COLUMN 2015年9月30日

内定が出ない“あきらめ組”がもう一度考えるべきこと 霜田明寛の就活十番勝負13

(ミス首都大学東京2014 グランプリ  高井ひろえ)
(ミス首都大学東京2014 グランプリ  高井ひろえ)

 9月も終わりに近づき、就活を終える大学4年生が目立って増えてきました。ただ、そのなかには、「今年はダメだった。留年して来年またがんばろう」という“あきらめ組”も含まれています。

 そんな、内定がもらえなかった“あきらめ組”のみなさんに、ぜひ考えていただきたいのは、「なぜダメだったのか」です。 就活のなかでもストレスがたまるのは面接でしょう。ひとつの会社で内定が出るまでに5回も6回も面接をやることがあります。何より、合否の基準がわかりにくく、「今日は面接でよく話せたぞ」と思っていたら落ちたり、「今日はぜんぜんダメだったな」と思っていたら受かったり、ということがよくあります。

 企業の人事担当者に対するアンケートでは、面接などによる採用で最も重視するのが、「人柄・性格」なのだそうです。これまたあいまいなもので、就活生をいっそう悩ませます。「面接で落ちまくっている自分は、人格に問題があるのだろうか」と。 僕は就活アドバイザーとして大学で学生の相談に乗っている一方で、企業の人事担当者から話を聞くことがあります。すると、面接する側としては、まったく違った風景が見えています。

 これは、これから就活にのぞむ3年生のみなさんにも心して聞いていただきたいのですが、人事担当者が口をそろえて言うのは、学生に自己アピールしてもらうと、同じような内容ばかり聞かされるはめになる、ということです。 「ゼミ長をしていたので、人の共感を集めるのが得意です」 「サークル長をした経験を生かして、多くの人を楽しませたいです」 「バイト先でのリーダーの経験をもとに、お客さまを支える仕事がしたいです」 ……それはさっき別の学生からも聞いたよ、と言いたくなるほど、みんな同じようなことを話すのだとか。

 なかには「自分はなるべくほかの人とは違うことを言おう」と意気込んで、海外に留学していた話や、インターンで企業で働いた話を、“特別な経験”として語る人もいます。ですが、なんだかそれもどこかで聞いた話だな……と面接担当者は感じているのだそうです。 どうしてこうなってしまうのでしょうか?

  「そんな話をするとき、学生はどんな口ぶりですか?」と僕が尋ねると、ある人事担当者はこう答えました。 「そうですね、なんというか、板についていない感じがしますね。実感がこもっていないというか。きっと、普段のしゃべり方とは違うでしょうね」 これを聞いたとき、納得がいきました。 学生は、「この会社が採用したいのは、こんな人間のはずだ」と勝手に想像して、面接で話す内容を考えます。その結果、自分自身とは違う人間になろうと努力してしまい、「板についていない口ぶり」になってしまうのです。

 これでは、説得力がありません。話す内容がほかの人と同じになってしまうのですから、まったくアピールになっていないのです。 面接とは自分をアピールする場であるのに、「自分を伝える」ということがまったくできていない人が、なぜか多くなってしまっているのです。 なぜ、多くの人が、ありふれた志望動機や自己紹介を話してしまうのはなぜでしょうか?

  この問題の根本には、日本の教育が抱えている大きな課題があると思います。学校では、誰もが“みんなと同じ”ように振る舞うことが求められます。 もちろん、子どもたちの個性を大切に伸ばしていくことを教育方針にうたっている学校はたくさんあります。でも実際に教室のなかで起きていることといえば、「給食は、自分がきらいなメニューでも、食べ終わるまで席を立ってはいけません」とか、「お父さんやお母さんに協力してもらって、ベルマークを集めましょう」といった、みんなが同じことをやるのが前提になっているのです。 「なんでこうしないといけないんですか?」と質問しても、「周りがそうしているから」「ルールだから」という答えしか返ってきません。

 そんな環境で育ったイマドキの若者は、自分が“人と違う”ということを恐れ、とくに初対面の人とは無難なコミュニケーションをとろうとします。 ある男子学生に就活のアドバイスをしていたときのことです。いろいろと話を聞いたのちに、「ヘイトスピーチの現場に行ってみたなんてすごいね。みんなメディアで見聞きはしても、なかなかその現場まで行こうとはしないよ。そこが君のいいところだね」と何気なく言ったところ、「人と違ったことをしたのにほめられたなんて、初めてです」と驚いていました。 “人と違う”ということは、それほどまでに「隠さなければならないもの」だと感じているのです。

 まだ就活を続けている4年生、今年はもうあきらめた人、これから就活にのぞむ3年生にまず伝えたいことと言えば、「面接で他人を演じるのはやめましょう」ということです。 勝手に想像した「内定がもらえる人」を演じようとすると、ありふれた志望動機しか話せなくなってしまいます。それよりも、自分だけが当てはまる言葉で、自分の思いを伝えたほうが、相手の心を動かせるのです。 次回から、その方法について、詳しくお話ししたいと思います。   ƒvƒŠƒ“ƒg 『面接で泣いていた落ちこぼれ就活生が半年でテレビの女子アナに内定した理由』 霜田明寛著  

 

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