
霞ヶ関キャピタル株式会社は、創業14年で時価総額約1900億円、売上高965億円という驚異的なスピードで成長を遂げている不動産コンサルティング会社。そんな急成長プライム上場企業が、新たに初年度年収1400万での新卒採用を始めた。今回は霞ヶ関キャピタルの代表取締役社長CEOである河本幸士郎さんと東大卒で社員の矢口太一さん(25年、東大大学院新領域創成科学研究科修士課程修了)に話を聞いた。(取材・赤津郁海、写真は全て霞ヶ関キャピタル提供)

河本 幸士郎さん(霞ヶ関キャピタル株式会社 代表取締役社長CEO)
1973年兵庫県生まれ。大学卒業後、建設業界にてキャリアをスタートし、不動産ファンド業界へ転向。2015年に霞ヶ関キャピタル代表取締役に就任。
矢口 太一さん(霞ヶ関キャピタル株式会社 社長室シニアヴァイスプレジデント)
1998年三重県生まれ。小学校5年生から始めた「セミ研究」で内閣総理大臣賞を受賞。孫正義育英財団1期生。東大工学部機械工学科を経て、東大大学院新領域創成科学研究科修士課程を修了。
霞ヶ関キャピタルってどんな会社?
──まず、霞ヶ関キャピタルについて教えてください
河本さん:僕たちは不動産デベロッパーです。今、世の中の不動産には、不合理な需給ギャップがたくさんある。そのような需給ギャップがあるところ、かつ、もっと需給ギャップが大きくなりそうだなっていうところを埋めて、歪みを正していくことが僕たちの狙いです。
結果、社会にとって役に立てている、それが付加価値つまり利益になって、しっかり儲けることができている。これが僕たちのざっくりした姿です。
よく社会的意義と金儲けは両立するのか?という質問を受けますが、これは全然相反するものではなくて、それをミートさせるのが仕事だと思っています。
──具体的にどのような事業をされていますか?
河本さん:事業としては主に冷凍倉庫、ホテル、ホスピスの三つです。まず、冷凍倉庫については自然冷媒の冷凍自動倉庫(LOGI FLAG)を作っています。実は、今の大都市圏の冷凍倉庫の稼働率は100%を超えていて、全然足りていない。需要は今後もどんどん増えていく。しかも2030年問題といって、フロンガスが規制されるにも関わらず、世の中の冷凍倉庫の多くがまだフロンガスを使っている。これどうするんですか?ということ。この状況に対して、じゃあ僕たちがやりましょうということで、今では冷凍倉庫の供給量は日本国内1位になっています。


次にホテル。 seven x seven(セブンバイセブン)、fav(ファブ)などグループ向けのホテルを作っています。既存のホテルはシングルまたはツインがほとんどだけど、グループ旅行の需要に対して、供給が全く追いついていない。そこの需給ギャップを数にすると40万室、つまり1棟100室としても4000棟のギャップがあると言われているわけです。すごくない?4000棟だよ?(笑)
このギャップを埋めていきましょうっていうのが僕たちの考え方。ただ広いっていうだけだと、すぐに真似されてしまうので、システム開発も取り入れて省人化モデルをやっています。チェックイン、チェックアウトという概念を設けないことで、スタッフを介在させない。そうすることで固定費を削りつつ、ストレスのない快適なホテルを目指しています。


最後にホスピス。ターミナルケアとも呼ばれるんだけど、人生の最期を穏やかに過ごせるよう支援する場所を作っています。これから日本は多死化社会を迎えます。2040年頃がピークと言われている一方で、建築費の高騰、後継者不足、建物の老朽化などで病院のベッド数は減っていっている。自宅で看取ってくださいと言っても、特に都心ではそんなスペースはないし、時間も余裕もない。そこで、病院と家との中間地点であるホスピスの需要がすごく高まってきている。ただ世の中を見渡した時に、自分の親を入れたいと思えるようなホスピスがなかった。ないのなら、自分たちでつくろう。そう思って始めたのがきっかけです。一般的なホスピスよりも高いけれども、そこに価値があると思う方に来てもらえたらと思って始めたところ、当然めちゃくちゃ需要が高かった。そこを僕らは狙ってやっている。ざっくりこんな感じで成長させていっています。


