COLUMN 2020年10月3日

【受験生応援】何が大事? 東大受験時のホテル選び

 東大の2次試験は例年、理科各類は本郷キャンパス、文科各類は駒場Ⅰキャンパスが会場となる。入試は2日間(理Ⅲ受験生のみ面接試験で3日間)かけて行われるため、地方在住の受験生にとっては宿泊の必要がある。受験時に宿泊した東大生は、受験期間をどのように過ごしたのか。地方出身の東大生を対象にした記述型のアンケートから得られた体験談の他、5人の東大生に聞いた上京受験体験記を紹介する。悔いのない受験環境を整えるため、参考にしてみてはいかが。

 

写真はイメージです。

 

ホテル少ない本郷/渋谷は路線に注意

 

 東大生44人から回答を得た記述型アンケートでは、受験時の宿泊期間や宿泊地、宿泊における注意点を聞いた。

 

宿泊期間

 入試前日から入試最終日朝までの宿泊者が約3分の2を占めた。豪雪による欠航への備えのためや宿泊環境に慣れるために、入試の2日前に東京に到着したという声もあった。入試最終日翌日まで東京に残ったという人の中には、寮の見学の予定を入れた場合や、入試最終日の朝に荷物の整頓をすることが負担となると懸念した場合があった。

 

宿泊場所

 宿泊場所選びはまずは理科各類受験生と文科各類受験生で入試会場となるキャンパスが異なることに注意しよう。宿泊場所を選ぶ際のポイントとしては「当日朝何かトラブルがあっても大学へたどり着けるように近場のホテルを選ぶといい」、「普段、電車に乗ることに慣れていなければなるべく会場にアクセスの良い宿泊地を選ぶと良いと思う」との声があった。

 

 続いて、宿泊場所の予約時期について。ホテルによるが、半年前をめどに予約受付を開始する所が多いようだ。受験生向けのプランを実施しているホテルもあるので、できるだけ早くから調べておくと良いだろう。入試会場となるキャンパスを勘違いして2月中旬にホテルを改めて予約した人が「直前だったのでわがままを言っていられなかった」と回答したように、直前では条件に合った宿泊場所を選択するのが難しくなるため、早めの予約が必須だ。

 

 理Ⅰ・理Ⅱ・理Ⅲの受験生が入試を受けるのは本郷キャンパス。東京メトロ丸ノ内線、都営大江戸線の本郷三丁目駅または東京メトロ南北線の東大前駅、東京メトロ千代田線の根津駅が最寄り駅だ。キャンパス周辺のホテルは数件しかなく、予約が殺到して取りにくい。徒歩でも本郷キャンパスまで向かうことができ、ホテルが多い水道橋駅や御茶ノ水駅周辺に泊まったとの声が多数見られた。

 

 一方、文Ⅰ・文Ⅱ・文Ⅲの受験生は駒場Ⅰキャンパスが会場だ。最寄り駅である京王井の頭線の駒場東大前駅の目の前であり、鉄道を利用すれば迷わず到着できるだろう。渋谷駅周辺に泊まる人が最も多かった。渋谷駅はキャンパスから徒歩では約20分、鉄道では京王井の頭線で2分の距離だ。渋谷駅は複数路線が乗り入れるため「最寄り駅が渋谷と書いていてもどの路線に近いかによって所要時間は変わることに注意して」とのアドバイスも忘れないでおこう。

 

 宿泊場所から入試会場までの行き方も確認しておきたい。前日までに一度下見をしておくと安心だ。

 

客室の環境

 客室の机がそれほど大きくない場合もあるよう。その他、ホテルからスタンドライトを借りた人もおり、事前に客室の学習環境についてホテルに確認しておくと良いだろう。客室では勉強に集中しづらいと、予備校の自習室や有料の学習スペースを使うという選択をした人もいた。
健康管理と食事

 

 発熱や腹痛時を想定した常備薬の持参をしていた人は多かった。一方で、慣れない環境でアレルギーを発症してしまったという例も。「過去の疾病も振り返りつつ、あらゆる事態に備えておくべき」

 

 食事については、生ものや胃もたれしそうなものを避けたとの声があった。「ホテルの朝食バイキングは受験生らでかなり混むので、時間の予定が狂う可能性がある」との声からも「ホテル周辺のコンビニ・スーパーなどを下調べしてどこで食事を取るかは事前に決めておいた方が良い」とのアドバイスは貴重だ。

 

 

宿泊した東大生からのアドバイス

〜理系(本郷)編〜

 

昼食の箸は要確認

出身校:福岡県久留米大学附設高校

 現役時・浪人時共に入試2日前の夜に自宅がある佐賀県から父親と一緒に飛行機で上京。東京ドームシティの目の前にある、リッチモンドホテル東京水道橋に2年連続で宿泊した。本郷キャンパスまで徒歩15分とそう遠くないことと同じ建物にディスカウントストアがあることが決め手だ。ホテルには2日目の朝まで滞在した。現役時・浪人時共に他大学はセンター利用入試のみ出願していたので、東大入試が東京での唯一の受験だった。

 

 当日、現役時は徒歩でキャンパスに向かった。試験開始1時間半前の8時過ぎにホテルを出たところ、すでにキャンパスの前には大勢の受験生が列を成していた。遅い時間帯に教室に入ったので直前の復習に十分な時間を割けず悔いが残った。その反省を踏まえ、浪人時は予約したタクシーで7時45分ごろに出発したところ、列の前方に並ぶことができた。 

