文部科学省(文科省)は、国際卓越研究大学(卓越大)の第2期公募で、東大を現地視察すると決めた。視察は10月の予定で、研究現場の状況などを把握する。
7月末から8月末にかけて実施された第3回「国際卓越研究大学の認定等に関する有識者会議(アドバイザリーボード)」が決定した。視察対象は東大の他に東京科学大学・早稲田大学・名古屋大学・京都大学・大阪大学で、計6大学。大学との対話の機会を増やすため、第1期より倍増した。筑波大学・九州大学の視察は予定していない。一部メディアの報道によると、文科省は視察対象の6大学に候補を絞ったわけではないとしている。
6月から審査が始まった第2期公募では、アドバイザリーボードの意見を踏まえ、大学が研究等体制強化計画を改善できるような対話的・段階的審査を進める。認定された場合、科学技術振興機構(JST)が設置する10兆円規模の大学ファンドで、年度内に同計画を助成開始する。
研究論文の質・量が低調傾向にある日本の大学の現状を危惧した文科省が卓越大の制度を開始。「国際的に卓越した研究の展開及び経済社会に変化をもたらす研究成果の活用が相当程度見込まれる大学」を数校程度認定する。第1期公募(2023~24年)では10大学の申請のうち、東大・東北大学・京都大学の3大学が視察を受け、東北大学が認定された。