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2025年6月26日

【東大大学債】3種類新規発行 20・30年債の発行は初 合計175億円分

 東大は6月20日に、3種類の償還期限で合わせて175億円の大学債を発行した。昨年12月に110億円発行したのと同様に、「UTokyo Compass債」の愛称でサステナビリティボンドとして発行される。

 

 年限20年として10億円(利率2.437%)、年限30年として75億円(利率3.128%)、年限40年として90億円(利率3.516%)発行される。調達資金は、前回発行に引き続き、藤井総長が掲げる東大の基本方針「UTokyo Compass 2.0」に基づいて用いられる。具体的には①ハイパーカミオカンデ計画の推進、②空調や照明の運用最適化による温室効果ガスの排出量削減に向けたシステム構築、③多様性包摂共創センターなどが入る予定のD&I棟(本郷キャンパス)の建設、④DX(デジタルトランスフォーメーション)による研究者の事務負担軽減──などに充てられる予定。

 

 東大は格付投資情報センター(R&I)のAA+の格付けを取得している。R&IのAA+の格付けは、他にJR東日本やNTTなどが取得している。日本格付研究所(JCR)からは日本国債と同じ、AAAの格付けを取得している。

 

 東京大学新聞社では昨年11月に東大の菅野暁理事(財務(CFO)、資産活用担当)に取材。菅野理事は大学債の償還には、基金の運用益や民間企業などとの共同研究費の間接経費などを含む大学全体の余裕資金が充てられており、毎年30億円ほどの償還資金を用意できる前提で大学債の発行を用意するとしていた。

 

 国立大学の債券発行は20年に発行要件が緩和された。東大では20、21年に「東大FSI債」を合計300億円発行。24年には「UTokyo Compass債」を110億円分発行していた。今回の発行で東大は大学債を585億円発行したこととなる。将来の大学債の償還に備えては、23年度までに7億5000万円が積み立てられている。「UTokyo Compass債」は合計300億円発行される計画で、今後さらに最大で15億円発行される可能性がある。

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