受験

2023年1月12日

2次試験まで約1カ月! 東大生は共通テストをどう乗り切った?

 

 2023年で、大学入試センター試験(センター試験)に代わり大学入学共通テスト(共通テスト)が導入されて3年目を迎える。東大入試では、共通テストが 110点分、第2次学力試験(2次試験)が 440点分の点数配分になっており、2次試験に大きな比重が置かれていることは間違いないだろう。その上で、東大受験生として共通テスト当日はどう乗り越えるか。共通テスト後、2次試験までの期間はどのように過ごすべきか。現在1年生の東大新聞編集部員4人による座談会を行った。(取材・高橋柚帆)

 

参加者:高橋柚帆(理I・1年)、石川結衣(文I・1年)、本田舞花(文Ⅲ・1年)、宮川理芳(文Ⅲ・1年)

 

左上から時計回りに石川、高橋、宮川、本田

 

共通テスト直前期、何をしたらいい?

 

━━昨年の共通テストは7科目で過去最低の平均点を記録し、難化したことかが大きな話題に。受験した感想は

 

本田 数学が終わった時の絶望感に尽きます。

 

宮川 やっちまった感(笑)。

 

高橋 もはや第1段階選抜に引っかかっているのではないかと思いました。

 

━━共通テスト直前の対策は

 

本田 今まで解いてきた過去問で間違えたものをチェックしていたので、それを復習しました。あとは歴史の知識を詰め込んだりもしましたね。

 

高橋 倫理、政治・経済の暗記を詰め込みました。間に合っていなかったので……(笑)。

 

石川 2人に同意! 直前は新しい問題が解けないとショックだから間違えた問題の復習にとどめて、あとは時間配分の練習をする程度に新しい問題を解くと良いと思います。疲れたら寝るように意識していました。

 

宮川 数学が苦手だったから、自信を失わないように直前はあえてやらなかった気がします。世界史、日本史のまとめノートで穴がないか確認しました。

 

━━会場への下見や、当日のイメージトレーニングは

 

石川 会場が遠かったので下見はやめて、当日親に付いてきてもらいました。

 

宮川 会場には自転車で行くつもりだったんですけど、行けなかったときのために下見ではバスで行って徒歩で帰ってきました。

 

石川 緊張しなかったのでイメトレは特にしてないかな。

 

宮川 私も。


 

本田 緊張しやすいタイプだから、イメトレとして2日かけて本番と同じ時間で過去問を解いてみました。


 

高橋 下見やイメトレはしませんでした。緊張しがちな人は念入りにイメトレをしておくといいかもしれませんね。

 

━━共通テスト自体は2回目だったが、過去問やセンター試験との変化に戸惑ったことは

 

本田 浪人していたのですが、現役時の1回目の共通テストでは、試行調査と全く違う形式になっていてショックを受けたから、また傾向は変わるだろうと腹をくくっていました。下手に予想問題に手を出すよりは、センター試験の過去問をやっていたかな。

 

石川 逆に私はセンター試験を1回も解かずに、予想問題や共通テスト模試の問題集を解きました。

 

宮川 学校の先生が作ってくれた試行問題を解いたりしました。「基礎力があればどんな問題がきても大丈夫」という先生の言葉を信じました。

 

高橋 本番で倫政の出題傾向が変わっていて驚きました。知識より読解力を問う問題が多く、読めば分かるのでラッキーだと思いました(笑)。まだ傾向が定まっていない部分もあると思うので、あらかじめ変化があると思っていた方が本番中動転しにくいと思います。

 

━━当日の失敗エピソードは

 

本田 国語の解答欄を途中までずらしていて、最後の5分の見直しで気付けました。失敗エピソードというよりはファインプレーかも(笑)。

 

宮川 数学も1問でいくつも解答欄かがあって特にずらしやすいから要注意だね。

 

高橋 私は隣の席の人が遅刻してきたり試験中に何回もトイレに行ったりすごく気が散りました……。挙動不審な人は気にしないのが大事! 2日目の午後に試験監督の方にお願いして、座席を変更してもらったけど、もっと早く言えば良かったです。

 

━━持って行って良かったものは

 

本田 過去問の間違えた問題の解説を、スマホで写真を撮ってアルバムを作りました。おすすめです!リスニングの練習用にイヤホンを持って行きましたが、周りのうるさい受験生をシャットアウトして自分の世界に入ることにも役立ちました。

 

石川 会場が遠かったから2日目の勉強道具を持っていって、帰りの時間で復習しました。あと防寒具はしっかり!