 

 昼食はホテル周辺のコンビニで前日に購入した。現役時、箸を入れ忘れ、大パニックになった。勉強道具に加えて、食事にも細心の注意を払うことをお忘れなく。(理Ⅱ・2年)

 

時間にゆとりを

出身校:愛知県海陽中等教育学校

 入試前日に愛知県から新幹線で上京。本郷キャンパスまで徒歩圏内の近さを優先して宿泊場所を探した。温泉で疲れも吹き飛ぶだろうと水月ホテル鴎外荘(今年閉館)を選んだ。

 

 ホテルには入試最終日朝まで宿泊。宿泊費を節約するため、入試最終日に県人寮の見学を入れた。試験が終わってから見学までの時間に余裕がなく、入試会場まで大荷物を運搬する羽目に。入試会場では荷物を教室後方に置かせてもらえたものの、徒歩での大荷物の運搬では予想以上に体力を消耗してしまった。スケジュールには余裕を持つことが大切だと痛感した。

 

 昼休みには、キャンパス近くにあるとかねてから知っていたそば屋で昼食を取った。ただ、もしそのそば屋が閉まっていたらどうしていただろうか。慌てていたに違いない……。食事は事前に用意し、持参することをお勧めする。

 

 新型コロナウイルス感染拡大により、受験生一人一人の感染防止対策の重要性は言うまでもないと思うが、安心して受験に臨めるよう、体調管理には細心の注意を払っておきたい。(理・3年)

 

〜文系(駒場)編〜

 

何事も想定内に

出身校:鹿児島県鶴丸高校

 現役時は高校の先生の引率で品川プリンスホテルに宿泊した。浪人時には駒場Ⅰキャンパスまでできるだけ近いホテルにしようと、8月ごろに駒場東大前駅まで徒歩と電車で約10分の渋谷東急REIホテルを選んだ。現役時も浪人時も、入試2日前に鹿児島を出発して、入試最終日翌日の朝までホテルに泊まり、余裕を持って行動できた。安いホテルや入試会場に近いホテルは夏までに予約が埋まってしまうことが多いので、ホテルはなるべく早く予約しよう。

 

 現役時にはホテルで用意してもらった弁当を持っていったものの、多くてどうにも食べきれず……。浪人時には、コンビニで買ったパンで昼食を済ませた。入試前日に昼食を買っておくと、当日の朝に慌てないで済むのでお勧めだ。

 

 現役時も浪人時も、部屋で騒音はなく、快適に過ごせた。備え付けの電気スタンドもあり、勉強しづらいと思うこともなかった。

 

 慣れない土地での受験では、電車の乗り換えに案外手間取ったなど想定外のことが起こりやすい。会場までの道は事前に入念に確認し、時間に余裕を持った行動を意識しよう。(文Ⅲ・2年)

 

日常を意識しよう

出身校:北海道札幌南高校

 もともと入試2日前の飛行機を予約していたが、大雪の予報を受け、欠航を恐れて4日前に上京した。日時変更可能な航空券を取っておいて良かった。駒場東大前駅の隣駅近くにあるアパホテル渋谷道玄坂上に宿泊。予約は入試の1年前に入れていた。駒場Ⅰキャンパスまで徒歩圏内で、近くにコンビニや飲食店が多いのが決め手だった。

 

 1日目は徒歩で入試会場へ。15分で到着した。歩くことで気晴らしになった。2日目は雲行きが怪しかったため、京王井の頭線で向かった。ホテルが会場から近いことで、安心して受験に臨めた。

 

 2日目終了後もホテルに泊まり翌日の夕方の飛行機で帰郷。当日に戻るのは試験の終了時刻を考えると慌ただしい上、荷物の扱いが面倒になると判断したためだ。入試最終日翌日には三鷹寮の見学をした。

 

 客室の机の大きさは勉強するには問題ないと思ったが、客室の種類によって異なる場合があるので、電話で事前に相談すると良い。不慣れな土地での受験は心理的負担が大きいので、なるべく普段の生活と同じように過ごそう。(文Ⅰ・1年)

 

11月じゃ遅い

出身校:岐阜県岐阜北高校

 2次試験のための宿泊場所を決めたのは11月上旬。渋谷周辺で探そうと思っていたが、旅行代理店に相談すると「(東大入試の両日)渋谷は厳しいですね」。ほぼ空きのない状態だったため、選ぶ余裕はなかった。奇跡的に空いていた四谷3丁目のホテルを予約。割高だったことは否定できない。地方からの受験生は早めにホテルを確保しよう。

 

 入試当日はホテルから駒場Ⅰキャンパスまで電車で移動した。前日に駒場までの乗り換え方法を確認し、ICカードに多めにチャージしておいたので安心して通えた。

 

 ホテルには入試前日から2日目の朝まで1人で滞在。チェックアウト後も荷物を預かってもらえた。部屋は空気清浄機が壊れかけていたこと以外問題なかった。室内は全体的に暗かったが直前にガッツリ勉強するわけでもなかったので気にならなかった。

 

 食事は入試前日からの3日間全7食をコンビニで購入した。食べ慣れない物を口にするのが不安な人には、好きな物を好きな時に食べられるコンビニが便利だ。地元でも東京でも企業の味は変わらない。
  (養・3年)

 


この記事は2020年9月8日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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キャンパスのひと:寺尾結衣さん(文Ⅲ・1年)

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