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2020年5月15日

大学インパクトランキング 東大は国内2位 SDGs達成は道半ば

 英国の教育専門誌『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)』は4月22日、大学の社会貢献度を評価する「大学インパクトランキング」の2020年版を発表し、東大は77位だった。国内トップは76位の北海道大学で、東大、東北大学(=97位)が続く。

 

 

 同ランキングは国連の掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」の各項目に対する大学の貢献度を、THEが設定した複数の評価基準で測るもの。昨年より作成が始まり、2回目となる今年は世界85カ国から766大学が参加した。

 

 東大は「SDG9 産業と技術革新の基盤をつくろう」の分野では100点を獲得し1位タイにランクイン。産学連携による収入や大学発企業の多さが反映された形だ。その他「SDG2 飢餓をゼロに」の分野でも32位タイに入った。

 

 ランキングでは、各大学がエントリー必須の「SDG17 パートナーシップで目標を達成しよう」を含む計四つ以上の分野を選んでエントリーする。各分野の関連研究論文数や、大学キャンパスにおける取り組みなどを評価し、最も高い3分野の得点とSDG17の合計点で総合順位が決まる。

 

 総合ランキングでは1位のオークランド大学(ニュージーランド)に加え、上位10校のうち4校をオーストラリアの大学が占めるなどオセアニアの大学が健闘。一方、同じくTHEの「世界大学ランキング」で上位を占める英オックスフォード大学など米英の主要大学は、ランキングへの参加自体を見送っている。

 

 東大は17年の指定国立大学法人の指定申請の際、目標設定の指標としてSDGs活用を掲げ応募。指定後は五神真総長を本部長とする未来社会協創推進本部を設置し、全学を挙げてSDGs達成へ貢献するプロジェクトを推し進めてきた。3月20日現在、該当するプロジェクトは197に上る。

 

 

 東大の順位について、大学政策に詳しい田中和哉さん(政策研究大学院大学リサーチ・フェロー)は「東大が捉えているSDGsとTHEの指標にズレがある可能性はある」としつつ「ランキングへの参加はそもそも学内向けにSDGs達成に向けた取り組みを促進するよう執行部からアピールする側面も大きい。結果に一喜一憂せず、どうすれば大学がより社会に貢献できるか考えるために生かしてほしい」と述べた。


この記事は2020年5月12日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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