COLUMN 2016年8月3日

【東大ア式蹴球部寄稿】リオ五輪「サッカー」の見どころ

写真はア式蹴球部提供
写真はア式蹴球部提供

 サッカーの王国ブラジルのリオデジャネイロで開催される今回の五輪。最も盛り上がりを見せる競技のひとつであろうサッカーの見どころについて紹介する。

 

・男子

 オリンピック男子サッカーには「23歳以下の選手でチームを構成する」という独特のルールがある。そのため、世界中の有名選手が集まるワールドカップとは異なり、次世代を担う若手が中心の大会となる。観る側にとっては、世界レベルのサッカーを楽しむだけではなく、まだ知名度は低い選手を発掘することもオリンピックならではの楽しみである。前回大会では、当時ブラジルのサントスに所属していた同代表ネイマールが活躍し、1年後にはスペインの名門バルセロナへとステップアップし世界的スターとなったことは記憶に新しい。

 

 日本代表でも、オリンピックを機に世界へと羽ばたいた選手も数多く、過去には中田英寿(アトランタ五輪出場、イタリア・ローマなど)、中村俊輔(シドニー五輪出場、スコットランド・セルティックなど)、本田圭介(北京五輪出場、イタリア・ACミランなど)といった選手がチームに名を連ねた。将来の日本代表を背負って立つ選手の台頭にも期待がかかる。

 

 また、各国3人までオーバーエージ(24歳以上の選手、以下OA)を加えることが認められていて、この3枠を有効に活用しチームを強化することも重要な点である。日本はフル代表経験もある興梠(浦和レッズ)・藤春(ガンバ大阪)・塩谷(サンフレッチェ広島)の3人が招集されている。

 

日本代表展望

 6大会連続の出場となった日本は、前回ロンドン五輪のベスト4を上回りメダルの獲得を目指す。アジア予選では低調な前評判を覆し、優勝で予選突破を果たし手倉森監督を中心としたチームの結束力を強く印象付けた。リオ五輪に向けては、この時のメンバーを中心にOAの3人を加えた。安定感のある守備からの縦に速い攻めが持ち味で、まずはいかに相手の攻撃を封じられるか、というところが生命線になるだろう。ロースコアの試合に持ち込めば自ずと勝機が見えてくる。キャプテンでボランチの遠藤(浦和レッズ)、OAとして召集されたDF藤春と塩谷の活躍がカギとなる。攻撃ではOAの興梠を中心に、イングランドの名門アーセナルへの移籍が決まった快足FW浅野、高いテクニックを持つ南野(オーストリア・ザルツブルグ)といった特徴的な武器を持つ選手をどう融合させるかが重要な点となる。

 

 予選リーグでは、ナイジェリア・コロンビア・スウェーデンが同居するBグループに入った。一見すると強豪国が少ない楽なリーグにも見えるが、実は最難関の組ともいわれている。

 

 特に初戦を戦うナイジェリアは若い世代の大会では常に結果を残してきた国で、五輪では1996年アトランタ五輪で優勝、08年の北京五輪では準優勝。17歳以下のW杯では連覇中と若い才能を輩出し続けている。今回のメンバーでも欧州でプレーする選手も多い。身体能力、得にスピードが総じてハイレベルで対応が困難であろう。またOAでミケル(イングランド・チェルシー)を招集。中盤でバランスを取るのに長けた選手で若いチームに落ち着きをもたらす。優勝候補に推す声もある危険なチームだ。

 

 2戦目のコロンビアはメンバーの半数以上がフル代表の経験を持つという才能あふれたチーム。ほとんどが国内を中心に南米でプレーしており、連携が深めやすいという点も武器になるだろう。

 

 3戦目はスウェーデン。噂されていたイブラヒモビッチのOAでの召集はかなわなかったものの、全体的に高さを特徴とする選手が集まった。セットプレーでの攻防がカギとなる。

 

 予選突破には最低でも1勝1分けが必要となるだろう。中でも初戦の結果が大会を左右することが多く、前回大会では、初戦で優勝候補のスペインを破る番狂わせを演じその後の快進撃へとつなげた。初戦のナイジェリア戦にすべてをかける覚悟が必要になるだろう。

 

その他の注目チーム

 優勝候補筆頭の開催国ブラジルは2014年の自国開催ワールドカップでの1-7での惨敗を払しょくするために、OAにネイマールを招集し必勝を期す。五輪を優先したネイマールを欠いたブラジルフル代表は南米選手権でまさかの予選リーグ敗退。それだけに優勝はもはや至上命題だ。CBにはパリサンジェルマンのマルキーニョスを有すなど各ポジションに世界レベルの選手がそろっている。

 

 対するはドイツ。ブンデスリーガで結果を残している若手に実績十分のベンダー兄弟をOAで加えて充実の陣容だ。

 

 南米予選1位通過のアルゼンチンは優勝候補と目されていたが、協会内部の混乱により大会直前に監督が辞任。メンバーも辞退が相次ぎ国内組が中心となった。混乱をどう乗り越えるかに注目だ。

 

・女子

 前回準優勝の日本代表はアジア予選でまさかの敗退。優勝候補の筆頭は前回日本を破り金メダルを獲得したアメリカだ。ワンバック選手は引退したが、出場が危ぶまれていた世界最高GKのソロは参加を表明。過去5回中4度優勝しているアメリカが4連覇を狙う。

 

 対抗馬はドイツ・フランスの欧州勢。ともにオリンピック初優勝を狙う。開催国のブラジルも近年は結果を残せていないが、アテネ・北京では銀メダルを獲得している(ともにアメリカが優勝)。地の利を生かして初優勝を果たしたい。

 

 華麗なパスサッカーで、世界の女子サッカーの戦術をリードしてきた日本が不参加の今大会。どのような戦術を駆使する国が勝ち上がるかで今後の女子サッカーのトレンドも見えてくるだろう。日本こそ参加しないが必見の大会となる。

 

東京大学運動会ア式蹴球部

石川悠吾

 

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