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2026年1月24日

ラクロス部男子 入れ替え戦に敗れ無念の2部降格 創部以来初 

 東大ラクロス部男子(関東学生ラクロスリーグ1部)は、およそ3カ月に渡るブロック戦を1勝4敗で終え、1部最下位となった。そして、昨年11月24日、運命の1部・2部入れ替え戦を迎えた。1987年の創部以来、関東学生1部リーグで戦い抜いてきたラクロス部男子BLUE BULLETS。その実力を示して1部残留をつかみ取りたいところ。しかし、2部Aブロック首位と勢いに乗る成蹊大学と熱戦の末2─3で敗戦。攻守ともに好プレーが随所に見られ、最後まで行方の分からない試合だったが、無情にも「2部リーグ降格」となってしまった。(取材、撮影・吉野祥生)

 

東大|0110|2
成蹊|1101|3

 

 会場となる大井ホッケー競技場には大勢の観客が詰めかけた。約2600人収容のスタンドを埋め尽くす観客。スタンドに入る前から、外まで応援歌が聞こえてくる。サッカーJリーグの試合かと思うほど、熱気あふれるその光景に記者は驚いた。

 

 東大も成蹊大学も譲れない1部・2部入れ替え戦。来季の所属リーグがこの試合に勝てば1部、負ければ2部となる大一番だ。東大は1部リーグでのリーグ戦1勝4敗で入れ替え戦に臨む。リーグ戦において東大は、1点差での敗戦が2試合、2点差での敗戦が2試合と、強豪にも食らいつく戦いを見せ、5試合で得失点差は−4点。その実力は1部に相応だと言って良いだろう。一方の成蹊大学は、2部リーグでのリーグ戦5勝0敗で、なおかつ全試合で4点差以上の勝利、5試合で得失点差+36点という成績。2部リーグの他大学を寄せ付けない強さを誇った。そのような意味でも今回の試合は、その試合展開に注目が集まった。

 

 午後6時に試合開始。闇夜に照らし出されるピッチでボールが動き始めた。しかし、落ち着く間もなく先制したのは成蹊大学。試合開始間際のことで、東大応援席は呆気にとられたような静寂に包まれる。しかし、これから、まだ1点。1クォーター(Q)の後半にもなると、東大も持ち味を発揮し相手陣内へ押し込んでいく。しかし、1Qはあと少しのところで阻まれる場面が多く得点にはつながらず。早く追い付きたい気持ちもあるが、まだ4分の1。焦らず攻めていきたいところだ。

 

 2Qが始まっても東大ペース。パスでゴール付近へ切り込んでいく。最後に決めたのは、#75宮本龍征(農・4年)。良い位置からのシュートがゴールへと吸い込まれた。これで同点。待望のゴールに東大応援席が沸く。

 

2Q、同点ゴールを決める宮本

 

 

 そのまま東大ペースになるかと思われたが、相手は2部首位、そう甘くはない。一転して、東大は自陣に押し込まれる展開となり、相手の攻撃に耐える時間が続く。再三シュートを打たれるが、ゴーリー(キーパー)・#3栗原敬之(経・4年)の好セーブで得点を許さない。東大守備陣も高い集中力で守り、相手が良い位置へ入ってくるのを阻止する。なんとか切り抜けて欲しいとの願いもあったが、2Qも残り2分となった頃、成蹊大学にゴールを許し、再び1点ビハインドに。そのまま、2Qは終了し1─2でハーフタイムへ入る。

 

 ハーフタイムには東大応援部によるパフォーマンスがピッチ上で行われ、吹奏楽団の演奏とともにチャンスパターンで会場を盛り上げる。東京大学の歌(応援歌)「ただ一つ」も演奏され、勝ってもう一度「ただ一つ」を合唱したいと思ったのは記者だけではなかったはずだ。

 

