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2023年11月20日

国大法改正案に反発の声 東大にも合議体設置を義務化の方向

 17日、国立大学法人法の改正案が衆議院文部科学委員会で採決され、賛成多数で可決された。事業規模が大きい国立大学法人に対し、中期的な経営方針の決議を行う運営方針会議(合議体)の設置を義務付けるのが柱。ただ、合議体の委員任命に文部科学大臣の承認が必要とされていることから、大学運営への国の干渉が強まり、学問の自由が脅かされるとの懸念が広がっている。承認に際し大学の自治を尊重することを求めるなど、13項目からなる付帯決議も盛り込まれた。

 

 合議体は中期的な運営方針の決定に加え、学長選考に意見を述べる権限も持つ。当初、国際卓越研究大学に認定された東北大学にのみ設置が義務付けられていたが、改正案では対象を政令で指定される「特定国立大学法人」にまで拡大。東大も対象となる見込みだ。改正案には、大学債の発行要件の緩和や、大学が所有する土地などの貸付手続きの簡素化も含まれる。

 

 15日の文部科学委員会では、文部科学大臣による承認を巡り、野党が日本学術会議任命拒否問題を踏まえた恣意的な運用の危険があると追及。盛山正仁文部科学大臣や池田貴城高等教育局長は「あくまで形式的なもの」と強調した。

 

 法案には、隠岐さや香教授(東大大学院教育学研究科)らが呼びかけた「『稼げる大学』法の廃止を求める大学横断ネットワーク」が抗議を展開。京都大学職員組合も懸念を表明している。法案は衆議院本会議での審議を経て参議院での審議に入る。

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