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2019年9月18日

東大千葉演習林 未だ全面復旧の見通しは立たず

 今月9日に関東地方に上陸し、千葉県を中心に甚大な被害をもたらした台風第15号により、千葉県鴨川市の農学生命科学研究科附属演習林千葉演習林でも倒木などの被害が発生した。現在、演習林内の林道全線が進入不可能で、復旧の見通しは立っていない。

 

 千葉演習林内の天津事務所で技術主任を務める大石諭さんによると、確認できているだけでも141カ所で被害が発生しているという。被害状況は以下の通り。

 

・倒木 86カ所、236本

・法面(人工的に作られた傾斜面)の崩壊 26カ所、合計355㎥

・建物の損壊 14カ所

・林道の構造物の損壊 8カ所

・林道の電柱の折損 7カ所

 

合計236本の倒木が発生した(写真は千葉演習林より提供)

 

 台風が直撃した直後は停電や断水が続き、外部との通信手段がない中で被害状況の確認や対策の検討を行っていたが、13日夜に一部の事務所の停電が解消。現在は演習林の職員により倒木処理などの作業が進められている。ただ、予算の関係上専門の業者による大規模な作業は未だ行えていないとしている。加えて、演習林内の作業所のうち、札郷作業所では停電、清澄作業所では断水とインターネットの通信障害が続き、万全の作業体制も整えられていない。

 

 千葉演習林は1895年に創設された日本最古の大学演習林。合計面積は2169ヘクタールで、森林科学の中心的な教育研究施設としての役割を果たしてきた。加えて、南房総に固有の林型を残す数少ない針葉樹天然林を持つなど、森林としての価値も高い。

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