 後半が始まった3Q。応援を力にして、東大は再び攻め込んでいく。すると、先ほどゴールを決めた宮本が今度は遠い位置からシュート。これが相手守備陣の間を破り、ゴールへと入った。宮本のゴールで東大は同点に追い付いた。そのまま東大は流れに乗り、再び敵陣へと攻め込む。しかし、成蹊大学の守りも堅く、得点には結び付かない。3Q後半はまたしても押し込まれる展開となるも、東大はなんとかゴールを守り抜き2−2の同点で3Qが終了。

 

 

3Q、同点ゴールを決めた宮本に駆け寄る選手たち

 

 

 運命の4Q。1点勝負の様相に試合開始当初からの緊張感が一層高まる。4Qは3Q終盤から引き続いて成蹊大学に押し込まれる展開となり、東大は必死で守る。しかし、勝ち越しの3点目を取ったのは成蹊大学だった。

 

 

4Q、成蹊大学に決勝点を奪われる

 

 

 この時点で残りは約9分。東大もタイムアウトを使いながら落ち着いて攻撃し、敵陣へと攻め込む。ひとたび相手にボールを奪われても、すぐに取り返して時間を使わせない。東大もシュートを放ち、惜しいシーンが続く。この時間にも時計が進む。残り時間表示が消え、いつ試合が終わってもおかしくない場面となると、東大はタイムアウトを取り最後の攻撃に備える。スタンドからの応援も背に、1点を取りに相手に立ち向かう。再び東大は攻め込むと、シュートでゴールをうかがう。しかし、惜しくも枠を捉えきれず、最後は成蹊大学にボールを奪われ万事休す。そのまま試合が終了し、東大の2部降格が決まった。

 

スコアボード

 

 試合後、ピッチに座り込む東大の選手たちと歓喜に沸く成蹊大学の選手たちの光景は、東大側から見れば、勝負の世界とはいえ残酷だった。

 

歓喜に沸く成蹊大学のメンバー

 

 東大サイドからは音が消え、相手の歓声だけが聞こえる。それでも両チームが観客席前に整列し、あいさつを行う。成蹊大学の選手からは喜びの言葉が聞かれた一方、東大の主将・山田泰成(経・4年)は、言葉を詰まらせながら絞り出すようにして語った。

 

観客に向かって話す主将・山田

 

 

 ラクロス部男子が初めて経験した2部降格という試練。4年生はこれで引退となるが、3年生以下の新チームで来年度1部へ返り咲くことを期待したい。

 

主将・山田泰成選手のコメント

 

 入れ替え戦から1カ月以上経過した現在でもなお、敗因に対する教訓となるような明快な答えは思いついていません。あの最後の笛が吹かれた瞬間、どういう感情であったかも言葉にしきれません。ただそこには無力感のようなものがありました。

 

 成蹊大学戦は自分と仲間に対する確固たる自信を胸に臨んだ試合でした。観客席は保護者やOBOGの方々、友人たちや他大学のラクロッサーで埋め尽くされ、あのような熱気のこもった舞台でプレーすることができたのはこの上なく貴重な経験です。この1年間は「日本一」という目標を掲げ、勝負にこだわり続け、結果を追い求め続けてきました。創部以来初の2部降格という事実は到底飲み込めるものではなく、自分と同じように日本一に憧れて入ってきてくれた後輩たちには申し訳ない気持ちがあります。それでも自分はこの組織に入り、先頭に立ってきたことでかけがえのない仲間と色々な感情に出会うことができました。3年前の自分の選択に全く後悔はありません。

 

 この先、今までBLUE BULLETSは正解のない道を突き進んでいくことになります。これまでの伝統や常識に縛られることなく、自分たちが必要だと思う選択肢を取り続けてほしいと思います。これからはいちOBとして全力で応援してまいります。また、この部活が活動できていることは決して当たり前のことではなく、沢山の方々からの助けがあってこそ成り立っている組織です。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

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