 

宮川 チョコを持っていくといいとよく聞きましたが、本番はチョコを食べて頭が痛くなってしまいました。頭痛の原因になることもあるようなので、他のお菓子も持って行けば良かったです。

 

高橋 お腹が空くと集中できないから、休み時間ごとにちょっとつまめるお菓子を食べていました。

 

本田 あんこは持ちがよくていいですよね。

 

後悔しない選択を

 

━━共通テスト後はどうやって気持ちを切り替えたか

 

高橋 当日に自己採点するなら絶対1日目ではなく2日目にした方がいいですね。

 

石川 翌日学校で採点したとき、周りの人よりできていると実感して少し安心しました(笑)。

 

宮川 数学の点数がひどく、家族全員で落ち込んでお通夜のような雰囲気になっていました。「みんなもできていないから大丈夫だよ!」と塾の先生に励ましてもらえました。

 

━━自己採点結果に基づく、予備校の合格可能性判定の結果はどう活かしたか

 

石川 東大以外に行きたい大学はなかったので、迷いませんでした。

 

宮川 私も。落ちたら浪人しようと思っていました。出願人数の速報値で周りの人に圧力をかけてやろうと思って、すぐに出願しました(笑)。

 

高橋 共通テストが難化すると、理Iから理Ⅱに出願を変更する人が増えそうでラッキーだなと思いました(笑)。もともと後期で出願を考えていた大学はD判定やE判定でしたが、行きたいと思っていなかった大学に志望を下げたくなかったので、そのまま出願してしまいました。結局第1段階選抜は通過できたので、周囲の受験生もかなり悪かったのだと思います。

 

石川 私たちが受験した昨年は文Ⅲの合格最低点が文Iより高かったので、共通テストの結果を受けて直前に文Iから文Ⅲに変えて出願した友人が、文Iには受かるけれど文Ⅲには受からない点数で不合格になってしまいました。点数を見て志望を変えるより、腹をくくって自分の行きたいところに出願するのがいいと思います。後悔しない選択をすることが大事です。

 

━━いわゆる共通テストボケはどう解消した

 

本田 どの科目も記述の感覚が鈍ってしまっていましたね。

 

高橋 確かに。塾の先生に毎日のように英作文を添削してもらうことで解消できた気がします。

 

石川 逆に私は記述の対策が遅れていたから、共通テストボケはしませんでした。

 

宮川 共通テスト対策が好きじゃなかったので、ようやく2次試験の勉強をできる! という開放感で頑張れました(笑)。

 

高橋 共通テスト前に慌てて詰め込んだら、苦手な理科が少しできるようになりました。共通テストと2次試験は、形式は違うけど勉強する内容自体は変わらないですからね。

 

共通テスト後の残り約1カ月はどう過ごす?

 

━━2次試験まではどんなスケジュールで過ごしたか

 

石川 地方の公立高校に通っていたので、2月の半ばまで授業がありました。志望校別でもなく、みんなで演習をしていました。

 

高橋 え〜大変!

 

石川 私立大学の対策はほとんどせずに、受験前日に過去問を解いたくらいです。東大受験生ならそれくらいで十分かもしれません。

 

宮川 私も学校がありましたね。

 

高橋 共通テスト直後から2週間塾で直前講習があって、やることが決まっているのは助かりました。私大は2校受けました。滑り止めの方は直前に3年分過去問を解いて、もう一方は理Iより受かるのが厳しいと思っていたのでがっつり対策したかったのですが、結局5年分しか解けませんでした。厳しいかなと思いつつ最終的に合格していたので、やっぱり東大の対策が私大受験にも役立ったのだと思います。

 

本田 2月の頭にある予備校主催のプレ試験に向けて、東大模試前と同じように準備しました。仮面浪人をしていたので、共通テスト直後に在籍していた大学の第二外国語の試験があったのが大変でした。自分でスケジュールをしっかり組んで乗り越えました。

 

石川・高橋・宮川 すごい!!

 

━━気分転換には何を

 

本田 お昼ご飯のときにアニメを1話見るのを生きがいにしていました。あとは、結果が良かった模試だけ見返して、コンディションがよければこれだけ取れる! という自信にしたり、東大に合格した先輩に電話で相談したりしました。

 

石川 食事とおやつが唯一の楽しみだったから、太ることも気にせず好きなだけ食べました(笑)。

 

宮川 坂道を上り下りしながら暗記をやりました。勉強途中の気分転換は、そのあとに勉強に戻る気力がなくなってしまうのでやめていました。

 

高橋 北京オリンピックを見るのが日々の楽しみになっていました。選手の勇姿に元気をもらいました(笑)。運動を面倒くさがって机の前からほとんど動かない日々を過ごしたら、肩凝りと腰痛がひどくなって当日も痛みに耐えながら受験する羽目になりました。運動は大事!!

