LATEST NEWS 2015年12月26日

東大女子限定ハッカソン今年も開催。最優秀賞は「規則正しい睡眠を提供するアプリ」

 当サイトでも取り上げた、初心者歓迎の東大女子限定アンドロイドアプリ制作コンテスト「Tea Time Hackathon」が2015年12月5~6日に虎ノ門ヒルズのJBSオフィスで開催された。東大の女子学生34名が11のチームに分かれ、2日間かけて1から「生活をより良くするアプリ」を開発。アイデアの新しさ、操作性、デザイン性を競い合った。

 

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 今年のテーマは「生活をより良くするアプリ」。11月15日に行われたアプリのアイデアを出す方法を学ぶ「アイデアソン」では、東大で開講されているイノベーションについて考える主題科目「i.school」の講師の指導のもと、アイデアを出し合った。衣・食・住に関する悩みや困難を抽出し、困難が解決された未来を想像。その未来を実現するために障害になっている常識とは何かを考え、その常識を打ち破るアプリをアイデアとして立案する。出たアイデアを、Tea Time Hackathonに協力しているアンドロイドに詳しい学生メンターに相談。実現可能かどうか吟味し、アイデアをアプリ開発につなげるべく具体化した。

 

 事前の2回の講習会では、日本アンドロイドの会の職員を講師に招き、アンドロイドアプリでのボタン機能やスマートフォン端末のカメラとの連携の方法など具体的なコードの書き方を学んだという。講習会の後、各チームにはアプリの中心となるアイデアや、実際にスマートフォン画面上でどう表示され、どのように操作するのかという遷移図の提出が宿題として課された、大会当日はそのアイデアや遷移図に基づいて協賛企業や学生のメンターに協力してもらいながら開発を進めた。

 

 大会1日目はひたすら開発。午前10時から始まり、午後10時30分頃まで開発を続けるチームもあったという。約15時間の開発の末、各チームの作成したアプリは次の通り。

 

 

表

開発の様子1

 

チームごとのテーブルで企業や学生のメンターと協力して開発を進めた
チームごとのテーブルで企業や学生のメンターと協力して開発を進めた

 

 

 開発が終了すると、各チームは6分間で自分たちのアプリについてプレゼンテーションした。アプリのアイデア、アプリによって可能になる未来、こだわり抜いた点を力説。アプリがアンドロイド端末の画面上でどのように動くかを実演したデモンストレーション動画も組み込んだ。発表後、3分間の質疑応答の時間が設けられたが、審査員やメンターからだけではなく、参加者からも自分の開発の経験から、質疑を交わしていた。

 

プレゼンテーションの様子1

 

各班が開発したアプリのプレゼンテーションを行った
各班が開発したアプリのプレゼンテーションを行った

 

 アプリの評価項目はアイデアの質(5点)、基本動作・ユーザビリティ(3点)、デザイン性(3点)、プレゼンテーション(3点)。合計点数の最も高かったチームに最優秀賞が、そして協賛企業から各企業賞が贈られた。表彰されたチームは以下の通り。

 

最優秀賞:C班「Clockey Nikkie」

JBS賞:J班「満腹度予報」

新日鉄住金ソリューションズ賞:A班「プラスチャット」

メルカリ賞:K班「くまった」

リクルートマーケティングパートナーズ賞:I班「話しかけたいから」

 

 副賞として、最優秀賞のC班に「fitbit」、JBS賞のJ班に豪華お食事、新日鉄住金ソリューションズ賞のA班に女性エンジニアとの豪華ディナー、メルカリ賞のK班に女性エンジニアとのランチ、リクルートマーケティングパートナーズ賞のI班にAmazonの商品券が送られた。

 

表彰を受ける最優秀賞に選ばれたC班の班員
表彰を受ける最優秀賞に選ばれたC班の班員

 

 最優秀賞を獲得したC班の「Clockie Nikkie」は就寝時間と起床時間を登録し、夜就寝時間になると一言日記を書いて寝るようにスマートフォンから通知が来る。そして起床時間まではスマートフォンを使いづらくするアプリだ。スマートフォンが規則正しい生活リズムをし、それに人間が合わせるという逆転の発想が審査員に評価された。また、深夜にスマートフォンを起動すると、かわいらしいキャラクターの「Nikkie君」が寝ている中起こされ次の日に眠たそうな表情を見せることで罪の意識を感じさせ、スマートフォン依存を治すという設定が面白い。

 

 C班の3人は皆アンドロイドアプリの作成をするのは初めてだという。北原祐理さん(教育学研究科・修士1年)は「プログラミング自体が全く初めてでしたが、チームで協力したり、メンターの方に教えてもらったりしながら実際に動くアプリを作ることができたのが面白かったです。アイデアソンで右脳と左脳を両方使い、まずは量を出し、そこから質を高めていくというアイデアの出し方を学べたのも良い経験でした」と話す。吉開星玲さん(文Ⅰ・2年)は「文系でも、アプリのように何かを作る作業は楽しめると思います」と言う。プログラミングはアイデア面も重要で文理横断的だ。中山優千恵さん(工・3年)は「普段、工学部の以外の人と交流することが少ないので、企業や学生のメンターの方や違う学部の人と関われたのは貴重な出会いで、参加してよかったと感じます」と話す。

 

最優秀賞に輝いたC班の左から北原さん、中山さん、吉開さん
最優秀賞に輝いたC班の左から北原さん、中山さん、吉開さん

 

 今回のTea Time Hackathonの参加者の文理は約半々で、学年もばらばらだ。留学生の参加も多く、発表会で英語を話す留学生もいた。学内では人数が少なくつながりづらい東大女子の交流の機会にもなっているのかもしれない。

 

 2回目となる「Tea Time Hackathon」はアイスタイル、アンドロイドの会、JBS、新日鉄住金ソリューションズ、SenSprout、メルカリ、ヤフー、リクルートマーケティングパートナーズが協賛。協賛企業は企業メンターとして各チームの開発の手助けや、企業賞の授賞などを行った。

 

(文・西村直人)

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