COLUMN 2014年5月20日

Dr.シェフのおだいどこ レシピ①春の彩り握り飯

みなさん、こんにちは。
「Dr.シェフのおだいどこ」としてレシピを中心に連載をさせてもらうことになりました、山崎です。今回が初回です。
せっかく東大新聞というメディアで書くのであれば、ということで「(勉強)バカでもできる料理」いや、「東大生ならではの料理」を考えるための一助になればと思っています。
具体的には、単なるレシピ紹介ではなくて(みんな大好き何とかパッド、僕も便利に使ってます)、皆さんの手持ちの食材と知識を活かすための「発想」、そしてその「実践例」としてのレシピ、と考えて欲しいのです。

そんなわけで、今日はさっそく技を2つ紹介しますね。

献立の技1「寿司飯の混ぜご飯をオムスビにする」
これはもう読んで字の如しです。
ご飯は炊きたてが旨いのは勿論ですが、握り飯というのも日本に根づいた食文化です。弁当にもピッタリのメニューですが、具を適量きれいに握りこむのは意外と難しい。だったら混ぜご飯にしちまえ!というわけですね。
外に具が見え隠れすれば彩りにもなり、「これ何のおにぎり?」ともならない(自分で作ってればその心配はないか…)。
ついでにもう一つ、少し油分や塩分が気になるモノを混ぜ込む時には酢飯にするのがおすすめ。さっぱりした後味がたまりません。調理の面でも、酢飯にすることで具材を後から混ぜるのが簡単になるので選択肢が広がりますし、炊きすぎたご飯も使えます。
初回から日常の実践に寄り過ぎな気もしますが…

造形の技1「ベースの色と差し色を意識する」
男は度胸、肉は重量。そう思っていた時代があったような無かったような。
聳え立つ肉、椀をはみ出す具、これらは神々しさすら放ちますが、徐々に直視できなくなってきたり回りの目線が気になってきたりします。…どうしたらいいんだ?
東大生諸君、得意分野から行きましょう(東大生でない読者の方も)。今回は「ベースの色、メインの色を決めて、差し色を1つ入れる」ことを意識します。どこかで聞いたことないですか。そうです、パワポです。
発表のためのスライドやポスター等のデザインについては、技術体系や小技の指南が巷にあふれています。ウェブサイトなどで勉強したことがある人も多いのではないでしょうか。そこで身につけた知識は、食卓の上でだって生きるはず。
そんなわけで、「食べたい食材」を1つ思いついたら、味わいだけでなく彩りから付け合せを考えてみるのも良いと思います。何にも思いつかない時、色がヒントで扉が開けるという経験が、意外と多い

最後に実践例として、レシピの紹介。
コンビーフが食いたい。脂っけが気になるのと、色みを豊かにしたいのと。酢飯握りはすぐ決まり!彩りの方は、ということで差し色としてコンビーフの「赤」が活きるようなメイン色として、「緑」を考えました。巻くものも緑にしてやろうか、肉の旨味と昆布の旨味は合わさればパラダイスなのではないか。冷蔵庫の中を(ピーって音が鳴るまでの)数秒眺めて思いついたのがこの一品。

<春の彩り握り飯>

【材料】
米飯 3合を炊いたもの(余ったぶんで作るので、他の材料の分量は米に合わせて増減)
コンビーフ 1/2〜1缶(好みに合わせて)
水菜 1束
とろろ昆布またはおぼろ昆布(なければ海苔) 適量
寿司酢(あれば市販品の寿司酢でOK)
*酢 90cc、砂糖 大さじ2、塩 小さじ1
塩、ごま油 好みで少々(控えめに)

【手順】
1. 寿司酢を作る。*の材料を全部ボウルで混ぜる。鍋で弱火にかけて早く溶かしてもよい。

2. 具を準備しておく。
(ア)  水菜は茎を5mmくらいに細かく切る。葉の部分は全部使わなくても良いが、小さくちぎって少量混ぜ込むと彩りが良い。
(イ)  コーンビーフはざっくり解しておく。

3.寿司飯を作る。炊きたてを使うなら少し固めに(水を少し減らして)準備する。(食事の時に多めに炊いておいて、食後にやや水気が抜けたのを使うのでもそんなに悪くない…)
(ア) 大きめのボウルに米飯をふんわり盛って、すし酢を用意した量の2/3程度まわしかける。
(イ) 15秒程度おいてから軽くしゃもじで混ぜる。米が潰れないように、掬い上げるように。味や水気が足りないようなら酢を適宜追加する。

4. 具を混ぜる。
(ア) 2を3に混ぜて、しゃもじで混ぜる。あまり強く混ぜないように。物足りなければ塩やごま油を加えても良いが、握る際に手酢がついたり昆布で巻いたりするので控えめに。
(イ) 水気を飛ばしつつ冷ますため、できるだけ広げて扇風機を当てたりうちわで仰ぐ。
(ウ) 作業中は乾き過ぎないように濡れ布巾をかけておいておくとよい。

5. 成形する。
(ア) 寿司飯が握れる程度に冷めたら、手に余った酢をつけるかサランラップを載せるかして、米をつかむ。自転車のハンドルを緩めに握るようなイメージ。手のひらで優しく転がし、多少棒状に伸びたら両側から挟み込んで軽く押さえてやるときれいな俵になる。
(イ)昆布または海苔を巻き付ける。とろろ昆布の場合には予めほぐしておいて少量ずつ巻く。

—-出来上がり!

 

20140519ヤマコーご飯 のコピー

いかがだったでしょうか。
読者の皆さんには釈迦に説法かと思いますが、知識は武器であり財産です。
棚に並べておくだけでなく、なるべくそれを立体的に配置して、柔軟に結び付けることが大事だと思います。手持ちの物を活かして何倍にもすることを表す「レバレッジ」なんて言い回しもありますが、お金や人脈だけじゃなく、料理だってそういう考え方ができるはず。文字通り「美味しい思い」をしてやりましょう。
うーん予備校の授業のようだ。それではまた次回。

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