COLUMN 2019年10月31日

【世界というキャンパスで】分部麻里(文・4年)③ 異国の同僚の気遣いに感動

【前回までのあらすじ】 

 インターンシップのために降り立ったカンボジアで待ち受けていたのは、現地のお正月に行われる水かけ祭り。祭りで異国の雰囲気を味わったあと、ようやくインターンシップ先での勤務が始まった。

 勤務先での私の主な仕事は、カンボジア地産のハーブを使ったスパの運営とその広報だ。カンボジアにはハーブが豊富に育っており、ハーブを使った伝統医療が根付いている。私が働くスパでは、伝統医療を取り入れて独自に開発されたマッサージのサービスを提供していた。

 

 

スパの入口。ここでお客さんを出迎え、案内するのが仕事だった

 

 渡航前に私に課されていた宿題は、そのメニューの全行程を覚えること。勤務初日にメニューに関するテストを受けることになっていた。慣れない環境の中で緊張しつつも無事テストに合格。その日に上司が一番人気のメニューを体験させてくれた。

 

 伝統医療の一つ、ハーブを使ったスチームサウナ「チュポン」。カンボジアでは体調の悪いときや産後には、このスチームサウナを浴びて体調を整える風習がある。スパの施設内にある個室サウナを体験させてもらうと、じんわりと体が温まり、ハーブの香りがリラックス効果を誘う。サウナを浴びた後、体がすっかり軽くなっていたことに驚いた。その後、マッサージや肌の角質を取るスクラブのトリートメントを体験させてもらった。

 

 そして施術中何よりも印象的だったのは、マッサージを行うセラピストたちのサービス意識の高さだった。セラピストのほとんどは農村出身で、初等教育しか受けていない人も多かった。働き始めてから施術に必要なマッサージの技術や日本語を覚え、プロのセラピストになるために訓練を積んでいた。部屋の温度や力加減の調整など、カンボジアに来て初めて細やかな気遣いを受けたことに改めて感動した。

 

私が働いていたスパのガーデン。ガーデンには隠れ家風のヴィラがあり、その中で施術が行われていた。

 

 ゴールデンウィークはスパが最も混む期間の一つだ。4月半ばに勤務を開始した私に課せられた目標の一つは、ゴールデンウィークまでにお客さんの案内・レジを担当できるまでに成長すること。案内の手順一つ一つについてテストをし、合格しなければ店頭に立たせてもらうことはできない。同僚のカンボジア人や上司と一緒に練習を重ねてテストに合格し、なんとかゴールデンウィークまでに店頭に立てるようになった。

 

 観光客で混雑し、1日中働きづめのゴールデンウィークを乗り切るころには、仕事内容や職場にも慣れ、ようやくカンボジアでの生活に順応できるようになっていた。カンボジアに来てから仕事に慣れることに精いっぱいだったが、ゴールデンウィークの後で、数日間の休みをもらった。その休みを使って、私が滞在していたシェムリアップの有名な世界遺産・アンコールワットを含む遺跡群を巡るべく、海外滞在中初めての旅行へと出発した。


この記事は2019年9月24日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を公開しています。

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世界というキャンパスで 分部麻里③
研究室散歩@高分子ゲル 吉田亮教授(工学系研究科)
サークルペロリ UTSummer
キャンパスガイ 星合佑亮さん(文Ⅱ・2年)

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