係も分かりました。

 

──歴史がお好きなのですね
 好奇心が強い方で、昔から何かを見たりインプットしたりするのが好きでした。東大受験の時も、小中学校で大枠を把握している日本史より知らないことだらけの世界史をやりたいと思い、世界史・地理の組み合わせを選びました。東大入試の地理歴史では日本史・地理の組み合わせが楽だと聞いたことがありましたが、好奇心が勝ってしまいましたね。

 

 ただクイズ番組では、誰でもとっつきやすい日本史を扱う機会が多く、大枠しか知らなかった自分は最初は戸惑いました。しかも、時代劇や大河ドラマに出演されている方など、とても日本史に詳しい方がいらっしゃって驚きました。今では、実際に旅行したり、行った場所に関する本を読んだりして、日本史の知識も深まってきたと思います。

 

──クイズの中で苦手な分野はありますか
 教科書に載っていないことが弱点だと思います。最近だと島倉千代子さんを知らず答えられませんでした。昭和〜平成を生きた演歌歌手で年代的に教科書には載っていないのですが、クイズ番組では当然知っているものとして出てきます。「教科書に載っていない常識」のようなものにうまく対応できず、教科書的な勉強しかしてこなかった自分の知識の幅の狭さに苦労しますね……。

 

──実際にクイズ番組に出演した時の感想を教えてください
 番組に出られている方は、それぞれ違った得意とするものを持っていると思います。例えば芸人さんは頭の回転がとても早かったり、瞬発力が群を抜いていたりします。早押しのボタンを押すタイミングが絶妙でうまい方もいます。最近は早押しの番組が増えているのですが、自分は早押しが大の苦手で。

 

アウトプットに踏み出せ 自分中心の視点から脱出

 

 

 

──早押しが苦手なのはどうしてですか

 心理戦が苦手だからだと思います。例えば、自分の答えに30%の確証しか持てない段階でも、あの人が押すかもしれないからここで押した方が良いとか、誰かに押されるかもしれないけどもう少し待った方が確実だとか。全てを把握したい性格で、不確定要素が多い駆け引きになるとパニックに陥るのかもしれません。

 

 勉強は主に自分との戦いなので、勉強だけしていてもなかなか他人との駆け引きには強くなれないですね。中学や高校で相手がいるスポーツをやっていれば鍛えられたのに、と後悔することもあります。

 

──クイズ番組に出る際緊張しますか

 最初の頃は、他人に見られて評価されていると感じてガチガチに固まっていました。自分でも何を話しているか分からないほどです。今思えば自意識過剰なのですが、当時は見られることや評価されることが恐怖でしたね。最近になってやっと緊張しなくなってきたところです。

 

──最近緊張しにくくなったのには何か理由はありますか

 もちろん場の雰囲気に慣れてきたことはあります。あとは出産が大きかったと思います。一度死ぬのではないかという経験をすると、他人からどう見られようと死ぬわけではないと思えて、自分の評価などあまり気にならなくなるものです。

 

──お子さんが生まれる前後でご自身の考え方はどのように変わりましたか
 もちろん子どもを第一に考えるようになりました。同時に、今まで自分にばかり目がいっていたのだと気付きました。自分がどうしたら楽しいかとか、どうしたら幸せになるかとか、それまでは全部自分が主語だったのです。

 

──現在のお仕事の魅力はどのようなものでしょうか
 いろいろな分野の第一線で活躍する方に生でお話を聞ける機会が多いところです。個人的には、テレビ越しでは分からない彼らの人間らしい本音の部分が興味深いですね。実は学生時代から作家や翻訳家になりたいと思っているのですが、いろいろなことを見聞きしてからの方が良い作品が書けるかも、と考えて今の仕事を始めました。

 

──今後の目標は
 今までは知らないことを知るのが好きで「インプット」が中心でした。一方で、見ている人に何かを与えたいとか、何かを生み出したいといった視点が欠けていたとも思います。もっと楽しんでもらえるパフォーマンスをして、社会の役に立てるような「アウトプット」に踏み出したいです。

 

東大合格がゴールではない

 

準ミス東大を受賞した当時の三浦さん

 

──ミスコンや駒場祭での思い出はありますか
 元々、同じクラスでミスコンに出てほしいと言われていたかわいい子を紹介する予定だったのですが、諸事情で彼女が出られなくなってしまって。気付いたら自分が出る流れになっていました。あと、もらえると聞いていた賞品をまだもらっていません(笑)。

 

 クラスで模擬店をやった記憶もあります。綿あめを作る手際が悪過ぎて、行列ができてしまいました。幸か不幸かあたかも人気のお店みたいになって、さらに人が並んでいたと思います。

 

──受験生時代の思い出や東大合格が分かった時の心情を教えてください
 受験勉強がつらくなったときはノートに思いを書き殴っていました。見開きの左ページに大学に入ってしたいことを、右側には大学に入れなかったときの悲惨な状態を想像して書きました。自分の中のモヤモヤした気持ちを外に出して整理することで落ち着きを取り戻せたと思います。

 

 合格した時はうれしくて得意になっていましたね。後になってそれがゴールでないことに気付かされたのですが……。

 

──東大に入って良かったと思うことは何ですか
 どうしたら社会の役に立つかを考え、自分の進むべき道を描いている友人が多かったことです。学校を作りたいとか宇宙開発をしたいとか、自分のことだけでなく社会に貢献することを大学生のうちから考えられる人がいるのはすごいと思います。東大合格がゴールだった当時の自分を見直すきっかけにもなりました。

 

──在学生に向けてメッセージをお願いします
 主語を自分以外に設定して考えると、世界が違って見えたり、将来進むべき道が具体的に見えたりするかもしれません。東大生は総じて勉強やインプットは得意なはずなので、それがどのように社会に役立つか常にアウトプットまで見据えられるかがポイントではないでしょうか。


この記事は、2018年11月13日号に掲載した記事の転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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