キャンパスライフ

2021年4月11日

【比較進振学】政治学を勉強したい!どこに進学するべき? 法学部第3類と国関を徹底比較

 複数の学部・学科などで似た領域の学問を扱っている場合、自分に合った進学先はどこか分からないという悩みを持つ学生も多いのではないだろうか。そのような悩みを解決するため、本企画では同種の学問を扱う進学先を徹底比較する。今回は政治・国際関係を扱う二つの進学先を特集。法学部第3類のAさん、教養学部教養学科総合社会科学分科国際関係論コース(国関)のBさんに話を聞いた。

(取材・森永志歩)

 

 

両者の違いは

 

――自身の進学先での勉強について教えてください

 

 国関では国際政治だけでなく、国際法や国際経済など国際関係論に関わることを幅広く学べます。評価形式は試験よりもレポートが多いですね。

 

 国関に比べて国際政治系の授業は少ないですが、比較政治や政治史系の授業が充実しています。評価方法はほとんどが試験で、卒論代わりのリサーチペイパーの執筆も必須です。リサーチペイパーとは1万2000字程度の小論文で、ゼミの教員の指導の下、1セメスターかけて書きます。どの期間に書いてもいいので、就活後の4Aセメスターに書く人もいます。

 

 あと必修の国際経済は講義・試験・レポート全て英語ですし、その他も課題論文はほぼ英語なので、最低限英語の読み書きはできないと困りますね。

 

 英語の授業はほぼないですが、ゼミでは英語論文を読むことが多いので、読解はできた方がいいと思います。

 

――特に忙しい期間はありますか

 

 2Aセメスターには初めて法学部の試験があるので、緊張感が高いです。2Aセメスターの必修を落とすと「駒バック」(3S・3Aセメスターで、本郷キャンパスで法学部の授業を受けながら必修再履修のために駒場Ⅰキャンパスに通うこと)が発生するので、2Aセメスターは特に勉強に追われますね。

 

 2Aセメスターと3Aセメスターですね。2Aセメスターは、求められる量と質が前期教養課程と違い過ぎて圧倒されました。3Aセメスターは就活と国際経済の勉強との両立が難しく、大変でした。

 

――ずばり、単位は取りやすいですか

 

 ほとんどの授業は単位・点数共に取りにくいです……。

 

 毎週の課題や授業準備にかかる負担は大きいですが、逆にそこをちゃんとしていれば単位はほぼ来るので、個人的には単位は取りやすいと思います。

 

周囲への相談と早いうちからの準備を

 

――進学してみて、進学前に抱いていたイメージと違いはありましたか

 

 国関はコースで取るよう指定される科目が多く、履修の自由度には制約があると聞いていました。実際に入ってみても、その通りだという印象でした。

 

 法学部の政治コースなので、やはり法学系の授業を多く取る必要があるのかなと思っていました。しかし実際に進学してみると、政治系の授業ばかり取ることもできるし、政治系の授業は最小限にして法学系の授業を多く取ることも可能で、履修の自由度がとても高いと感じました。また法学部というと大教室での授業というイメージがありましたが、第3類は他類と比べて人数が少ないので、想像よりも小規模な授業が多かったですね。

 

――進学選択前はどのような不安を抱いていましたか

 

 進学に高得点が必要なコースなので、やはり自分の基本平均点が気になりましたね。またどんな猛者たちが集まってくるのかということや、進学できたとしても授業に付いていけるのかということも不安でした。

 

 法学部は2Sセメスターから専門科目が始まるのですが、僕は基本平均点を上げるために前期教養課程の授業に注力してしまい、専門科目の勉強に集中できませんでした。そのため法学部第3類に進学できても、試験の際に2Sセメスターの専門科目の単位が取れるか不安でした。しかし結果的には、進学が確定してから頑張っても遅くはないと思います。

 

――進学先の勉強に付いていくために、前期教養課程でやっておくと良いことはありますか

 

 基礎科目の社会科学の授業をちゃんと勉強することですね。前期教養課程で学ぶ基礎は後期課程での内容を先取りしていることもあるので、真面目にやってほしいと思います。

 

 全く同感です。僕も前期教養課程で経済理論の授業を取って勉強をしていれば、3Aセメスターの国際経済で苦労しなかっただろうに、と後悔しています。また教養学部所属の教員は前期教養課程の学生向けの授業を担当していることが多いです。自分が行きたいコースに所属している教員の授業を受けてみると、進学後のイメージが湧きやすいと思います。

 

――自身の進学先のオススメ授業を教えてください

 

 2Aセメスターで受講した藤原帰一先生の「国際政治」です。先生の話術が巧みで聞いているだけで楽しかったですし、情報量や密度も非常に高かったです。

 

 3Aセメスターで受講した西村弓先生の「空間秩序と国際法」です。実務における国際法の使われ方を学ぶことができ、国際法と自分たちの実生活との結び付きを感じられたところが面白かったです。

 

Aさん(法学部第3類)の2Sセメスター・2Aセメスターの時間割
Bさん(国関)の2Sセメスター・2Aセメスターの時間割

 

――進学選択を控える学生にメッセージをお願いします

 

 進学選択のために、情報収集は早めにしておきましょう。進学選択で高い基本平均点が必要な人は特に、早いうちから準備しましょう。

 

 どの進学先に進むか迷ったときは、先輩や先生方に積極的に相談してみましょう。きっと親身になって応じてくれるはずです。

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る