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2018年3月21日

岡西政典特任助教ら テヅルモヅル類の新種を106年ぶりに発見

 岡西政典特任助教(理学系研究科附属臨海実験所)らは、ヒトデの仲間であるテヅルモヅル類の新種(写真)を、日本産の標本の中からは106年ぶりに発見した。標本には昭和天皇が相模湾で採集したものも含まれる。成果は9日付のニュージーランドの科学誌『ズータクサ』に掲載された。

 

 

 海山などの海底の標高が破壊場所は、潮の流れがよくプランクトンを求めて多くの生物がすむが、岩肌が露出していて調査しづらく、環境の詳細が不明だった。テヅルモヅル類は大型で個体数も多いため、こうした環境の指標として期待されてきたが、標本が世界に散らばっていることもあり分類が不明瞭だった。

 

 岡西特任助教らは世界各地の博物館で、既知のテヅルモヅル類ツルボソテヅルモヅル属5種のうち記載情報が少ない3種の標本を観察し、5種全ての分類が正しいことを確認した。さらに国立科学図書館のツルボソテヅルモヅル属11個体の標本を分析し、表面の微小なとげなど既知の5種にない特徴を発見。新種として「トゲツルボソテヅルモヅル」と命名した。

 

 本研究は、標本に基づく研究施設としての博物館の意義を示した。今後は分布するツルボソテヅルモヅル属を分類・同定し、海山などの環境変動を推定する。

 

2018年3月21日14:00【記事修正】タイトルの誤植を修正しました。


この記事は、2018年3月20日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

 

 

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