INTERVIEW / FEATURE 2014年7月10日

なぜDeNAに入社する東大生が多いのか? 新卒の4分の1を東大生が占める理由

先日公開した「13年度就職状況」で、唯一、学部・院卒ともに上位にランクインした企業がある。株式会社ディー・エヌ・エー(以下DeNA)だ。今年4月にDeNAに入社した新卒のうち東大生の割合は、97人中27人と4分の1を超える。これだけ東大生の割合が多くなる背景には何があるのか。新卒採用グループのリーダー石倉秀明さんに、採用の裏側を聞いた。

石倉さん.png   株式会社ディー・エヌ・エー ヒューマンリソース統括部 人材開発部     新卒採用グループ グループリーダー 石倉秀明さん

ーーー先日、東京大学新聞Onlineで公開したデータ(※)では、学部卒で7人、院卒で17人、合計24人が今年4月に入社をしたことが分かりました。実際の人数はどのようになっているのでしょうか?

実際に入社した東大生の人数は、学部卒・院卒合わせて27人です。今年4月に入社した新卒が合計で97人なので、割合としては4分の1を超えています。もちろん院卒や工学系の学生が多いのですが、全体としてみれば、学部・研究科は多様性に富んでいます。

ーーー単刀直入にお聞きします。どうしてこんなにも入社する東大生が多いのでしょうか?

それが、明確な答えはあまりないです(笑)。新卒で入社する東大生が多いのは、あくまで結果論だと思っています。

弊社の採用は、一貫して絶対評価で実施しています。最初のWebテストから面接に至るまで、絶対的な採用基準を満たしているかどうかを必ず見ています。したがって、「結果的に東大生が多くなっている」というのが正確な言い方ですね。

ーーーなるほど。では、その「絶対的な採用基準」というのは、具体的にどのようなものなのでしょうか?

基本的に求めている要素は2つです。ひとつは、「思考の独立性」。場の雰囲気に流されず、しっかりと自分の頭で考えることができるかどうか。もうひとつは、「逃げずにやり抜く力」。困難にぶつかっても、逃げずに泥臭くやり遂げられるか、といった部分を確認させてもらっています。

ーーーそうした要素を持った東大生が多いということでしょうか?

これはあくまで仮説ですが、この2つの要素は、実は東大受験のプロセスに近いものがあるのではないか、と思っています。東大の入試といえば、自分の頭で考えさせる良問が多く、あらゆる場面で思考力を要求されますよね。そして、こうした良問に立ち向かうプロセスは、一方で苦しいときも多い。困難にめげず、自分の頭で考えることに長けた学生が東大に多いのではないかと考えています。

ーーーでは、東大生は、DeNAという会社のどのあたりに魅力を感じて入社するのでしょうか?お考えを聞かせてください。

一番大きな部分は、「チャレンジングな環境」と「本気さ」ではないでしょうか。物凄いスピードで変化する環境で、目の前の課題から逃げずに、必死に考えビジネスを進めていく。その「環境」と「本気さ」に魅力を感じて、入社してくる学生が多いのだと思います。

毎年夏に実施しているインターンに、「StuDIG」「TechStuDIG」があります。StuDIGについて言えば、数百倍の倍率を勝ち抜いた学生と、4日間かけて、本気でビジネスプランを考えていきます。

このインターンでは、夏休みの貴重な4日間を使ってインターンに来てもらうので、「何より楽しくやる」という方針を掲げています。そして、「何よりも楽しくやる」ためには、こちらも「本気」で応えなければいけないと思っています。負荷が大きいインターンと言われることもありますが、それは「何よりも楽しく」、そして「本気」で、インターンに取り組もうとした結果だと思います。

この4日間をかけて「本気」で臨む姿勢は、学生のみなさんに私たちの「本気度」を示せていると思っています。実際に、入社する学生の6〜7割は、何かしらの形でインターンの選考に参加しています。インターン、その選考を通じて、「本気」のカルチャーに触れてもらえている部分は、メッセージとして大きいと思います。

ーーーDeNA=「知的体育会」「知的EXILE」との言い方もされています。このイメージに近いのでしょうか?

はい、個人的に「知的EXILE」という表現はしっくりきました(笑)。一見すると、私たちのカルチャーは、「ロジカル」「戦略」のように、コンサルティング業界に近いイメージを持たれることが多いです。ファウンダーの南場も、コンサルティングファーム出身ですしね。ただ、実際に中に入ると、「アツい人」が多い印象を抱くと思います。苦しいときは、気持ちで乗り越えていくしかない。そうした人間味溢れる部分と、徹底的に考え抜く部分が共存していると思います。

ーーー新卒採用の競合としては、どのあたりの企業になるのでしょうか?

実は、昨年・今年くらいから、かなり大きな変化がありました。

以前は、コンサルティング業界や外資系金融業界などが競合に挙げられることが多かったのですが、今は大小問わず、「ベンチャーマインドを持った会社」と一緒に考えられることが多いです。

ーーーそうした変化の背景には何があるとお考えでしょうか?

これも仮説ですが、「裁量を持って、自分でビジネスをしたい」学生が増えているのではないでしょうか。ビジネスの最前線で、自分自身の裁量と責任でチャレンジをしたい、結果を出したい志向が強くなっている気がします。

ーーー実際に今年入社した東大生、あるいは内々定を獲得した東大生も、そういった志向が強いのでしょうか?

そうですね。たとえば、東大を卒業し今年4月に入社したひとりは、人事として今夏のTechStuDIGの統括をしています。2週間かけて実施していた昨年までの形式を大幅に変更し、3泊4日のハッカソン形式にしました。より短いサイクルでPDCAを回してもらい、現場のスピード感を体感してもらうためです。この準備を責任者として行っています。

その他に15卒の内々定者で、ゲーム開発の部門でアルバイトし、1人でシンガポールに出張に行った者もいます。

これから入社する学生には、良い意味で会社を壊してほしいと思っています。会社をひっくり返してもらって全然構わない。

ーーー先に挙げていただいた「ベンチャーマインドを持った会社」とは、どういった点が違うとお考えでしょうか?

常にチャレンジし続ける環境で、周りに優秀な仲間がいる点が、競合優位性だと考えています。特定のビジネスに固執するわけではなく、常にチャレンジしていかなければならない環境は、小さなベンチャー企業と一緒です。もちろん、ゲームもやっていきますが、ゲームだけやっていくわけでは決してない。規模は大きいながらも、マインドとしては「永久ベンチャー」であり続ける点が、最大の強みになっていると思います。

ーーー東大生へのメッセージをお願いします。

私たちは「人の周りに事業ができる」という言い方をよくしています。優秀な人たちが120%の力で頑張れる環境があるからこそ、ここまで成長できたと思っています。

DeNAの社員には、「満足しない人」が多い気がします。苦しい時に、、局面を打開することを諦めずに頑張る人が多いです。今年の内々定者を見ても、「船が沈みそうになったときに、腕をまくれる人が多い」印象を持ちます。

批評するだけでなく、自分の力で何かを成し遂げたいと思っている方には、ぜひチャレンジしていただきたいですね。

※データは各学部・研究科への問い合わせを基に作成しており、各学部・研究科に報告していない者や、就職を辞退した者などの人数が反映されていないため、実際の就職者数とずれが生じる場合がある。

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