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2022年11月13日

2022年秋の紫綬褒章 東大の岡部教授・浦野教授・小原教授が受章

 内閣府は11月3日付で2022年度秋の褒章を発令し、東大からは岡部繁男教授(東大大学院医学系研究科)と浦野泰照教授(東大大学院薬学系研究科)、小原一成教授(東大地震研究所)が紫綬褒章を受章した。岡部教授は神経細胞の「かたち」と「はたらき」に着目し、脳の機能の秘密に迫る神経細胞生物学が専門。浦野教授は、化学を基盤として生命現象を理解する「ケミカルバイオロジー」の発展に、小原教授は「スロー地震」と呼ばれる地震形態の性質の解明に貢献してきた。3人は研究功績を賞された。

 

 岡部教授は、シナプス(神経細胞間の情報伝達が行われる構造)について研究。新たな観察方法を開発しながら、シナプスの形成・除去の過程などを解明してきた。医学界で顕著な業績を挙げた研究者を表彰する武田医学賞も本年度に受賞している。

 

 浦野教授は、化学の知識を利用して生物の理解を深めるケミカルバイオロジー研究を発展させた。特に、がん細胞に反応して高感度に発光する蛍光物質を開発・応用し「術中迅速がんイメージング」という医療分野の開拓に貢献した。外科手術時の以前より確実ながん細胞の視認が期待されるなど、臨床医療に貢献してきた。国際的にも分野をリードする研究者として認められている。

 

 小原教授は、通常の地震動と異なり、プレート境界がゆっくりとずれ、揺れをほとんど生じさせないスロー地震を新たに複数発見・解明。スロー地震学という新分野をリードした。小原教授の研究は、東北地方太平洋沖地震とスロー地震の関連性に光を当てるとともに、今後予想される南海トラフ巨大地震の最大規模の再評価にも用いられている。

 

 紫綬褒章は科学技術分野で発明・発見をしたり、学術やスポーツ、芸術文化分野で優れた業績を挙げたりした人物に授与される。今回は、9人が受章した。

 

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