部活・サークル

2021年12月30日

東大運動部の選ぶ今年の漢字&ベストショット〜弓術部女子・航空部・スケート部アイスホッケー部門〜

 

 新型コロナウイルスが昨年に引き続き猛威を振るった2021年。感染拡大防止のため、一部の大会が中止になったり練習が制限されたりとさまざまな制約があったが、その中でも輝く東大運動部の姿が見られた。今回の企画では七つの運動部に今年1年を振り返ってもらうとともに「今年の漢字」と「ベストショット」を選んでもらった。「没・輝」「楽」「土」「一」「昇」「挑」「遂」、部員の笑顔がまぶしいワンショット。それぞれの部の個性あふれる今年の漢字とベストショットを通して東大運動部の2021年が見えてきた。(構成・安部道裕)

 

弓術部女子責任者・関さんは「一」

 

 今夏の全日本選手権では男女共に決勝トーナメント進出。さらに七大戦代替大会では男子準優勝、女子は優勝と未経験者も多い中躍進を見せた弓術部。 

 

 女子責任者の関はるなさん(法・4年)の選んだ今年の漢字は「一」。これには二つの意味が込められている。一つは、苦しい状況でも一本でも多く矢を当てることを意味するチームスローガン「一中を削り出す」を胸に、今まで弱みを見せてきた接戦を今年は勝ち切れるようになってきたこと。もう一つは去年なかなかできなかった全体練習を、今年は「一丸」となって行うことができたことだ。依然としてコロナ禍は続いており、試合もまだオンライン形式で行っている。それでも「チームに一体感が生まれてきました」と関さんは振り返る。 

 

 躍進を果たした弓術部だったが一つだけ心残りがあるという。最大の目標としていた東京都地区リーグ戦でのII部昇格を男女共にあと一歩で逃したことだ。「下級生にも戦力がそろっているので来年こそII部昇格を果たしてほしいです」。先輩の忘れ物を来年は後輩たちが取りに行く。

 

七大戦代替大会で優勝を飾った女子部(写真は弓術部提供)

 

航空部主将・山田さんは「昇」

 

 コロナ禍で大会や合宿の規模が制限される中、10月に行われた新人戦に2年生2人が出場。個人優勝と団体準優勝という新人戦において例年にない好成績を記録した。主将の山田倫太郎さん(工・3年)は、他の上級生と共に日頃から積極的にアドバイスをしたことが「普段の訓練が順位に直結する」新人戦での結果につながった、と喜びをにじませる。「それまでの大会ではコロナの影響もあり満足に結果を残せていなかったので安心しました」

 

 山田さんが選んだ漢字は「昇」。上昇気流をつかみ飛行するグライダーのように、コロナ禍の制限を乗り越え、良い成績を残し「上昇」できた1年だったと振り返る。大会以外では、大学航空部を扱った来年公開の映画『ブルーサーマル』の撮影に協力。グライダーの知名度向上にも貢献した。

 

 ベストショットは新人戦後に盾を持って撮った、部員の笑顔あふれる1枚。「自分の事のようにうれしかったです」

 

 年内にもまだ大会が控えており(取材当時)、これからは「強豪としての東大を目指したい」とさらなる上昇に向け、前を見つめる。

 

新人戦で例年にない好成績を叩き出した(写真は航空部提供)

 

スケート部アイスホッケー部門・松井さんは「遂」

 

 スケート部アイスホッケー部門で主力を担っている松井大弥さん(育・3年)。今年は夏に行われた秩父宮杯(Bグループ)で5勝0敗という成績で優勝。秋の関東大学アイスホッケーリーグ戦では6チーム中5位に終わったが、先日仙台で開催された七大戦では全勝優勝を果たした。

 

 松井さんの選んだ漢字は「遂」。コロナ禍で去年は大会に参加できず。依然としてパンデミックが続いている状態だが、部の活動を今年こそはやり抜くことができた。そのことへの安堵(あんど)の気持ちがこの漢字を選んだ理由だ。

 

 「秩父宮杯で優勝したことで、他大学からの見る目も変わりますし、自分たちが追われる立場になったということをチーム全体で自覚する必要がまずあると思います」。そしてこう続けた。「さらに、秋のリーグ戦では、優勝を確実にする上での大きな山場だった上智戦で惜しくも負けてしまったので、重要な試合で勝つためには何が必要かということもチーム全体で考えなければいけないなと思います」。今年を振り返りつつ、その目はもう来年を見据えている。

 

5勝0敗と他を寄せ付けず全勝で優勝した秩父宮杯(写真は松井さん提供)

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