科学技術振興機構(JST)は9月30日、グローバル卓越人材招へい研究大学強化事業(EXPERT-J)で東大など11大学を採択したと発表した。海外から若手研究者などを受け入れる。
大学ファンドを緊急的に活用し、米国などからの研究者・大学院生受け入れに3年間で総額33億円を大学に助成。助成金削減を示唆し政府が大学への圧力を強める米国の情勢も背景にあるとみられる。

今回応募したのは13校の大学で、そのうちの11校が採択された。このうち東大を含む6大学については、国際卓越研究大学(卓越大)の第2期公募での審査も進む(図)。卓越大に認定されるとEXPERT-Jの助成対象からは外れ、卓越大としての助成に切り替わる。
大学ファンドは「世界に伍する研究大学の実現」に向け、研究基盤構築や研究者育成を長期的に支援するためにJSTが2021年に設置。これまでは、主に卓越大への助成が活用先として想定されてきた。
米国の情勢を背景に、東大ではカブリ数物連携宇宙研究機構が独自に「状況急変で逆境に立たされた海外人材」の受け入れを表明したが、全学規模での積極的な人材受け入れはなかった。卓越大に第1期で認定済みの東北大学は、助成金を活用して国際的トップ研究者を500人程度を採用していく計画だとしている。