受験

2026年1月13日

東大新聞記者による共通テスト座談会【後編】

 

 落ち着いて2次試験に臨むためには軽視できない。そんな共通テストに、東大合格者はどのように挑んだのか。この座談会では、各教科の対策、前日・当日の動きを主なテーマに東大新聞の記者3人が自らの体験を語った。3人のエピソードを心の支えに、共通テストに臨んでいただけたら幸いだ。

(構成・宮下葵羽)

 

【前編はこちら】

https://www.todaishimbun.org/kyotezadannkaizennpenn_20260113/

 

参加者

【茗】……理Ⅰ・1年。共通テストは比較的得意だった。


【直】……文Ⅰ・1年。文転を経験した。


【加】……文Ⅲ・1年。共通テストに強い苦手意識があった。

 

共通テスト英語は何を求めているのだろう

──共通テストと2次試験とを比べてどう思いますか



【加】東大生は共通テストのリーディングで高得点を取る印象がありますが、リーディングではやはり時間がネックなんでしょうか?

 

【茗】僕はその印象です。

 

【直】その点では、共通テストのリーディングと2次試験の読解問題はかなり近いと思います。短時間で長文を読んで理解する力は、共通して必要だなと思いますね。

 

【茗】確かに東大は2次試験でも時間に追われますからね。違いといえば、2次試験のほうが要約や英作文といったアウトプットを必要とするところでしょうか。

 

【加】共通テストでは第1問のパンフレットを読んで解答する問題のように、英語力以外の能力が求められるような気もします。これに戸惑って少し時間を取られました。

 

──共通テスト特有の工夫はありましたか

 

【茗】軽く流し読みをして、消去法で解答した気がします。

 

【直】確かに第1問などは、細かく読むと時間が足りなくなってしまいますね。要所だけ読むのは大事かもしれません。共通テストのための勉強は、2次試験のための勉強とも被っていましたよね。あとは過去問を解くくらいでしょうか。

 

【茗】そうですね。過去問を数年分解いて時間感覚を確認する程度でした。

 

【加】特別な訓練はせず、2次試験で出題された文章などを読んでいけば、自然に共通テストの勉強にもなるかなと思っていました。

 

【直】リスニングも同様で、共通テストのためだけの対策は特にしなかったですよね。

 

【茗】【加】そうですね。

 

【加】強いて言えば、1回しか読まれない設問があるのが共通テストの特徴でしょうか。ちょっと怖かったので、それを想定した練習はしました。

 

【直】リスニングは一朝一夕では伸びないので、12月から対策するのではなくて、もっと前からやらなければいけませんよね。

 

【茗】その通りだと思います。私は英語があまり好きではなく、それほど勉強に力を入れていなかったので、一貫してリスニングが苦手なままでした。

 

──リスニングで気を付けるべきことは

 

【加】分からない問題があっても、すぐ次の問題に移ることは大事だなと思います。終わった問題についてずっと悩むのは良くないですよね。

 

【茗】それは意味がないですからね。

 

【直】ICプレーヤーやイヤホンについては何かありますか?

 

【茗】音量をどれくらいにするかは悩みました。

 

【直】私は大きめで聞きましたね。

 

【加】音量の調節について事前に決めておくのは本番で緊張しないために大事なことかなと思いました。

 

本番に向けて 当日をどう過ごすか

 

昨年度、試験開始を待つ受験生たち=25年1月18日、本郷
キャンパス法文一号館で(撮影・平井蒼冴)
昨年度、試験開始を待つ受験生たち=25年1月18日、本郷キャンパス法文一号館で(撮影・平井蒼冴)

 

──会場の下見はしましたか

 

【直】私は前日に下見をしました。家から試験会場までの実際のルートを忠実に再現して行動しました。最寄り駅の何番出口から出るのか、コンビニはどこにあるかなどを肌感覚として把握できます。また、帰るついでに主要駅までの徒歩時間を計りました。これで、万一電車が止まっても、何分あれば主要駅から到着できるかが分かり安心でした。

