COLUMN 2014年6月11日

【紙面より】院生のための支援特集

大学院に進むためには授業料を支払う必要がある。生活費も用意しなければならない。経済的負担を減らすためにどのような取り組みが行われているのかに迫った。

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東大による支援

工学系研究科では2013年度より博士課程の学生ほぼ全員が月額5万円以上を受給できる経済支援制度を導入している。審査を行い、特に優秀だと判断された学生には月額12万円が支給され、その他の学生には月額5万円が支給される。学生は工学系研究科の学術研究に参画することが求められ、若手研究者としての研究遂行能力の育成も目的として掲げられている。

東大ではこれまでにも大学院生への支援を行ってきた。東大内の各学部、研究科はティーチングアシスタント(TA)やリサーチアシスタント(RA)の募集を行っている。TAは実験、演習などの補助を行い、RAは研究プロジェクトに参画し、研究補助を行う。支給される金額は学部、研究科ごとに変動する。例えば、法学政治学系研究科のある講座では時給1000円でTAを採用し、月額10万円の待遇でRAを採用した。博士課程研究遂行協力制度が08年度より新設され、博士課程の学生に月額5万円を支給している。

経済的理由により授業料を支払うことが難しい学生に向けて授業料免除制度や徴収猶予制度も存在する。

東大では海外に留学する学生への支援も行っており、海外派遣奨学事業では月額6万円から10万円が支給される。その他にさまざまな財団法人による奨学金が存在するが、留学先、留学期間などにより支給金額、応募条件は変わってくる。例えば日米教育委員会では往復渡航費、生活費などは基本的に全額給付されるが、奨学金の対象となる学問が限定されている。

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民間奨学金制度

東大による経済支援の他にも多くの奨学金制度が存在する。その中でも日本学生支援機構によるものは代表的な奨学金制度だ。日本学生支援機構による奨学金には無利子の第一種奨学金と利子付きの第二種奨学金が存在する。第一種奨学金は特に優れた学生で経済的理由により著しく修学が困難な人に貸与される。第二種奨学金は第一種奨学金よりも緩やかな基準により選考が行われる。いずれも貸与を受ける学生の学業成績、両親の収入状況の審査により貸与が認められるか決まる。

第一種奨学金では修士課程は月額5万円、8万8000円の2種類から、博士課程は月額8万円、12万2000円の2種類から貸与額を選択できる。第二種奨学金では修士課程、博士課程ともに月額5万、8万、10万、13万、15万のいずれかの貸与額を選択できる。大学院生の場合、優秀な業績を収めることで第一種奨学金の返済が免除される制度もある。

2012年度は貸与修了者3万2289人のうち9670人がこの制度により全額、もしくは半額免除を受けている。他にもさまざまな奨学金が存在する。財団法人による奨学金の他、地方公共団体によるもの、さらには東大の女子学生及びOGによる同窓会のさつき会などの学内団体によるものも存在する。民間企業の寄付による基金も存在し、東京大学光イノベーション基金では先端光科学領域の研究を行っている大学院生に奨学金を支給している。この基金はオリンパスや富士フイルムといった会社による寄付で運営されている。

特別研究員制度

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博士課程生は日本学術振興会特別研究員制度を利用することもできる。この制度は博士課程生やポスドクを対象とした支援制度だ。特別研究員に採用されると、博士課程在学生の場合月額20万円が研究奨励金として支給される他、150万円以内の研究費が年度ごとに支給される。ポスドクの場合は月額36万2000円と150万円以内の研究費が支給される。ポスドクの中でも極めて優秀と判断された人には月額44万6000円の研究奨励金と300万円以内の研究費が支給される。

日本学術振興会特別研究員制度は学術研究を担う若手研究者を養成、確保する目的で創設された。審査対象は研究能力、研究業績などだ。博士課程生の採用率は20%前後で特別研究員に採用されるには厳しい審査を乗り越える必要がある。日本学術振興会が2013年度に行った調査では、博士課程生の特別研究員としての採用が終了した5年後には82・9%が常勤の研究職に就いており、この制度が若手研究者養成に貢献していることが示された。

(構成・古川夏輝)

この記事は、2014年6月10日大学院特集号からの転載です。紙面では、他にも独自の記事を掲載しています。

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