COLUMN 2015年9月23日

OB・OG訪問で撃沈する「聞き下手」クン 霜田明寛の就活十番勝負12

(ミス首都大学東京2014 グランプリ  高井ひろえ)
(ミス首都大学東京2014 グランプリ  高井ひろえ)

 2017年卒業予定の学生の就職活動が、そろそろ始まります。早い人は、この9月ぐらいから、「OB・OG訪問」を始めるでしょう。 多くの場合、OB・OG訪問が実質的な就活のスタートになります。「OB・OG訪問を受けたら、人事部に報告せよ」と社員に通達している企業もあり、そのようなところの選考では、OB・OG訪問での様子も多少影響します。

 2016年卒業予定者の採用が後ろ倒しになったため、こうしたケースは増えました。 2017年卒の採用のスケジュールがどうなるかまだわかりませんが、いずれにせよ、OB・OG訪問の重要度が下がることはないでしょう。 というのも、OB・OG訪問は重要な“インプットの場”だからです。エントリーシートに何を書くのか、面接で何を話すのかを考える材料を、OB・OG訪問で得ることができます。

 しかし、多くの学生は、OB・OG訪問において上手なインプットができません。学生には、話の“聞き方”のスキルを備えていないことが多いからです。 私のところに相談にきた学生が、こんなことを言うことがあります。 「OB・OG訪問してきたけど、役に立ちませんでした……」 さも、相手の社員が悪かったような口ぶりですが、これは見当違いというもの。問題があったのは、役立つ情報を引き出せなかった自分の“聞き方”のほうなのです。

 学生の“聞き方”のスキルが乏しいことが明らかになるのは、就活の面接で、企業側が志望者に「何か聞きたいことはありますか?」と訪ねたときです。 「社員の方は、休日は何をされているんですか?」 こんな質問をしてしまう学生はけっこういます。その会社での仕事と、社員の休日の過ごし方は、まったく関係性のないことです。「限られた時間しかないのに、そんな質問をするなんて……」と面接担当者はあきれるでしょう。

 日常会話では、「休日は何をされているんですか?」という質問は、相手に聞くことがなくなったときにするもの、と考えられています。「実は釣りが趣味でしてね……」という返事がきたら、そこから話をふくらませることができるからです。 それなのに、面接の貴重な時間を使って、「会話を続けるためだけの質問」をするなんて、もったいないでしょう。OB・OG訪問でも、このような質問をしてしまう学生があとを絶ちません。

 ただ、学生は、OB・OG訪問でぎこちない質問しかできなくても仕方がないと思います。社会人のようなコミュニケーションができなくて当たり前です。少々失礼でも、思い切って質問したほうがずっと得るものがあるでしょう。 ただ、そうはいっても、“聞き方”のスキルがまるでない学生は、せっかくOB・OG訪問してももったいない。そこで、ここでは、すぐに身につく基本的な“聞き方”のスキルについてお話しします。  

●相手の話に興味を持つ

 話を聞く際にまず大切なのは、「相手の話に興味を持つ」ということです。自分が話す側の立場にいるとして考えてみればわかるでしょう。「あれ、この話、全然興味がないのかな……」と思ったまま話し続けるのは、本当につらいことです。 もし、相手の話がつまらないと感じられたとしても、興味がないような態度を取るのは、百害あって一利なしです。興味があるフリでもいいですから、必ず態度で示す。

 相手が話し始めてくれたら、うなずいたり、相手の目を見たりといったリアクションをしましょう。 相手が話をしているのに、「そんなことは知っている」「自分が聞きたいのはそんなことではない」と言わんばかりの態度を取る人もいます「自分は頭がいい」ということをアピールしなければ損だ、と思っているかのようです。 むしろ、「自分は何も知らないので……」と下手に出たほうが、いろんな話を聞き出すことができます。「申し訳ございません、学生なので何も知らないもので……」などと言えば、相手も気持ちよく話をしてくれます。  

●相手を否定しない

次に注意したいのは、相手の言うことを「否定しない」ということです。もし相手が間違ったことを言っても、否定してはいけません。 「1198年に鎌倉幕府ができて、源頼朝が……」と相手が話し始めたときに、すかさず「いや、鎌倉幕府成立は1192年ですよね。最近は1185年という説もありますが、いずれにせよ1198年ではありません」と言ってしまったら、話の腰を折ることになりますし、何より会話が盛り上がらないのです。 相手は別に鎌倉幕府ができた年について話したいわけではありません。だったら瑣末なことは置いておいて、まずは気持ちよく話をしてもらう。そして、本当に指摘しなければならない間違いだけ、あとで「実は先ほどの……」と言えばいいのです。

  就職活動の選考で行われるグループディスカッションでは、やたらと相手の言うことを否定する人がいます。「それは違いますね」とすぐに相手の話の腰を折るので、議論がなかなか進みません。みんなライバルだから、間違いを指摘することで優位に立とうと思っているのでしょう。でもそれは、はっきりいって逆効果です。  

●単語に反応して話の腰を折らない

女性同士などでとりとめのない会話を楽しんでいるときに、こんなやりとりがよくあるでしょう。 「昨日、テレビで、長澤まさみも来るカフェが紹介されてたんだけど……」 「あ、長澤まさみといえば、この間、映画で……」 特定の単語に反応して、相手の話をさえぎって、別の話を始めてしまう。これは相手に対して失礼なので、絶対にNGです。相手がしたいのは、カフェの話であり、長澤まさみの話ではありません。 何かをきっかけに思い出した話を、今しないと気がすまないからこうなるのでしょう。仲のいい人同士であれば、コロコロと話題が変わるのも楽しくあります。

 OB・OG訪問だったら、自分がなるべくインプットする場なので、こちらの持論を披露するのではなく、相手に質問してさらに深く引き出すことに集中したほうがいいかもしれません。 いかがでしょうか。なお、学生がOB・OG訪問で活用できる“聞き方”のスキルについては、今月発売になる僕の新刊(下記)でさらに詳しく解説しています。もし興味を持ってくださったら、手にとっていただけると幸いです。 ƒvƒŠƒ“ƒg   『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由』 霜田明寛著  

 

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