COLUMN 2015年3月11日

同性愛について語ろう!日本社会を見て留学生が考えたこと

この記事はKOMABA TIMESからの転載です。
(元記事はこちら→ Homosexuality: It’s time to talk about it )
「日本では、同性愛という概念自体の存在が否認されている。それに納得できません」あるレスビアンの東大生が語る。

法律上で同性婚を認めない日本社会は、同性愛に対する認識と意識に乏しいと言われている。この環境に暮らしている同性愛者である東大生は、自分の人生と将来についてどのような意見を持っているのだろう。

私たちは、同性愛について大衆の意識を高め、同性愛者の権利を守るために、どのような役割を果たすべきなのだろうか。

Rainbow_flag_breeze21.jpg「レインボーフラッグ」と呼ばれているLGBTの尊厳と社会運動を象徴する旗(Benson Kuaより)

LGBTとは、「レスビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」という四つの性的関心の範疇を表す頭字語である。前三者のL、GとBは異性愛から離れた性的関心を持っている方であり、後者のTは自分の生まれつきの性別に納得できない方を指している。この記事は、「L:レスビアン」と「G:ゲイ」という二つの同性愛の性的関心を軸に検討する。

「同性愛について関心を持たないことは、同性愛者にとって最大の問題となる。なぜかというと、その無関心が同性愛に対する数々の片手落ちの裁きをもたらしてしまうのだ。」とバイセクシュアルの学生の一人が主張する。

一言で言えば、我々の理解と共感が不可欠なのだ。

まず、LGBTの人間は身の回りに存在している、という意識が大事である。「隣人、友達、同僚、家族、誰でもLGBTかもしれません。それこそ理解しなければ、LGBTの人間は普通の人間としてに生きていけるはずがない」と、あるゲイの学生は語る。

さらに、同性愛というのは、問題でも笑いごとでもなく、単に異性愛と同じく性的関心の一類だと理解しなければならない。それに加え、同性愛者は好みで自分の性的関心を選んだわけではないのだ。

私たちは、一つの社会に共存している。私たちが、同性愛について関心を持ち、同性愛者の気持ちを理解しようとすることで、異性愛、同性愛を問わず暮らしやすく、心地良く生活できる環境が作れるのではないだろうか。非難されたり、汚名を着せられたりすることを怖がらずにカミングアウトできる環境は、同性愛者の生活の質を確保するものである。

一方で、同性愛者自身からの努力も必要だ。家族と親友をはじめ、同僚や隣人などの知り合いにカミングアウトすることも、大衆の意識を高める手段の一つとなる。「カミングアウトすることによって、同性愛に対する誤解と偏見の壁を壊すことができます」とある同性愛者の学生は述べている。

次に、同性愛者の法的権利を守らなければならないことを意識すべきだ。同性愛者は、異性愛者と同じように「愛」という感情に恵まれている。しかし、現実の社会で自らの「愛」を表現できず、法的にも保証されない同性愛者は、既婚者の特権はさて置き結婚と養子縁組さえできない。

「ゲイ」や「レスビアン」であることで、その人を変わった人間だと見なしてはいけない。こういった根本的な理解と共感が広まっていないため、同性愛者は法律にも社会にも認められていない。

さて、東大生は、身の回りの同性愛者を苦境から救うために、何かできるだろうか。教養学部の総合社会科学分科(セクシュアリティ論及びクィア・スタディーズ専攻)で助教を勤めている森山至貴先生はこう答える。「東大は、自信の持てるクィアの人間とその味方を養うことが大事。そうすれば、様々な分野にクィアフレンドリーの態度を広めていけるはずだ」

同性愛者の不平等な扱いに関わる問題について理解を得るために、友達や先生と同性愛について語る、「ゲイプライド」のイベントや会議に参加する、インターネットで調べるなど、それぞれの手段がある。

LGBTの学生の中には、「私は将来、結婚したい」と決めている人も多くいる。今後の社会の中心となる若年層に様々な性的関心の種類について理解してもらえば、LGBTの人間に希望を与えることができるのではないか。

このメッセージを逸早く伝えるために、教育がキーの手段だと思われている。「教壇に立っている教師は重大な役割を担っている。現在、生徒にLGBTの真実を教える教師はいるが、その数はこれから増やすべきだ」と森山先生が主張する。インタビューされた学生たちも、若者のLGBTに対する意識が高まったことに気付いたと言っている。

レスビアンである学生の一人は同感する。「同性愛の概念は、小学生と中学生に教えるべきだと思います。幼い頃から性的関心の多様性について学べば、将来、この件について不安と心地よくない気持ちが少なくなるはずです」

最後に、同性愛者である学生の見識を挙げる。「ジェンダーというのは、黒白をつけるよりも、スペクトルのように考えて良い。特定した境界線はありません。LGBTというラベルをなくし、いつか愛を自由に表すようになれる社会を願っています」

(文 アマエール・コニャック、訳 ディオン・ン)

この記事はKOMABA TIMESからの転載です。
元記事はこちら。Homosexuality: it’s time to talk about it

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