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2014年10月7日

東京大学が4ターム制を導入

本部学務課は9月26日、2015年度からの4ターム制導入に伴う変更点について公表した。9月25日に4ターム制導入の学内手続きが完了したことを受けている。

来年度から各学部がどのような学事暦を採用するかということや来年度の標準授業日程について、東大から初めて詳細に全学的な説明がなされた。履修可能な上限単位数を定めるCAP制の導入なども示されている。

新学事暦(上表は東京大学本部学務課のお知らせから借用)

各学部ごとに採用する学事暦が異なっている。教養学部・文系学部は、夏休みが8月のみで1~3月が冬休みになる「タイプⅠ」を採用する。対して理系学部は、夏休みが6~8月で冬休みが3月のみの「タイプⅡ」を用いる。

 ただし工学部・理学部は来年度、移行措置としてタイプⅠを採用。理学部数学科を除いて再来年度にタイプⅡに移行する。経済学部は、数年後をめどにタイプⅠからタイプⅡに移行する予定だ。

タイプⅠ・タイプⅡはそれぞれ、これまでに4ターム制の型として示されていた「4ターム型」「4ターム+S型」に当たる。本部関係者によると「『S』の文字が夏学期を示す『S1』『S2』でも使われていて紛らわしいため、直前になって変更された」という。

標準授業日程に関しても発表があり、これに基づいて学部ごとに詳細な日程が設定される。4ターム制では短い期間での授業時間を確保するために、土曜・祝日にも授業日が設定されている。

同じく授業時間の確保のため、1時限当たりの授業時間と授業開始時間の変更に関しても、初めて全学的な発表があった。授業時間は全学的に1時限当たり105分に統一され、13回で2単位に相当する。授業時刻も全学統一で1限の開始が午前8時30分、5限の終了が午後6時35分となっている。

その他にも各学部の判断で実施可能なものとして▽卒業単位数の削減▽早期卒業制度▽履修可能な上限単位数を定めるCAP制▽カリキュラム改訂―などが提示された。前期教養課程2年間に関しては9月時点で、現状文系70単位・理系76単位のところを文系56単位・理系63単位にする案が発表されている

今回の4ターム制に関する発表は、9月25日の役員会で学部通則の改正が審議・了承され4ターム制導入の学内手続きが完了したことを受けたもの。これまでは4ターム制に関して公式発表がほとんどなされておらず、総合文化研究科・教養学部が8月1日に4ターム制の導入など主要な変更事項を示していただけだった。

〈学生からは疑問の声〉

東京大学新聞社は今回の4ターム制に関する発表について、取材を実施。特に大きな影響を受ける在学生の話を聞いた。

教養学部学生自治会自治会長の諸隈夕子さん(文Ⅲ・2年)は2日、4ターム制導入について「学生支援課に何度か問い合わせたが『具体的な内容は定まっていない』との返答だった」と話した。「変更の内容はともかく、学生生活を大きく左右する事項について、事前の説明や理由の開示、学生の意見の収集も無しに変革を行うことは由々しき問題だ」としている。

教養学部オリエンテーション委員会も取材に対し「大学側から行事日程が確定したという連絡はない」と9月25日に回答。発表された新学事暦では4月6日が前期教養課程の授業開始日となっており、本年度に比べて3日早くなっている。

その他にも「単位の扱い方はどうなるのか」など履修に関しての疑問が多く聞かれた。運動会に所属する部の部員からは「学部ごとに休みの期間が異なり、練習に支障が出る」「始業時間が早まり、朝練の時間に影響が出る」といった意見が目立った。

この記事は、2014年10月7日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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