COLUMN 2014年5月20日

Dr.シェフのおだいどこ 医学部卒業生が語る、料理の醍醐味とは?

今回から始まる「Dr.シェフのおだいどこ」では、料理レシピを不定期で連載していきます!

「料理をしようと思うけど、いつも同じ味のカレーしかできない…」
「こだわった料理を作ってみたいけど面倒くさい…」

などの悩みを抱えた貴方にオススメできるレシピが満載!もちろん、一人暮らしの男子学生でも作れます!

なぜなら今回レシピを紹介してくださるのは、東京大学医学部卒業生の山崎康太郎さん。山崎さんは、2010年に東大医学部を卒業なさいました。今は一児の父として、お仕事と家事・育児を両立しながら、台所に立つのを日々の楽しみとしていらっしゃいます。

この連載では、そんな山崎さんがご自身で作って美味しかったものの中から、一人暮らし東大生でも作れそうなレシピや、お財布にも優しいレシピなどをご紹介いただきます。

連載の一回目として今回はまず、山崎さんがなぜ料理にこだわるのか、その素顔に迫ります。

20140426やまこーさん.jpg—-山崎さんの今のお仕事について教えてください。

卒後5年目で、リハビリ専門病院で勤務医をしています。脳卒中で麻痺を抱えてしまった方、糖尿病などで足を切断せざるを得なくなった方、長期の入院で筋力が弱ってしまった方など、様々な問題を抱えた人たちが生活に復帰する、或いは新しい生活像をつくるのを助けるために一緒に考えていく仕事です。

全身状態の管理などの所謂「医者」的な仕事以外にも、筋力・持久力やバランス能力の評価をしたり、義足を作る、というような仕事にも携わることもあります。ソーシャルワーカーのような要素もあって、患者さん本人の年齢や職業だけでなく、家族構成や家の構造までを把握した上で、現在の障害を軽減し生活に馴染むにはどうしたらよいか、今後病気を重ねないためには何をすべきか、ということを考えていきます。もちろん、食事の指導もあります。

—-お仕事の内容は多岐にわたっていますね。…となると、とてもお忙しそうですね?

そうですね。土日に病院にいることも多いです。でも仕事は好きですから、きちんと集中するためにも、オンとオフはけじめをつけるようにしています。

—-趣味はやはり、料理を作ることですか?

料理作ること以外にも、ときどき写真を撮ったりします。

—-料理はいつ頃から作り始めたのですか?

作り始めたのは、大学3年生の終わり頃でした。一人暮らしを始めたタイミングです。 料理を作り始めた頃は、インパクト勝負だったり、量が多いことが正義で、「the 男の料理」という感じでしたね。正直なところ今も塩や油脂の使い方には尾を引いていて、自分で苦しむこともあります…

—-料理は、レシピ本を読んで勉強されるのですか?

レシピ本は、時間のあるときにぱらぱらとめくって勉強しています。他に最近は下処理や目利きのための指南書を読んだりと、インプット自体はかなり多いと思いますが、いざキッチンに立ったときは首っ引きというわけではないですね。 レシピ通りに作ろうとすると、材料が無いことも多々ありますし、それに、レシピそのまま、ってなんかくやしくないですか?

—-レシピの上を目指す、という感じでしょうか?

上を…行けたらいいのですけど、それは実際のところ、なかなか難しいですね(笑)。 とはいえ、レシピ通りではなく、この食材の代わりにこれを使えばもっと安くできる、だとか、この調味料は無くても十分美味しい、とか、あっちのレシピをこっちに応用してみよう、とか、何かしら自分で工夫するのが好きなのです。

勿論自分だけでなく食べてくれた人からも反応があるのがモチベーションになっています。作った料理を友達に振る舞い、おいしいと言ってもらえるのはスゴく嬉しかった。

最近は、食べてもらうことを意識するなら、「一般的な好み」を反映しているはずのレシピにも、もう少し敬意を払わないといけないと思うようになりました。ずいぶん時間がかかりましたけれど…。この企画でも自分の手法を見なおせたらいいなと思ってます(笑)。

—-山崎さんご自身、苦手な食べ物などはありますか?

あまり無いです。もともと料理には、「おいしい」と「すごくおいしい」しかないと思っていました(笑)。料理を始めてからは元々苦手なものの良さもわかるようになり、今は食材として苦手なものはほぼありません。

—-今まで作った料理の中で、記憶に残っているものは?

最近だとウドを、トマトとクミンと一緒にスープにしたらおいしかったですよ!

—-ウドってあまり使わないし、灰汁が強いイメージが…。

そうですよね。でも、難しく構えず、挑戦してみればなんとかなりますよ。 ウドはアク抜きをすることが確かに大事で、部位ごとの使い分けも難しいのですが、お味噌汁なら全体が使えて美味しいです。ただ今回は一週間くらい前に味噌汁を作ったのにまた買ってきてしまったので、同じくらい失敗しない方法で「こいつをどうにかして洋風に使ってやりたい」と思ったんです。 いつも、今日はこの食材を倒してやる、って感じです。

—-カレーしか作れない筆者に、何かアドバイスをお願いします。

カレーに昆布だしを入れるとおいしいです!

—-料理をする醍醐味は?

料理は、自分でやればやるだけ、世界に対する解像度が上がるのです。

—-解像度が?

例えば、極端な例ですけど、自分で料理をするまでは、鶏肉の胸肉ともも肉の違いさえあまり意識していなかったように思うのです。男子中学生・高校生のレベルから進化していない(笑)。でも、自分で作るようになってからは、色々な違いが分かるようになり、食材に関する見え方が変わってきた。食材についても元々苦手だったものの特徴をよく考えるようになり、美味しく食べられるようになった。

ただ副作用?として、「おいしい・すごくおいしい」以外の感覚も出てきてしまった(笑) ご飯は、生活にかかせないものですから、その意味で僕たちが生きる世界に根ざしています。また、作ったものを、他の人と共有できるのも魅力ですね。

—-料理をすると、奥様も喜んでくださいますか?

ありがたいことに感謝してもらえますが、僕からは妻には、辛口なコメントも求めています。食べてくれる人がいる、というのは嬉しいものですが、期待に応えたいし上回りたい。驚きの反応を引き出したいとは常に思っています。 料理に関しては、おいしさを追求することはもちろんですが、時間をうまく使ってつくることや、コスパも大事です。 そういった要素もうまく調整しながら満足度が最大になるようにするというのが、生活者として料理を作ることの楽しみと言えるのではないでしょうか。

—-ありがとうございました!

今回は連載初回インタビューがメインでしたが、次の記事では、山崎さんに教えていただいたお手軽レシピを一品、紹介します!

文:菅野千尋

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