EVENT 2018年12月11日

『ドラゴン桜』作者の三田さんが駒場祭で講演会 制作チーム「東龍門」の座談会も

 11月23日、第69回駒場祭で『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』の作者・三田紀房さんによる講演会が開催された。講演会の前には『ドラゴン桜2』東大生編集チーム「東龍門」のメンバーによる座談会・個人講演も実施。東大受験生を徹底的に応援するために企画されたイベントの様子をお届けする。

(取材・撮影 石井達也)

 

 初めに登壇したのは、東龍門の西岡壱誠さん(経・3年)と遠藤和真さん(工・3年)。普段から意見の対立が多いという2人が受験勉強について意見をぶつけ合った。センター試験について、西岡さんが「範囲が決まっている分、勉強の努力量が測れる」と主張したのに対し、遠藤さんは「本来の勉強は枠組みに縛られないもの。現状の受験制度で測れる『勉強』量に意味はないのでは」と反論。2人のどちらの意見に賛成するかを観客に問い掛けたところ、会場は二分される結果となった。

 

入試制度について議論した西岡さん(左)と遠藤さん

 

 続く東龍門のメンバー5人による座談会のテーマは「東大生になるために必要なこと」。「家庭の経済力」「友人関係」「努力の量」「住んでいる場所」「学校の先生の質」「地頭の良さ」「親」という7要素の中からおのおのが二つを選択し、紙に書き出す。打ち合わせをほとんどしていなかったというが、5人の意見はきれいに分かれる。西岡さんは「意見が分かれたことから分かる通り、どの要素も大切」とまとめつつ、自分で変えていけるのは「友人関係」「努力の量」の2要素だと説き、会場を納得させた。

 

 

 座談会の後には、個人講演が行われた。座談会に参加した西岡さんと加賀琢巳さん(文Ⅰ・1年)に加え、小川護央さん(文Ⅲ・2年)が登壇。西岡さんは「どこからでも逆転できる!」と題して、偏差値35から東大合格を果たした経験を振り返った。推薦入学を果たした加賀さんは募集要項を参照しながら推薦入試で求められる力について解説。中学時代に不登校を経験した小川さんは、観客からの質問に答える形で自らの逆転劇を振り返った。

 

「引きこもりからの東大受験」をテーマに講演した小川さん

 

 この日のメインイベントが『ドラゴン桜』『ドラゴン桜2』の作者・三田さんによる講演会「センター試験決起会」。三田さんが登壇すると、満員の会場は拍手に包まれた。

 

 

 三田さんは受験に向けて重視してほしいこととして「健康管理」「メンタル管理」の2点を提示。体調を崩すことは、一般的に考えられている以上に受験に悪影響を与えることを説明した。「体調を崩すと数日間勉強のパフォーマンスが下がり、元通りになるためにまた数日かかってしまいます」

 

 メンタル管理について三田さんは、ネガティブな思考は行動に悪影響が出るとして、常にポジティブでいることの重要性を掲げる。「前向きになれと言われても難しい。どうすれば良いかというと、もう成功したものとして考えることです」。その上で、学園祭などに訪れ「東大を日常生活の延長線上にあると捉えましょう」とアドバイス。情景を想像することができれば、実際の試験の時も緊張し過ぎず普段通りの力を出せるのではないかと三田さんは説いた。

 

 

 東大合格のために何が必要なのか──多くの受験生が考えを巡らせるこの問いに対して三田さんは「東大に入るために絶対に必要なことは、東大を受験することです」と言い切る。一見当たり前のように思われるこの意見は、漫画家としての自身の経験に基づいている。もともと普通の会社員や店の経営をしていたという三田さんが漫画家デビューを果たしたのは30歳のこと。「漫画を描いて新人賞に応募するという挑戦」を現実に移さなければ現在のキャリアはなかったと強調した。「東大を自分には縁のない存在だと考えるか、ひょっとしたら自分でも入れる存在だと考えるか。後者を選んで、対策を立てた人だけが東大に合格することができるのです」

 

 

 講演会の後、三田さんと希望者で写真撮影をして終了。イベントに対して参加者の反応は上々だ。『ドラゴン桜』の漫画やドラマに親しんでいたという参加者の東結彩さん(高校2年)は「受験では基本を押さえることが何より大切だということを、改めて実感しました」とコメント。「講演会で学んだ内容を今後の受験勉強に生かしていきたいです」

 

 座談会と講演会という形のイベントは、三田さんと東龍門にとって初めての試みだった。会場では、座談会に参加した正司貫統さん(法・3年)が受験生時代に使用していたノートの展示や、特製鉢巻きのプレゼントも。東龍門は今後も受験生のニーズに応えるイベントを企画予定だ。「このイベントに参加したから東大に合格できた」──そのような声を聞ける日が、近いうちに訪れるかもしれない。

***

 『ドラゴン桜』制作ウラ話などを聞いた三田紀房さんへのインタビューは『東大2019 東大オモテウラ』に掲載されています。『東大2019』は現役東大生による、受験必勝法から合格体験記、入学後の学生生活のアドバイス、後期学部への進学、そして卒業後の進路に至るまで解説したガイドブック。東大受験を考えている高校生や中学生の皆さんにお薦めです。

 

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