 

本田 寝るときにホットアイマスクをするのもリラックスできておすすめです。

 

━━睡眠時間はどのくらいか

 

本田 入試当日の時間に合わせて午後11時に就寝、午前7時に起床していました。

 

高橋 規則正しいね!

 

宮川 私も似てるかも。勉強が途中でも0時になったら絶対に寝るようにしていました。

 

 

━━2次試験に向けての勉強で工夫したことは

 

本田 2次試験までにやらなきゃいけないことをリストアップして、1週間ごとにノルマをExcelで表にしていました。日曜日を予備日の位置付けにして、1週間のスケジュールの中でこなせなかったものをやりました。あとは、ストップウォッチを二つ用意して、勉強した時間と休憩した時間を可視化しました。5分休憩すると決めたら、時間を守れるようにタイマーで5分測ったりもしましたね。


 

高橋 勉強時間を記録できるStudyPlusというアプリを使っていました。友達と一緒に使っていたので、友達の中では私が1番多く勉強するぞというモチベーションで頑張りました。勉強時間を可視化できるので、科目の片寄りをなくせるのもよかったです。

 

━━東大の過去問はどのように活用したか

 

石川 過去問を夏休みに10年分解いてしまったので、直前期は東大模試の過去問を解きました。

 

本田 新しい参考書に手を出さないで、今まで使ってきた参考書をやり込む方がいいですよね。

 

高橋 あれもこれもやりたいと思っても時間が足りないから、諦めを付けるのも大事がと思います。

 

━━最後に受験生へのメッセージを

 

宮川 私はやみくもに勉強するのではなく、正しい努力をすることが重要だと思っています。東大の問題を見て、どういう知識やどういう能力かが必要なのかを見極めて、それに向けて逆算しながら勉強をする力を付けてください。

 

本田 共通テスト後から2次試験までの期間が1番メンタル的にきついと思いますが、根を詰めすぎて心が疲弊してしまわないようにリフレッシュの時間も大切にしながら、最後の仕上げをしていきましょう。応援しています。

 

石川 私自身、なんとなく東大に行きたいというのでは最後まで持たないよと周囲に言われてきましたが、受験を終えて本当にその通りだなと思いました。生半可な気持ちで受かる場所ではないから、絶対に行きたいという明確な思いを持って相応の努力をすることが必要だと思います。

 

高橋 自分のやってきたことは自分にはごまかせないので、当日に自信を持てるだけの勉強を続けてほしいです。毎日こんなに勉強した私が落ちるわけないと、自分に暗示をかけることが大事だと思います。2次試験まで1カ月以上残っているので共通テスト後も成績が伸びるはずですから、最後まで諦めないで、運も味方に付けて頑張ってください。

 

科目別ひと言アドバイス

 

数学I・A/数学Ⅱ・B

 

・解く問題を間違えないように! 始まった瞬間に大きくばつ印をつけるのがおすすめ。

・分からない問題は飛ばして最後に解く。

・選択問題はあらかじめどの大問を解くか決めておこう。全問に手を出す時間はない。

 

国語

 

・過去問演習であらかじめ自分に合った解く順番を決めておく。決めておいた時間が過ぎたら、次の大問に進む。

・古文単語、漢文句法は直前まで確認しよう。

 

英語

 

リーディング

・答えの箇所は大きく印をつけて読み落とさないように。

・集中力を切らさないのが一番大事!!

 

リスニング

・一回しか流れない問題もあるので、1単語目から正確に聞く訓練をする。

・直前期には毎日1セット演習をして慣らす。

 

世界史

 

・重要な出来事の年号を正確に覚えて、他の出来事はそれに関連づけて何世紀の出来事かを覚える。

・一問一答をやり込んで、特定の単語の説明ができるようにする。

 

日本史

・2次試験にはあまり出ない文化史、現代史をしっかりやっておくとよい。政党の変遷までちゃんと暗記する。

・教科書で因果関係まで含めて理解しておく。

 

地理

・資料集のグラフや地図を隅々まで覚えておく。

 

倫理

・人物と重要な単語をセットで覚えて、そらで書き出せるようにしておく。

 

政治・経済

・過去問に出てきた知らない用語はノートにまとめておく。

・時事ニュースにも触れておくとよい。

 

物理

・2次試験にはあまり出ない知識や手法が出ることもあるので、共通テスト用の問題集などを解いておくとよい。

 

化学

・教科書を読んで細かい知識まで押さえる。

・よく使う計算式は瞬時に値まで出せるようにしておく。

 

生物

・2次試験には出題されにくい進化と系統はしっかり復習する。

・問題文の読み落としがないように特に注意する。

 

理科基礎

・暗記量がそこまで多くない分、頻出分野はしっかり暗記し演習を積む。

・まとめノートなどを利用して自分の間違えやすい箇所をまとめておく。

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