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2016年1月14日

東大生 8割以上が「将来に悩み」 学生生活実態調査

 東大は2015年12月11日、2014年に実施した学部生対象の学生生活実態調査の結果を公表した。今回の調査では学部生の80%以上が将来の進路や生き方に悩みを抱えていることが判明。学部卒業後の希望の進路については「進学」が全体の約50%を、「就職」が全体の約30%を占めた。男女別に見ると、「進学」「就職」それぞれの選択率の男女差は12年調査よりも大幅に縮小した。

 

160112学生生活実態調査図表

 

 学生生活の中で不安や悩みを感じるものに関する質問について「よく悩む」または「ときどき悩む」の回答率が最も高かった項目は「将来の進路や生き方」で、83.7%だった。「就職」が68.8%、「勉学(成績・単位など)」が66.1%、「経済的なことや経済的自立」が62.9%と続いた。

 この傾向は同じく学部生を対象にした2012年の調査から継続。心配ごとや大学への要望を具体的に記述する項目にも「大学院進学か就職か、判断の助けとなる情報をもっと提供してほしい」「卒業後の進路や女性のキャリアについて相談できるような機会がほしい」「就職活動がうまくいくか心配」など、進路選択や就職活動に関連する不安や悩みが挙がった。

 学部卒業後の進路の希望については「進学」が全体の50.1%、「就職」が34.3%となった。文理別では文系で就職希望者の割合が59.8%を占めたのに対し、理系では進学希望者が70・6%だった。文理で卒業後の希望進路が大きく異なる傾向は、12年の調査とほぼ同様となっている。

 学部卒業後の進路の希望について男女別で見ると「進学」が男子は51.2%で、44.5%の女子より6.7ポイント高くなった。12年の調査では男女の差が15.2ポイントあり、「進学」選択率の男女差は8.5ポイント縮小。「就職」は女子が40.2%で33.0%の男子より7.2ポイント高かったが、「就職」選択率の男女差は前回調査での12.7ポイントよりも5.5ポイント小さくなった。

 「大学院に進学する」理由に関する質問では「より高度の知識・技術を身に付けるため」が77.5%と他の項目に比べて圧倒的に高かった。次いで多かったのは「良い就職先を得るため」で27.4%だった。

 希望の職業について、部門別では「民間企業」が55.4%と最多。次いで「公務員」が31.4%だった。希望の職種は「大学・公的機関の教育・研究職」との回答が全体の17.3%と最も多く「企業などの研究職」が16.6%で続いた。これらは12年の調査とほぼ同様の結果となった。文理別の場合、文系は20.0%の「行政職」が、理系は27.9%の「企業などの研究職」が最多。希望職種にも文理で違いがあった。

 学生生活実態調査は教職員からなる学生委員会学生生活調査室が行っているもので、今回で64回目。今回は14年11~12月に、男女別・学部または科類別に学部生の4分の1を無作為に抽出し、うち44.0%から回答を得た。

 

この記事は、2016年1月12日号からの転載です。本紙では、他にもオリジナルの記事を掲載しています。

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