COLUMN 2019年10月18日

推薦の素顔 豊島伊織さん(文Ⅲ→育)

 

教育格差の解消に挑む

 

 きっかけは中学生の頃に読んだ本。日本の子どもの6人に1人が貧困状態にあることに衝撃を受け、居ても立ってもいられなかったという。自分の置かれている環境がいかに恵まれているか気付き「勢いのまま、貧困世帯の中学生向け学習支援ボランティアに応募してしまいました」。

 

 ボランティアは高校3年間続けた一方、高2の終わりに、授業の一環で書いた子どもの貧困に関する論文が校内の賞を受賞。東大を意識し始めるようになったという。東大の推薦入試の存在を知ったのは高3の7月。高校で初めての東大推薦の志望者だったため、対策は手探りだった。

 

 書類審査では3年間のボランティアやアンケートを踏まえて書いた論文2本と志願理由書を提出。志願理由をA4の紙1枚に収めなくてはならないため、2、3カ月ほどかけて文章を練ったという。

 

 東大では高校までやっていた研究の続きをやりたいと語る豊島さん。現在は、学校教育を通して子どもの貧困が再生産されているという議論に関心があるという。

 

 入学した東大は事前の予想より閉鎖的だった。地方出身の学生が思ったよりも少なく「自分が恵まれている、ということを実感したことのない、視野の限られた学生が多いように思いました」。

 

 東大では前期教養課程の幅広い授業を自分の興味に結び付けられており、とても新鮮に感じている。将来は、大学に残って研究を続けるか、地元の宮城県で、東日本震災からの復興に教育の面から携わるか悩んでいるというが、どんな道を選ぶにしても、中学生の時の思いを胸に突き進んでいってくれるだろう。

(取材・撮影 中井健太)


この記事は2019年10月8日号から転載したものです。本紙では他にもオリジナルの記事を公開しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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