──今後の目標はなんですか?
河本さん:前期(2025年8月期)は純利益102億円だったけど、今期は165億円を目指します。ここから2029年にめがけて500億円まで上げていきたい。年平均で1.5倍ずつ成長する目標(直近3年は年平均2倍以上の実績)だけど、特に不動産系でここまで成長している会社は世界的にもかなりレアじゃないかな。現状、そこそこ利益を出せるようになってきて、社員も充実してきたけれど、まだまだ気持ちはスタートアップのつもり。これからも、もちろんベンチャー企業並みの成長を続けていきたいと考えています。
その柱として、ちょうど今年から本格的に海外展開をしていきます。例えば経済成長真っ盛りのマレーシア。特にクアラルンプールは、所得が上がって、みんなが電子レンジを買い始めた。所得が上がれば、女性の社会進出も進む。その結果、冷凍食品の需要が高まってきた。そうすると、冷凍倉庫が必要になるってわけです。そこに僕らが進出しようとしている。その他にもドバイではレジデンスを、アメリカではホテルを展開していきます。
海外で成果を出して、4年後に振り返った時に「ああ、あんな小さいことをやってた時期もあったなあ」と思えるくらいには大胆に変わり続けたいと思っています。
霞ヶ関キャピタルの新卒採用について
──新卒で、初年度年収1400万という数字には正直驚きました。どのような方に来てほしいと考えていますか?
河本さん:僕はよく言っているんだけど、会社や事業は椅子取りゲームではないと思っています。官僚や銀行、もうできあがっている大手の会社なんかは、もしかしたら椅子取りゲームかもしれない。でも僕らは、事業っていうのは自分で作るものなんだから、椅子は自分で増やすものだと考えている。だから霞ヶ関キャピタルでは、まだまだ椅子を増やし続けたいと思っているし、なんなら椅子を増やすところから一緒に参画したいと思える人にこそ、ぜひ来てほしい。
そもそも不動産で事業を始めるには、ある程度まとまったお金が必要で、0から1を生み出すことがめちゃくちゃ大変なんだよね。だから今、僕たちがやるべきことは、場を提供することだと思っています。ヒト・モノ・カネを僕らが提供するから、アイデアのある人、アイデアはなくても熱意のある人は寄っておいで、ウチでそれを実現させようって。
──初年度年収1400万円の狙いは、そのような人材の採用というところにあったんですね
河本さん:そもそも、1400万円が高いとは思っていない。むしろ1400万円で本気の人材が来てくれたらめちゃくちゃ安いとすら思う。逆に言うと、1400万円「も」もらえる、と思うような人には来てもらわなくていいから、「自分なら1400万円以上の価値を生み出せる」と、そんな意気込みを持っている人に来てもらいたい。
さらに言うと、1400万円というお金を貰いつつ、成長ができるわけ。お金をもらってノーリスクで好き放題チャレンジできるなんて機会はめったにないと思う。そういうチャレンジ志向な考え方ができる人を集めたくて、この数字を設定しているわけなんです。
霞ヶ関キャピタル 河本社長の意外な過去
──今やプライム上場企業の社長という経歴ですが、河本さんの学生時代について聞いてみたいです
河本さん:僕は大学を卒業した後、実は2年間ニートをやっていて(笑)。混じりっ気のないピュアなニート。厨二病だったんですよね。自分は何者かになれるに違いないと根拠のない自信を持っていて、かつ社会に出るのにビビっている、そんな分かりやすい厨二病だった。ただ24歳とか25歳になって周りを見渡すと、もう活躍している人も出てきて、さすがにこれはまずいぞと。厨二病にかかっている場合ちゃうわと思って。遅れた分を取り戻すために、とにかくモーレツに働ける会社に入社しました。

──入社後はどうだったんですか?
河本さん:建築系のコンサルに入ったんだけど、思っていた以上に大変で。当時は終電でも帰れないような日が続いた。でも、それを耐え抜いたのは自信にはつながったかな。やがてクライアントでもあった不動産ファンドに興味が湧いてきて、転職しました。その会社では比較的若いほうだったけど、どんどん出世できて、お給料も当然良かったし、俺イケてるってだいぶ調子に乗っていたと思う(笑)。
そんな調子でいたところにリーマンショックがやってきて、暇になって、僕はただ付加価値も何もないトレーディンングをしてきただけだと気づいて、コテンパンに打ちのめされましたね。自分が世の中に必要とされていない、このまま不動産ファンドを続けていてはいけないと思った。
そこで、自分で付加価値をつけられることをやってみたい、そう思って独立したのが2011年のこと。
──独立した後はどういった経緯で、霞ヶ関キャピタルの設立に至ったんですか?
河本さん:最初は山を買って、太陽光発電所を始めました。ただ、山の開発は土地の境界を決めるために、隣地の所有者全員に合意をとりに行かなきゃいけなくて、それがめちゃくちゃ手間が掛かる。とはいえ、ちゃんと手立てを整えて、ソーラーパネルを置けばいい状態まで準備すると、付加価値をもった状態で売れる。この経験から、面倒くさいことをやるのにこそ、実はすごい価値があるのだと気づきました。
それを3、4年くらい続けて、そこそこ儲かった。でも、こんな個人商店で自分たちの金儲けだけをいつまで続けるのかと。それならちゃんと組織を作って、もっと本格的にいろんなアセットタイプに置き換えていったら、ちゃんとした事業になるぞということで2015年に霞ヶ関キャピタルをつくりました。
東大院卒社員の入社の経緯と入社後のエピソード
──矢口さんは、東大在学中にも複数の上場企業で活躍されていたそうですが、そんな学生時代について教えてください
矢口さん:三重県伊勢市出身で、小学校から始めた「セミの研究」で高校時代に内閣総理大臣賞を頂き、東大の工学部に学校推薦型選抜で入学しました。大学進学後は仕送りがなく苦労しましたが、孫正義育英財団の1期生に選ばれたことで、何とか大学生活を送ることができました。
学部卒業後は院進と同時に、ゲオホールディングスに就職し、社長室で科学的アプローチの推進に取り組みました。大学院は2025年3月に修了しています。
在学中には、東大新聞でも連載していたんですよ!
──矢口さんの就活エピソードを聞かせてください
矢口さん:実は今までの人生で、一度も就活をしたことがないんです。ゲオホールディングスに就職したのも、社長の遠藤さんと学生時代からご縁があったことがきっかけでした。
学部時代から考えていたキャリア戦略は、「信長」を探しだして成り上がり「秀吉」になる、というものでした。小さいころから歴史が好きで、歴史上で活躍した人たちの人生を自分なりに考察すると、特に何もないところから駆け上がった人物は、例外なく、人とは全く違うチャンスを見つけ出し、それを掴んでいる。そう思った私は「信長」を探しだして、チャンスをつかむのだと考えていました。
──そうした考えの矢口さんが、大学院修了後、霞ヶ関キャピタルに入社するにいたった経緯や決め手はなんだったのでしょうか
矢口さん:霞ヶ関キャピタルを知る最初のきっかけは、孫正義育英財団の同期で、霞ヶ関キャピタルの社外取締役の早川尚吾さんに河本社長を紹介してもらったことでした。これまで出会ってきたどの経営者とも異なる姿に衝撃を受けたことを覚えています。この人が、僕が探していた「信長」なのかもしれない・・・と。その出会いから少し経って、業務委託の形で仕事をして、大学院修了後の2025年4月に正式に社員として入社しました。
霞ヶ関キャピタルは事業が急拡大し、それに伴って、組織の規模も力も飛躍的に大きくなってきています。そうした組織はいつの時代も「人」が足りない。優秀で意欲ある「若い才能」が必要とされているんです。ただ、こうしたチャンスが開いている期間は決して長くない。きっと5年後、10年後には必要とされる人材の質も違ってくるはずだと思います。2020年代の、この日本で駆け上がる「大きなチャンス」が開けている。そんな「今」こそ、挑戦するべき時だと感じ、入社を決めました。

