受験

2021年9月18日

食で乗り切れ! 東大 受験メシ!【前編】東大教授に聞く、脳に必須の栄養素

 

 記憶力や集中力は受験に必須と言っても過言ではない。これらの脳機能を高めてくれる栄養素はあるのだろうか。東大栄養化学研究室の喜田聡教授に話を聞いた。(取材・安部道裕

 

試験の当日はブドウ糖を

 

 「脳もあくまで体の器官の一つですから、これだけ食べていれば脳は大丈夫というような栄養素はありません。バランスの良い食事をする、というのが大前提です。しかしそれを踏まえた上で、やはり脳には特有の機能がありますから、その機能に必要な栄養素を摂取することは脳機能の向上につながります」と喜田教授は話す。

 

 最も基本的なこととして、脳の神経細胞はブドウ糖をエネルギー源としている。これが不足すると集中力、記憶力の低下を招くため、ブドウ糖はエネルギー源として必須だ。

 

 それに伴って、ブドウ糖をエネルギーに変えてくれるビタミンB類は大切だという。「特に豚肉やキノコに多く含まれるビタミンB1は重要です。マウスを使った実験で、ビタミンB1がなくなると神経細胞が変性し、記憶力が著しく低下することが分かっています」。他にもビタミンAは記憶力を高めることが知られている。ビタミンAはにんじんなどの色の付いた野菜に多く含まれ、熱して食べるより、サラダで食べる方が良いとのこと。

 

 重要なのはビタミンだけではない。「脳の神経細胞同士のコミュニケーションをつかさどる神経伝達物質はアミノ酸から出来ています。アミノ酸は特に集中力に関係していて、例えば必須アミノ酸の一つであるトリプトファンから作られるセロトニンという神経伝達物質は、不足するとイライラすることが分かっています」。アミノ酸を体に取り入れるために、タンパク質の摂取は欠かすことはできない。

 

 もう一つ重要なものとして挙げられるのがω3不飽和脂肪酸。「ω3不飽和脂肪酸は青魚などに多く含まれていて、神経細胞の細胞膜を作っています。不足するとうつ病になりやすいというデータもあります。現代の若い人は魚をあまり食べないと言われていますから、普段から意識的に食べて神経細胞のコンディションを良くしておきましょう」

 

 試験当日は、エネルギー源であるブドウ糖を必ず取っておくこと。「ラムネやアメは素早く吸収されますから、試験の合間に食べておくのも良いと思います。アミノ酸についても、現在マウスを使って実験を進めている最中ですが、ヒスチジンというアミノ酸を注入すると、2時間後くらいに記憶を思い起こす能力が向上するというデータが取れています。ですからタンパク質も当日取っておいた方が良いと思います」。そう話す喜田教授はバナナや牛乳を薦める。「糖とタンパク質の両方を取れ、素早く吸収されますから」

 

 日頃の食生活ではバランスを意識しながらビタミン、不飽和脂肪酸、タンパク質を取る。試験当日はバナナと牛乳で糖、アミノ酸を補給する。そうすれば試験中よく脳を働かせられること間違いなしだろう。

 

喜田 聡(きだ・さとし)教授(東京大学大学院農学生命科学研究科) 94年東大大学院農学系研究科(当時)博士課程修了。博士(農学)。東京農業大学教授などを経て19年より現職。

 

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