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2025年12月8日

【六大学野球2025を振り返る】安定した守備で内野陣をけん引 樋口航介選手

樋口航介選手(理Ⅰ・2年) インタビュー

 

 

 

──今年は東大の正遊撃手として活躍されましたが、今年1年を振り返っていかがでしたか 

 

 1年を春と秋に分けて振り返るなら、春は東京六大学野球の高い壁に打ちのめされたシーズンでした。秋はその春の反省を踏まえて、夏の間やってきたことが、ある程度形として現れましたが、やはりまだ壁は高かったという形です。野球部はいろいろな人に支えられていて、責任やプレッシャーを感じた1年でもありましたが、「楽しかった」というのがリーグ戦を戦っての感想です。 

 

──秋元選手と同様に1年生ではリーグ戦の出場はありませんでしたが、今春にレギュラーをつかむまでにどのような競争があったのか教えてください 

 

 1年生の冬ぐらいに監督と面談があって、来年の起用などについて話をしました。その際、遊撃手の井之口晃治(文・4年)選手、小村旺輔(経・3年)選手、僕の3人の中で、良い調子の選手を出すぞと言われ、紆余曲折はあったのですが、結果的に僕が出ることができました。 

 

──自身のどのあたりを評価して首脳陣が起用したかという声かけはありましたか

 

 直接は全くなかったのですが、春先に僕を含めた遊撃手の選手が軒並み調子が悪い中で、守備は横一線なのでその中で一番打てる選手を選ぶという意図を感じました。いろいろな選手が出る中で最終的に自分に固まってきたかなという感じです。 

 

──春季リーグ戦の前半は毎試合安打を打つという活躍だった一方、後半は無安打の試合が増えました。その要因を教えてください 

 

 前半の好調の要因で一番大きいのは、対戦相手がなめてきてくれたっていうことだと思います。見たこともない小柄な2年生が9番を打っているので、甘くても直球で勝負してきました。ただ、僕は直球にだけは負けないように練習していたので、結果が出ていました。 

 

 しかし、後半から少し変化球が増え出したりして、 スイングにも迷いが生まれてきて、どんどん自分の形を見失ってしまいました。変化球を打たされた内野ゴロが増えていって、変化球を振りたくないので見逃していたら、結果的には直球にもあまり手が出なくなるという感じですね。 

 

──秋季リーグ戦は、シーズン中安定して安打を積み重ねましたが、春から成長した点はありますか 

 

 夏のオープン戦がある中で、いろいろなアプローチを試し、それぞれの投手への対応の軸となる形が自分の中で固まってきました。六大学の対戦相手のピッチャーは絶対格上ですが、そこをどうやって打つか。変化球はいいから直球を打とうとか、直球はいいから変化球は打とうとか、このコースは打とうというような絶対な割り切りをすることです。秋季リーグ戦では、そこの割り切りがしっかりできていたからこそ、ヒットを積み重ねることができたのかなと思います。 

 

──樋口選手の守備は守備範囲の広さと安定感が印象的ですが、ご自身の守備の持ち味を教えてください 

 

 持ち味は打球を取ってからの握り替えの速さとポジショニングです。ポジショニングは、どこにボールが来そうかなということを考えて、セカンドの秋元選手やサードの青貝尚柾(育・4年)選手に「ちょっとこっち来て」というような指示を内野の中心としてすることが多かったです。 

 

 大まかなポジショニングは、アナリストとキャッチャーが相談して決めるのですが、その日の選手のコンディションだったり、投手の状態だったりで変わってくるので、細かいポジショニングはグラウンドに出ている野手に任されています。 

 

──秋は試合ごとに頻繁に打順が変わることが多かったですが、打順が変わったことで難しい点はありましたか 

 

 作戦面で試合前に考えることはありますが、試合の中で打順について考えることはあまりありませんでした。秋のチームでは中山太陽(経・4年)さんが1人抜けてて、あとは打率や長打の期待値が似たような打者が並んでいたので、前の打者がこうだからと考えるよりは、自分自身やその場の状況に応じたバッティングをしようと考えていました。 

 

──今後の自身の課題について教えてください 

 

 課題としては、この春秋のリーグ戦で結構顕著に出たパワー不足だと思っています。秋でも捉えたはずの打球が外野手に取られたことが多かったです。もったいないですし、打球が外野ぐらいで収まると相手が守りやすくなるので、まず外野の頭を越せるようなパワーをつけようと思います。冬の期間には、増量とトレーニングをメインにしようと考えていて、技術面に関しては基礎や土台の部分を強くしていきたいです。 

 

──樋口選手が目指す選手像を教えてください 

 

 パワー面でほかの五大学に勝てるような選手になりたいと思っています。ショートというポジション上、肩の強さが顕著に出ると思っているので、送球の強さや本塁打数で、他の大学のショートの選手に勝って、ベストナインを取りたいです。 

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