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2018年8月21日

【東大2019②】もっちゃん×水上颯 現役東大生のぶっちゃけウラ話

 現役東大生の本音を読者に届けたい。そんな思いから企画した座談会に、東大女子YouTuberとして活躍するもっちゃん(経・4年)とクイズ番組で大人気の水上颯さん(医・5年)の2人に参加してもらった。第1章では、自身の東大受験や日本の受験業界について、ざっくばらんに話してもらう。

 

もっちゃん(左)と水上さん

 

センター試験は頑張る必要ない?

 

──まず、2人が東大を志望した理由について聞かせてください

水上さん 僕はもともと医学部に入れるならどこでも良いかなと考えていて、特別東大にこだわっていたわけではありませんでした。ただ、どこでも良いなら学習環境が整っている東大で良いんじゃないかと。

 

もっちゃん 札幌出身の私は漠然と北海道大学に行くのかなと考えていたのですが、中学校時代に通っていた塾で「東大に行けるんじゃないか」と言われました。この言葉をきっかけにちょっとした自信が芽生え、負けず嫌いの性格もあり、東大を目指し始めました。

 

──ベタな質問ですが、受験生時代にはどのくらい勉強をしていましたか

水上さん クイズ部に入っていたことなどから、高1から高2にかけては学校以外では勉強していませんでした。マージャンがはやっていて、放課後は誘ったり誘われたりで(笑)。僕の出身である開成高校では、5月にある運動会が終わってから受験勉強に本腰を入れる人が多かったです。僕も同じで、高3の運動会後からようやく13時間くらいは勉強し始めました。

 学校の授業はほとんど聞かず、理Ⅲ合格者の約半数が通っている鉄緑会という塾で勉強していました。東大受験を考える上で、鉄緑会はテクニック面で最強ですから。市販の教材ではなく鉄緑会の教材に取り組んでいました。

 

もっちゃん 私は部活を辞めて暇だったので、高1からコンスタントに134時間は勉強していました。今よりか真面目でしたよ(笑)。

 

──受験生時代に東大を訪れたことはありましたか

もっちゃん 本郷のオープンキャンパスに行きました。経済学部の授業を受けて、食堂でお昼を食べた思い出があります。駒場祭にも行きましたよ。

 

水上さん 僕は割とあまのじゃくだったので、オープンキャンパスには行かず、1度駒場祭に行っただけでした。当時は駒場と本郷にキャンパスがあることを知らず、当日本郷キャンパスに行ったらすごく静かで。友人に連絡を取って初めて間違えたことに気付き、ばかにされちゃいました(笑)。

 

──センター試験に向けて、どのような対策をしていたのですか

水上さん センター試験の10点が2次試験の1点くらいの計算なので、正直2次試験だけで何とかなるという気持ちでいました。理系の僕は、センターに向けて文系科目の倫理・政経を多少やったくらいです。東大だけ目指すなら、センターを頑張る必要はないですよね。

 

もっちゃん 授業で過去問をやる機会があったのですが、それ以外は全く対策しませんでした。当日は楽な服装で行きたいなということで、プーマのジャージー姿という、かなりラフな格好で試験を受けました(笑)。

 

──2次試験となると話は変わってくるのでしょうか

水上さん やっぱりだいぶ緊張していました。悪い緊張ではなかったと思いますが。周りに知り合いはおらず、誰とも話さないで過ごしました。

 絶対受かるという確証はありませんでしたね。試験の点数は難易度と実力とで乱数的に決まると思うんですけど、僕は低い乱数が出なければ受かると思っていました。本番はかなり低い乱数を引いてしまって。特に数学は自分の中で「やってしまった」と思うほどの手応えで、普段の3分の2くらいしか解けませんでした。ただ、序盤の数学で大失敗してしまったことで、どうせ落ちたようなものだと開き直ってその後の試験に臨めました。

 

もっちゃん 私は直前まで模試の判定が良くはなかったので、受かるかどうかは五分五分という気持ちでした。

 

──合格発表の日はどうでしたか

水上さん 2次試験当日の失敗を考えて、7割くらいは落ちた気持ちでいました。ただ、インターネットで結果を見てみると受かっていて。やっぱり自分は運が良いなと思いましたよ。

 

もっちゃん 実は私、前期試験では不合格となり、当時の後期試験で受かったんです。前期試験の合格発表の日は、一緒に東大を受けた友達と一緒にインターネットで確認しました。友達が受かったのを見た後に、自分の番号を確認したら「あれっ、ない……」って。

 当時の後期試験は文系に不利といわれていました。特に難しい数学では、とにかく書けるだけ書こうという気持ちで。一方で英語と小論文では意外と筆が乗った気がしました。発表の日は、母親と一緒に自分の番号を見つけて、とてもうれしかったです。当時は早稲田大学への入学準備を進めていたので、かなりバタバタしちゃいました。

 

 

 

東大合格には無論「努力」が大事

 

──受験勉強には犠牲が伴うと考えられがちです

もっちゃん 東大に入ってみると、がっつり部活をやっていたのに合格したような人が多かったです。そのような人たちはやり切ったことで自信に満ちている気がしました。私は高1でバドミントン部を辞めてしまったので、そのような人を見ると、少し後悔のようなものを感じましたね。

 

水上さん もちろん目指している進路に対して努力するというのは大切だと思いますが、大切なものを犠牲にしてまで受験勉強に打ち込むというのは賛成できません。何事も無理のない範囲で、というのがうまくいく秘訣(ひけつ)だと思います。

 

もっちゃん 東大生って、受験勉強をつらいと思っていた人が少ない気がします。誰かに言われて勉強をしたのではなく、なんだかんだ入学後にやりたいことを描けている人が多いのではないかと。モテたいという下心であっても、何かしら自分なりの動機を持って勉強に取り組んでいたら、何かを犠牲にする意識にならないと思います。

 

 

 

──東大合格に最も大事なことはなんだと思いますか

水上さん 無論「努力」だと思います。東大に限らず一定以上の学力水準の大学に合格するためには、非常に多くの因子が絡んできます。「出身地」や「親の経済力」、そして「運」。ただ、自分で変えられるのは努力だけですから。

 

もっちゃん 生まれや親の経済力に恵まれなかったとしても、東大に合格した人はいます。ただ、努力をしなかった人はいないと思いますね。

 

──第1章の最後に、大学受験について言いたいことを自由にどうぞ

もっちゃん 東京にいると当たり前のように大学受験をする人が多いと思いますが、自分がどうなりたいかをしっかり考える方が大事です。自分の夢に必要なら大学に行けば良い。今の時代は高校時代から起業する人だっていますし、決まったルートに乗る必要はないです。

 

水上さん もちろん大学受験は人生の一大イベントですが、今の日本ではそれをあまりに過熱化させ過ぎている傾向があります。大学受験を重く捉え過ぎない、ある種の寛容さが必要なのかな。

***

 この記事は、2018年8月に東京大学新聞社が発行した書籍『東大2019 東大オモテウラ』の第1章からの転載です。第2章以降の「ぶっちゃけウラ話」では2人が東大での生活や将来の進路についても語り合います。

 

 

『東大2019 東大オモテウラ』は現役東大生による、受験必勝法から合格体験記、入学後の学生生活のアドバイス、後期学部への進学、そして卒業後の進路に至るまで解説したガイドブック。東大受験を考えている高校生や中学生の皆さんにお薦めです。

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