──普段はどういった業務を担当していますか?
矢口さん:河本社長からのミッションに加え、広告宣伝費の効果検証をはじめとしたデータ分析、AIシステムの開発などに取り組んでいます。最近では、人事周りのミッションも任せていただいています。入社して、改めてびっくりしましたが、この会社には驚くほど年功序列の文化がないんです。20代でも、入社数カ月であっても、本人の実力で評価され、大きな仕事が任されています。
そして、私が入社してから半年ほどですが、孫正義育英財団や東大の仲間や後輩たちもインターンや業務委託など様々な形でジョインしてくれるようになりました。毎日が楽しいですよ。
──霞ヶ関キャピタルで新卒として働く魅力は何でしょうか
矢口さん:東大卒という「新卒カード」をどこに切るか、という人生戦略の話でもあると思うんです。東大生の就職ランキングで上位にくるような大企業に就職するのは、過去の先輩たちの先例があるし、どうやら一定程度の成長も報酬も見込めそうだ、という意味では「リスクがない」選択肢なのだと思います。ただ、裏を返せば何十人という単位で東大卒をはじめとした優秀な仲間がいる「横並び」の選択でもあると思います。そうした中で、自分だけが「秀でる」ことはなかなか難しいのだと思います。少なくとも、戦略として「賢い」と僕は思えませんでした。
一方で、先例がない不安、自分で道を切り開いていく大変さという「リスクがある」道だけれど、他では得られない環境で、自分の能力を思う存分試すことができる。ここに僕は「勝機」を見出したんです。実際に入社した今でも、自分の戦略は間違っていなかった、と思えています。こんなに面白い環境はないですし、恐れていた「リスク」は実際にはほとんどなかったですね。
活躍すればすぐに昇給昇格できる環境で、給与だけでなく、ストックオプションやRS(譲渡制限付株式)も充実していて、会社の成長が自身の資産形成にもつながる。そんな環境で自分のやりたいことに精一杯取り組める。こんな良い環境はめったにないと思います。
──最後に、東大生にメッセージをお願いします
矢口さん:やりがいと評価・待遇はトレードオフ、そんな風潮があると僕は思っています。僕はやりがいも、自分への評価・待遇も、どちらも欲しい、そう思って学生時代から過ごしてきました。やりがいも、評価される環境も、この会社にはある。自分の可能性を最大限発揮したい、自分がどんな「大いなる企て」ができるのか挑戦してみたい、そんな若手には最高の環境だと思っています。ともに頑張れる最高の仲間を霞ヶ関キャピタルで待っています!
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霞ヶ関キャピタルでは、これまでの通常選考に加え、
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■会社情報
会 社 名:霞ヶ関キャピタル株式会社
設 立:2011年9月
代 表:代表取締役 河本 幸士郎
本 社:〒100-0013 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号 霞が関コモンゲート西館28階
資 本 金:190億236万円(資本準備金含む)※2025年8月末日現在
従業員数:349名(単独)※2025年8月末日現在
主な事業:不動産コンサルティング事業(物流施設開発、ホテル開発、ヘルスケア施設開発、海外事業)











