イベント

2018年3月2日

東大CHOCO=CROW、最後のUNIDOLで決勝戦出場 ラストステージで見せた「攻めの姿勢」

 東大の女子学生によって構成されたアイドルコピーダンスユニット「東大CHOCO=CROW(愛称:チョコクロ)」が2月14日、女子大生アイドル日本一を決定する大会UNIDOL2017-18 Valentine 決勝戦に出場した。最後のUNIDOL出場と宣言して挑んだ本大会。入賞はならなかったが、メンバー8人による全力のパフォーマンスで会場を盛り上げた。学業と両立させながら活動を続けてきた東大CHOCO=CROWメンバーとプロデューサーに、UNIDOLラストステージに込めた思いを取材した。

(取材・撮影 石沢成美、竹内暉英、伊得友翔)

関連記事:アイドルコピーダンスユニット「東大CHOCO=CROW」が関東予選を突破

 

 東大CHOCO=CROWはリーダー榊原華帆さん(工・3年)を中心に17年8月に結成。初出場した新人大会UNIDOL2017 Fresh Northでは3位、17年12月に行われたUNIDOL2017-18 Winter 関東予選3日目では2位の成績を残した。

 

 14日に新木場STUDIO COASTで開催された決勝戦では『アイドルレース』(夢みるアドレセンス)、『女が目立ってなぜイケナイ』(モーニング娘。)、『君のことが好きだから』(AKB48)、『恋は走り出した』(Dorothy Little Happy)を披露。クールな曲、かわいらしい恋の曲、会場全体が盛り上がるライブ定番曲と、曲ごとにさまざまな表情を見せて観客を飽きさせず、全力のパフォーマンスを見せた。

 

 

 

 ダンスサークルを基に作られたユニットもある中、部活などでダンスを経験したメンバーが2人しかいない東大CHOCO=CROWは、ここまでどのようにパフォーマンスを仕上げてきたのか。

 

 関東予選ではダンスのミスが多く「終わったあとみんなしょんぼりしていた」(榊原さん)という反省を生かし、今回は予選に比べ練習量を倍近くにまで増やしたという。しかし決勝戦前はちょうど東大の試験期間。バイトやサークルを掛け持ちする人がほとんどで「時間がなくて徹夜したときもあった」(飯村理沙さん、理Ⅱ・2年)、「学部に進学したばかりで慣れないことも多く、体調を崩してしまった」(福住奈央子さん、理Ⅱ・2年)というメンバーも。多忙の中、試験が2月5日ごろまで続いたというダンスリーダーの佐野来実さん(文Ⅰ・2年)が練習の計画を詳細に立て、1月中に全ての曲の振りを固めるなど工夫してダンスを完成させたという。

 

 一方で「試験中は大好きなメンバーのみんなに会うことが息抜きにもなった」(福住さん)「練習は本当に楽しくて仕方がなかった」(鹿野里帆さん、理Ⅱ・2年)「みんなとおしゃべりしたり、笑顔を見たりすることで乗り切れた」(佐野さん)という声も聞かれた。本番前に円陣を組んだ際には「活動への思いやステージでの意気込みを語り合うと、メンバーのほとんどがステージ前に泣き始めた」(榊原さん)とのこと。メンバーの仲の良さ、そして楽しそうに活動していることが、東大CHOCO=CROWの魅力だろう。

 

「チョコクロらしい」ステージを演出

 

 プロデューサーとして東大CHOCO=CROWのサポート役に当たってきたのが、UNIDOL実行委員でもある渡邉大輝さん(文Ⅱ・2年)だ。もともとアイドル界全体に興味を持っており、駒場祭で「東大娘。(アイドルコピーダンスサークル)」のステージを見た際に「こんなに『エモい』ステージがあるのだと心の底から感動した」のがプロデューサーとなったきっかけだ。

 

 チームの強みはそれぞれの個性にある、と考える渡邉さんはメンバーにあまり口を出さないよう心掛けてきたという。「UNIDOLの面白いところはメンバー自身が団結して当日に向かってステージを作り上げそれが評価されるという部分にあると思っていたし、彼女たちならそれができると思っていました」。メンバーが自ら演出のアイデアを出し、プロデューサーがそれをサポートして大会での勝ち方を考えていく。互いの信頼の下で活動を続けてきた。

 

 