 

【茗】僕は土地勘があったので下見はしませんでした。しかし安心感を持つことが大事なので下見をした方が良いと思います。

 

──当日の緊張は

 

【加】本番の試験なので確かに緊張しました。ただ、もう受験するしかないのだと腹をくくって気持ちを鎮めていました。

 

【直】私も緊張しました。やはり本物の試験は模試と全然違いましたね。試験シーズンがいよいよ始まったのだなという高揚感もありました。

 

【茗】僕は試験そのものには緊張しませんでした。それよりも、早寝や体調管理に気を遣った記憶があります。試験は始まれば何とかなるだろうという感覚でした。



──食事はどうしましたか

 

【加】親がお弁当を作ってくれました。

 

【茗】僕は途中のコンビニでおにぎりを買いました。

 

【直】私も朝にコンビニに寄って、昼ご飯のほかにコーヒーやエナジードリンクを買いました。あと、疲れた頭に良さそうだと思って、ラムネ味のゼリー飲料を買った記憶があります。

 

【加】夕食は、僕は家で食べたので、特別な食事をした記憶はありません。むしろいつもと変わったことをすると良くない気がしたので、日常の延長として食事を済ませました。

 

──休み時間は

 

【加】当日は休み時間になったら、念のためすぐにトイレに行っていました。時間が経つとすぐに混むので、並んでいる間に単語帳で勉強している人もいましたね。

 

【直】私も混む前になるべく早く行くようにしていました。社会2科目の試験時間が130分(第1・第2解答科目の各60分とその間の10分)なのは知っていましたが、間の10分間は小休憩になるものだと思っていました。その時の試験官のアナウンスで初めて教室から出てはいけないと知り、急にそわそわしてトイレに行きたくなったのを覚えています。

 

【加】また休憩中、直前の科目の問題について話す友達もいましたが、聞かないようにしていました。余計な情報を頭に入れたくなかったです。

 

【茗】僕は休み時間になると、会場の大学を散歩して過ごしました。

 

【直】私は次の試験の勉強をしていました。単語帳や以前間違えた問題を確認したりしていました。ただ結果的には、そこで勉強したところは試験には出ませんでしたね。

 

【茗】試験に出るかどうかは別として、直前の勉強には精神を安定させる役割もあると思います。僕もやはり英語の直前には単語帳を見返していました。

 

【加】自分が今まで勉強してきた記録と向き合うことで「自分は大丈夫だ」という気持ちになれますね。

 

【茗】休み時間は、手持ち無沙汰で不安になるなら勉強すればいいし、散歩したり友達と話したりする方が落ち着くなら、迷惑にならない範囲でそうすればいいと思います。

 

【加】が試験直前に見直した単語帳
【加】が試験直前に見直した単語帳

 

──1日目に自己採点はしましたか

 

【茗】僕はしました。しない方がよいとは聞いていましたが、つい知りたくなってしまって。第1段階選抜は大丈夫だろうと思いながら自己採点しました。

 

【加】僕もしました。点数が思ったほど取れていなかったらどうしようという不安を打ち消すためでもあったと思います。

 

【直】私はしませんでした。やったところで点数が変わるわけでもないですし、2日目の動き方が変わるとも思わなかったからです。早く夕ご飯を食べてベッドに入り、頭を休ませたかったです。

 

──もし受験生時代の自分に声をかけるなら

 

【加】僕は冬になってから点数が伸びました。自分を信じて諦めずに頑張ってほしいです。

 

【茗】気楽に受ければいいと思いますよ。

 

【直】東大を受験する場合、共通テストの点数はかなり圧縮されるので、合否全体への影響は大きくありません。共通テストのほうは、たとえ点数が悪くても、第1段階選抜さえ切り抜ければ2次試験で挽回できますよ。

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