内閣府は4月29日付で2025年度春の褒章を発令した。東大からは阿部郁朗教授(東大大学院薬学系研究科)と佐竹健治名誉教授が紫綬褒章を受章。阿部教授は天然物化学の研究、佐竹名誉教授は地震学の研究が評価された。
阿部教授は合成生物学が専門。植物や微生物を対象とした薬用天然物の生合成研究や酵素工学などで功績を挙げた。天然物化学の新しい方法論を開拓するとともに、生合成研究で創薬研究への応用可能性を示した。
東大地震研究所を昨年退職した佐竹名誉教授は、地球物理学や歴史地震学、古地震学的手法を用いて世界の巨大地震や巨大津波について研究。今日の津波研究や津波予測の基礎となる津波波源の空間的分布を推定する手法を開発した。歴史文書と津波シミュレーションの比較や津波堆積物の調査なども行い、歴史的な巨大地震を複数発見した。