 決勝戦の曲はメンバーと渡邉さんが話し合い、東大生であることを生かしたメッセージ性の強い曲と盛り上がる鉄板曲を組み合わせた構成で挑んだ。1、2曲目の『アイドルレース』『女が目立ってなぜイケナイ』では「東大が持つ無双感や、豪華な装飾・照明のもとステージ上で華美に踊る姿を表現しました」(渡辺さん)。『アイドルレース』の歌詞「強気なスタンスは崩しません 攻めていかなきゃみんなとやりあえない」に象徴される通り、攻めの姿勢を観客に印象付けた。

 

 3、4曲目は会場と一体となって盛り上がれる曲を選んだという。『君のことが好きだから』のイントロで円陣を組んだり、『恋は走り出した』ではメンバーのかわいさを引き立たせる構成にしたりと工夫を施した。リーダーの榊原さんは「チョコクロらしさという点では99点くらいのステージだった」と満足感を示した。

 

 

 

 最後のUNIDOL出場となった今回のステージについて、全員が口をそろえて「楽しかった」と話すが、目標にしていた入賞を達成できず他のチームのレベルの高さを目の当たりにし悔しさを感じたというメンバーも少なくない。今後はメンバーのほとんどが所属する「東大娘。」での活動を中心とし、駒場祭などでの東大CHOCO=CROW単独公演も目指している。

 

 それぞれが受験勉強を経験した東大生であることから、東大受験を考える女子中高生に進路相談も含めて出張公演を行うことも検討しているという。女子率の低い東大生活を不安に思う女子中高生にとって、東大で好きなことに挑戦し輝く先輩の姿は一つのよいロールモデルとなるだろう。

 

 アイドルコピーダンスに取り組みながらそれぞれが勉強・研究に励んでいる東大CHOCO=CROW。まさにチョコレートのような甘さと烏のような賢さ・格好よさを兼ね備えているメンバーたちの今後の活動にも注目だ。

 

◇東大CHOCO=CROW 決勝戦出場メンバーのコメント

 

榊原華帆さん(リーダー、工・3年)

目標としていた入賞はかないませんでしたが、ステージはこれまでの大会の何百倍も楽しくて、笑顔で応援してくれている方の顔をステージの上の景色から目に焼き付けることができて、とても幸せでした。

 

佐野来実さん(ダンスリーダー、文Ⅰ・2年)

私はダンスにおいてメンバー全員が「悔いのないステージだった、チョコクロで本当に良かった」と思えるものにすることを目標としていました。決勝はやはりどのチームも完成度が高く驚きました。順位は付いてしまうけれど、チョコクロはチョコクロらしいステージを観客の方とつくることができたと思うし、それが本当に幸せでしたし、悔いはないです。

 

磯崎友絵さん(文Ⅲ・1年)

今まで東大チョコクロを応援してくださった全ての方に感謝を伝えられるようなものにしたいと思っていました。本番は本当に楽しく、あっという間でした。

 

中澤莉佳子さん(理Ⅰ・1年)

決勝戦からの参加だったので、最初で最後のUNIDOLのステージ、悔いがないように精一杯楽しもうと思いました。結果、後悔がないと言えば嘘になりますが、大好きなメンバーと一緒にステージに立った8分間は最高に気持ちよかったです。

 

福住奈央子さん(理Ⅱ・2年)

今までのメンバーみんなの努力、そして周りの皆さまの応援の力に支えられて今回決勝の舞台に立てるので、感謝の気持ちを伝えられるよう全力で踊り切ろう!と思っていました。実際のステージは思っていたより何倍も輝いていて、本当に楽しくて、夢のような8分間でした。

 

鹿野里帆さん(理Ⅱ・2年)

メンバーや関わってくださったすべての方への感謝を伝えたい、という一心でした。ほかのチームの強さや実力を実感し正直悔しい気持ちもありますが、自分の中では1番思い切って楽しめたステージだったなあと思います。かけがえのない経験をすることができました。

 

飯村理沙さん(理Ⅱ・2年)

テスト勉強の合間を縫って頑張って練習したので賞がいただけなかったのはとても悔しかったですが、自分の中ではやり切ったな、と思えたのでよかったです。

 

齊藤千晶さん(工・3年)

アイドルへの愛や東大女子ならではのメッセージをきちんと持ち、見てくださる方に届けられるステージにしたいという思いを持って参加しました。難しい点も多かったですが当日はとても楽しく、貴重な経験をさせていただけたことを非常にありがたく思っています。

タグから記事を検索


東京大学新聞社からのお知らせ


recruit

   
           
                             
TOPに戻る