2月6日に開幕を迎えたミラノ・コルティナ冬季オリンピック。2大会連続金メダルを獲得したスピードスケ-トの高木美帆選手や、ロコ・ソラーレに代わって初出場となるカーリング女子フォルティウスなど、今大会も熱い戦いに目が離せない。今回はアイスホッケーについて、競技の「見どころ」を東大運動会スケート部アイスホッケー部門に寄稿してもらった。(寄稿=東京大学スケート部アイスホッケー部門・石川涼)
アイスホッケーは、20分×3ピリオドで、ゴールキーパー1人とプレイヤー5人の計6人で構成された2チームが、スティックでパック(ゴム製の円盤)を扱い、相手ゴールに入れて得点を競うスポーツです。リンクはバスケットボールコートが4面収まる範囲の床が氷で覆われています。また、この競技特有の3つの特徴的なルールと文化があります。
1つ目は自由な選手交代です。他の多くのスポーツと異なり、プレー中でも、何度でも自由に選手交代ができます。プレー中は全力疾走を繰り返すため、1人の選手が氷上にいられるのはわずか40秒~1分程度です。疲れ切る前に次々と交代し、60分間プレースピードが落ちないことが特徴です。
2つ目はペナルティと退場です。反則を犯した選手は、その内容の重さに応じて少なくとも2分間、リンクサイドにある「ペナルティボックス」という隔離エリアに閉じ込められ、試合から一時退場となります。その間、反則を出したチームは1人少ない状態(キルプレー)で戦わなければならず、相手チームには絶好の得点チャンス(パワープレー)が与えられます。
3つ目はボードやゴールの裏の利用です。コートの周囲はボードやガラスで囲まれており、壁の跳ね返りを利用して相手を抜いたり、パスしたりと、壁の使い方も戦略的に使われます。また、サッカーやバスケと違い、ゴールの裏側もプレーエリアです。守備の際には、一旦ゴール裏で態勢を整えたり、攻撃の際には、ゴールの裏から予測せぬパスを出してキーパーを混乱させたりと重要なエリアとなっています。
衝突最高時速50キロ近いスピードで生身の人間が壁に激突する「ボディチェック」の迫力は圧巻で、氷上の格闘技とも言われています。防具がぶつかり合う鈍い音、氷を削る音、そしてフェンス越しの衝撃を体感できるのは、アイスホッケーならではの魅力です。

また、攻守の切り替わりが早く、攻めていると思った次の瞬間にはピンチになっている、という展開の速さが特徴です。パックを奪ってから数秒でゴールへ迫るカウンター攻撃の鋭さに注目です。
観戦がより面白くなる注目のポイントは「パワープレー、キルプレー」です。ペナルティによって「5人対4人(または3人)」になる状況が試合の勝敗を分けます。1人多い側(パワープレー)がどのような陣形で守備を崩そうとしているか、1人少ない側(キルプレー)がいかに体を張ってシュートコースを塞ぎ、時間を稼ぐか。この戦術的な攻防が、展開の早いアイスホッケーの中でも手に汗握る緊迫の2分間となります。
日本の注目選手は、FW床秦留可(とこ・はるか)選手です。日本代表のエースであり、絶対的な司令塔です。卓越したスケーティングとハンドリング技術でチャンスメイクし、自らも得点を決める決定力を持っています。昨年の最終予選や世界選手権は怪我のため、欠場しており、怪我明けの活躍に注目です。












