受験

2022年1月21日

【受験生応援連載2022】現役東大生に聞いた! 気になる後期の出願先

 

 大学入学共通テスト(共通テスト)が終わり、国立大学の個別試験への出願が始まる。前期日程と後期日程(以下、前期と後期)の2種類の受験日程に出願できるが、東大では後期の出願を受け付けていない。前期で東大に出願する受験生は、後期の出願先についてどのように考えれば良いのだろうか。東大の1年生2人に、昨年度、出願先をどう決めたか教えてもらった。記事末尾には現役東大生16人の後期出願先についての表を、前期の出願科類や出身地域、私立大学出願数などと併せて掲載した。(取材・金井貴広)

 

「ここならやっていけるぞ」の感覚で

 

Aさん(文Ⅲ・1年、男性、静岡県出身、現役)

後期出願先:神戸大学文学部

 

 後期で神戸大学文学部に出願しようと考えたのは高3の初め頃、高校から志望大学を決めるよう求められた時です。漠然と国公立大学に入りたいという思いがありましたが、志望校選びの際には、人文学系の学部がある大学を探すことから始めました。出願先を決めるときの指標として「ここならやっていけるぞ」という気持ちになれるかどうかを考えるようにしており「文学部ならやっていける、自分が研究するなら人文学方面だ」と思うようになっていたためです。

 

 神戸大学を選んだ理由としては、都会の方が通いやすいと考えたこと、また祖母の家が関西にあったこともあります。ある程度知名度がある大学で文学部に出願できる大学は多くなく、選択肢が多くなかった分、むしろ選びやすくも感じました。後期で出題される小論文も、高校で練習していたので、数年分練習すれば何とかなると判断しました。もし東大に不合格で神戸大学に受かっていたら神戸大学に入っていたと思います。私には浪人という選択肢は考えられませんでした。東大でなければ絶対だめという意思はなかったし、1年目以上の力は2年目に出せないだろうと考えていました。私立大学は早稲田大学の法学部などの共通テスト利用型に出願し、結果合格しましたが、早稲田大学か神戸大学かの二択だと後者を選んでいたと思います。やはり国公立大学に行きたいという考えでした。

 

 出願先を選ぶ際には、自分が受験で何を重視するかが大切になってくると思います。後期は倍率が高いので安全に合格することを重視するなら難易度を抑えて出願すれば良いし、例えば都会に行きたいといった希望があればその条件に合った地域の大学に挑戦すれば良いと思います。

 

 

興味と受験準備の負担、両方を考慮

 

Bさん(理Ⅱ・1年、女性、奈良県出身、現役)

後期出願先:北海道大学農学部

 

 東大か京都大学を受けることを考える中で、後期も受けるのが望ましいと思い始めました。北海道大学に出願することを決めたのは高3の12月半ばです。農学部志望が強く、神戸大学とも迷いましたが、自分の学びたい分野に進むための募集枠が大きかったこと、試験科目が理科だけで対策が少なくて済むと考えたことから北海道大学の受験を決めました。北海道ということで生物・食品について学べる環境が整っていることも考慮に入れました。

 

 3月10日が東大の合格発表、12日が後期試験です。北海道大学を受験するには天候のことを考えて前々日に現地に到着しておくべきだということを気に掛ける友人もいましたが、私はあまり気にしませんでした。結局私は、北海道に行く準備をした状態で東大の合格発表を見ることになりました。

 

 私立大学は受験していません。理系の私立大学で私の目に留まったのは慶應義塾大学の薬学部だけでしたが、東京まで行くのは体力的に厳しいと考え、東大以外の受験は後期に絞りました。東大一本で受験した友人もいましたが、私にはその覚悟はありませんでした。共通テストの自己採点をしてみて不安になることもありましたが、受験戦略を大きく変えることはありませんでした。

 

 東大が不合格で北海道大学が合格だった場合について、明確には決めていなかったものの浪人していたような気がします。しかし北海道大学は農場なども充実していますし、どれだけ自分が東大に入りたいかと再度向き合って決断することになったと思います。

 

 東大受験終了後、2年分北海道大学の過去問を解きましたが、実際は東大の試験結果を考えてしまい気が気ではありませんでした。受験生にはひとまず、東大の試験の最後まで悔いが残らないようにやり切ってほしいです。

 

現役東大生16人の後期出願先を紹介!

 

 以下の表では、①東大入学年度、②入学時の科類、③後期出願大学・学部または「出願しなかった」、④実家のある地域、⑤私立大学出願数、⑥現役だったか浪人だったか、⑦東大に不合格で後期出願先に合格していた場合どうしていたと思うか、という質問について、現役東大生16人の回答を東大入学年度と一緒に掲載する。今回取材した2人はいずれも後期に出願するという選択をしたが、出願しなかった人も一定数いるようだ。

 

※データは単なる数人の出願例であって、属性の調整などは行っていません。あくまで参考として活用してください。また、本年度は後期の出願を受け付けていない大学も含まれています。出願先を決定する際は必ず各大学のホームページなどで最新の情報をご確認ください。

  • 「後期出願大学・学部」は基本的に選択式。学ぶ内容がおよそ同じと思われるものがある場合は、それを選択してもらった。
  • 「私大出願数」には、共通テストやセンター試験の利用型も含む。
  • 「東大不合格の場合」は、東大に不合格で後期出願先に合格していた場合について「後期日程の出願先に入学する」「私立大学で合格したところに入学する」「浪人する」の中から選んでもらった。表ではそれぞれ「後期」「私大」で示している。

 

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