LATEST NEWS 2019年12月3日

大澤昇平特任准教授の差別発言 情報学環が異例の声明

 大澤昇平特任准教授(情報学環)は11月20日、自身のツイッター上で「(大澤特任准教授の経営する)弊社Daisyでは中国人は採用しません」「中国人のパフォーマンス低いので営利企業じゃ使えないっすね」などと発言した。

 

 これを受け、情報学環・学際情報学府(以下、学環・学府)は24日、学環・学府長名義で「学環・学府特任准教授の不適切な書き込みに関する見解」と題した文書を発表。大澤特任准教授のツイートを「不適切」とした上「学環・学府構成員から、こうした書き込みがなされたことをたいへん遺憾に思い、またそれにより不快に感じられた皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

 

 学環・学府は26日にメーリングリストで所属する学生へのメッセージとして、学環・学府長自身が断固として差別と闘うことを表明。28日付で対応措置を検討するための事実認定を行う調査委員会を設置したことも発表した。

 

 学府所属の中国人留学生Aさんは「このように無責任に発言する人はいくらでもいると思う。東大の教員だから言うべきではないというより、差別的な考え方が社会に普通に存在していることが問題なのではないか」とコメントした。

 大澤特任准教授は12月1日、自身のツイッター上で「この度は当職による行き過ぎた言動が、皆様方にご迷惑、不快感を与えた点について、深く陳謝します」と謝罪。「一連のツイートの中で当職が言及した、特定国籍の人々の能力に関する当社の判断は、限られたデータにAIが適合し過ぎた結果である『過学習』によるもの」だとした。

 

【追記】2019年12月10日16時20分 この問題に対し、東大での中国語教育に携わる東京大学教養学部中国語部会が9日に声明を発表しました。声明では、1500人以上の中国語学習者や東大に2500人もの中国人学生、その他の中国人教職員がいることに触れ、本発言がこうした中国人学生や教職員の尊厳をないがしろにしているとして抗議すると同時に、中国語教育を通じて学生の中国の社会や文化、歴史に対する理解を深め、学生が中国人とより良い関係を築けるように取り組んでいくと述べられています。

【追記】2019年12月12日19時5分 東京大学教養学部中国語部会が発表した声明の全文を以下に掲載します。

情報学環・学際情報学府の特任教員による差別発言に関して

 先日来、情報学環・学際情報学府(以下学環・学府)の特任教員(以下当該教員)が中国人を露骨に差別するようなツイートを相次いで発信し、それが大きく報道され、学環・学府が下記の見解を表明しているのは周知の通りです。 http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2019112811043

 その後12月1日ツイッター上で当該教員が「謝罪」していますが、差別的な判断の理 由をAIの出した結果のせいだと述べるなど、きちんと謝罪しているようには受け取れません。また、「ウイグルやチベットそして香港の人に共感し」と述べるのも、自らの過ちをそれと無関係な政治問題に転嫁するきわめて不誠実な発言です。https://twitter.com/Ohsaworks

 私たちは東京大学で中国語教育に携わる組織として、当該教員の発言を断じて容認することはできません。東京大学には全学生・院生数の1 割弱にもなる約2500人の中国人が在籍しています。さらに多くの中国人が専任や特任、常勤や非常勤の教職員として働いています。当該教員の投稿は、こうした本学の同僚や学生たちの存在を無視するものであり、 また国籍・民族という属性で人を判断しているという点において、現代社会では絶対に許 されない差別発言です。当該教員が私的に経営する会社における方針を述べたものとされていますが、東京大学の教員が発言した以上、その責任の一端を東京大学が担うこととなってしまうのは自明です。

 教養学部では現在新入生の約4分の1が中国語を選択し、合計1500人以上の学習者がおり、その教育に私たちは責任を持っています。そこで私たちは、単に言語を習得するのではなく、その言語が使われる社会の文化や歴史などにも触れながら、中国人とよりよい付き合いを続けるすべを伝える立場にあります。そしてそもそもこの中国語教育は、1949年の新制東京大学設立時に、過去の中国侵略の反省に立ち、戦前は「支那語」として学問的対象とされなかった現代中国語を、選択必修の第二外国語に加えたことが始まりです。 相手の文化を理解しようとする謙虚さを忘れずに、敬意を持って中国・中国人と接することを当然のこととして教育を行ってきた中国語部会としては、当該教員の発言は決して認めることはできず、強く抗議します。私たちは今後も歴史を忘れることなく、人権を擁 護し平和に寄与すべく教育に取り組んでいく所存です。

2019年12 月9日東京大学教養学部中国語部会

 

世話人:瀬地山角ほか部会構成員一同


この記事は2019年12月3日号の記事に加筆修正したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を公開しています。

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